靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

アラスカでの始まり

2011-06-02 03:03:32 | 私史
フェアバンクス、私にとってアラスカ暮らし始まりの地。

15年前、村々を回りネイティブの人々と1ヶ月程過ごした後、フェアバンクスの大学図書館で資料探しをしていた。10日程の滞在予定の2日目、キャンパスで日本からの留学生に出会った。「今夜、日本人の集まりがあるけれど来ない?」 その集まりの場所がSさんの家だった。学生、写真家、冒険家、研究者、旅人と様々な顔ぶれ。

アラスカに30年以上暮らす日本女性Sさん、集まりの終わりに「家に泊まったら?」と。翌日B&Bから荷物を運び込んだ。

Sさんの家で夫と出会ったのだった。3ヶ月間居候していた夫。

Sさんの家では毎日のように何らかの集まり、そしてほとんどいつも誰かが居候。夕方Sさんは仕事から戻ると台所に直行し、大量の食事を用意する。歌を歌いながら。

「夢を追う人を助けるのが好きなの」 そう笑っていた。


Sさんが病に倒れたと聞いたのは4月のこと。自宅でホスピスケアを受けるSさんを、やっと見舞うことができた。

朝日を浴びながらSさんの家に向かう。

ありがたいことにSさんの家へ歩いて10分ほどの友人の知り合いの持ち家に滞在させていだだいた。

最後にお会いしたのは4年前。居間に置かれた医療用ベッドで、Sさんはまるで昨日別れたばかりのように迎えてくれた。穏やかな微笑み。目の前にずらりと並んだ子供たちを目を細めて眺め、「歌って」と。照れた様子の子供たち。Sさんに出会わなかったらこの世にいなかっただろう子供たちを前に、Sさんは歌い始める。15年前に聞き慣れた声より小さな、とても透き通った声で。


冗談を言い、笑い、

「台所に行って何か甘いものでも食べておいで」「美味しいものいっぱい持って帰るのよ」

いつものSさんが、ベッドに横たわっている。


居間に飾られた石の数々に見入る子供たちに、「好きな石いくつでも持って帰りなさい」とも。

世界中あちらこちらから持ち寄られた石。

子供たち大喜びで一つずつ選ぶ。

別れるとき、Sさんは手を握りながら「またね」と言って微笑んだ。アラスカの空のような微笑み。

手の温もり、今も感じている。

アンカレッジから祈りつつ。



いただいた石。

桜石(どの角度から見ても桜にみえるそう)やクリスタルなど。

フェアバンクス、アクティビティ

2011-06-02 03:03:00 | 風景・散歩・旅
20度を越えるかどうかという気温のアンカレッジから、30度をさらりと越える内陸フェアバンクスへ。陽光がジリジリと肌を焼く。一年分の日差しと熱を満喫した気分。博物館やトレイルを回る。

アラスカ州唯一というテーマパーク「Pioneer Park」。
ゴールドラッシュ時の町並み、


スティームボートに、


飛行機博物館。


生まれて初めて乗った電車に見入る次男。


メリーゴーランドにも。


チーナ温泉では残念ながらメインテナンスのため子供立ち入り禁止(右端大人露天温泉)。


それでも同じ敷地内にある「氷博物館」で子供たち大はしゃぎ。

全部氷。


凍る空気に響く音色!