虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

アレルギー、「WTC」「アフガン」

2006年10月22日 | 映画の話題
 ここ2・3日アレルギーに捕まって散々な日常でした。今回の原因はまだ不明。古いものの整理をしていたので埃かもしれません。
 涼しくてあまり汗もかかない気候なので昼間は何とかやり過ごしているのだけれど、夜風呂に入ると血行が少し良くなるせいかいきなり吐き気。そして猛烈に全身むず痒い。もうチャイコフスキーの妻の如く(すごく少数の人にしか分からない比喩だと思いますが)身もだえしてしまいます。そのため夜PCにさわっている余裕も無く、狙っていたオークションも逃しました。しかし、痒みってほんとに神経にこたえるものですなあ。

=======
痒がりながら考えていたこと

「ワールド・トレード・センター」
 実にオーソドックスな人間の生きる意思についての感動ドラマになっていて、オリバー・ストーンのこれまでを考え合わせると、これだけかな、と思う人も多いのではないかと思った。本当にそのことが起こった時の衝撃と混乱と悲しみが映し出されているようだった。怒りはまだこの先だったのだろうか。
 911に関しては、まだまだその記憶や傷跡は生々しい。私にしてからが、テレビの枠に囲まれた「その瞬間」を記憶している。それ以後の「テロとの戦い」…アフガン戦争、イラク戦争、宗教・人種間の亀裂の拡大、疑心暗鬼の増幅…このことについて持っている私たちの情報量は、それがある一つの見方に偏っているかもしれないとしてもけっこう多い。
 この映画はあの時点での「一人一人の人間の持っているもの(愛情やそれまでの人生で築いていたもの)がどれほどのものであるのか、人間の命を守ろうとする人間同士の善意」というものに焦点が絞られているようで、そのほかのものは正面きって見せられてはいない。
 とはいっても、自らの生命の危険を冒して生存者を探す元海兵隊員のちょっと憑かれた様な描写や、明日があるつもりで大事な相手と気まずく別れた取り返せない後悔などが画面に映し出される。

 今週はBS深夜にアジアの映画特集で「アフガン零年」もやっていた。これははじめてみたときに余りにも打ちのめされるような映画だったので、今回は見ずにはいられなかったけど、その前に「テニスの王子様」とかグレゴリー・ハインズの天才的な体技を見る「タップ」を見て準備していたのだが、やはりやりきれない気持ちからなかなか立ち直れなかった。アフガンについては、その地の生活などは私の知識は無いに等しい。そしてラストは少しの希望さえも持たせてくれないけれど、これが現実であろう、もっと多くのひどいことがあるのだろう…と認識を迫られる。

 どちらにしても、私が思うことは
「誰の身にも、こんなことはもう起って欲しくない」
 多くの人がこう考えているのだろうに。

本年上半期の映画

2006年08月05日 | 映画の話題
今年はベスト選出できるほど見ていないので
1月~6月までの間に
楽しかった・ガシッとつかまれたベストの2本を。

・楽しかった
 プロデューサーズ
 …文句なしに。

・ガシッとつかまれた
 マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾 (2002/スペイン)
 これは、今年になってイーストウッドの「許されざるもの」を見直してちょこっとここに感想を書いて、その記憶が新しいうちに見たということも「琴線に触れる」以上につかまれてしまった原因になったと思う。
 西部劇というものが、もはや挽歌、ノスタルジーの対象として存在するようになってしまった現在、その最も優れた挽歌を奏でたのが「許されざるもの」のイーストウッドだったと思っている。
 そしてこの映画もまた、滅んでいくものの姿であっても、イーストウッドの描ききったようなある種の男の矜持を誇らかに歌い上げるものなのだ。私は西部劇を屈折した目で、でもかっこいいと複雑な思いで見た。ペキンパー以後の西部劇入門である。それでも西部劇ヒーローの時代、マカロニウェスタンの思い出への感傷を刺激されずにはいられなかった。
 とはいっても、やっぱりこの映画の西部劇村の面々がそばにいなくてよかったなあ。

 バート・レイノルズの「さすらいのガンマン」見ましたが、遅くなったのでまた明日に。
 結局、今年の上半期のマイ・ベストは「プロデューサーズ」ということになります。

これから公開の映画など

2006年07月18日 | 映画の話題
…について少々。

・「パイレーツ・オブ・カリビアン2 デッドマンズ・チェスト」
 公開前の先行上映が何度もあるので行って来たかったが、家に「先に一人で行ったら一生恨むからね!」と怒鳴るのが1名いるので延期。公開してから割引日に行くことに変更。残念。

・「ゲド戦記」
 不安なのである。
 ゲドが、「ナウシカ」のユバ風のジブリのおじさんに見えるのがとっても不安。
 他のキャラもやっぱりジブリだ。
 それに予告編を見る限りではジブリのアースシーが私のイメージを裏切らないものになっているか、もしくはそれを超えた映像になっているか、ものすごく不安だ。

・しかし、ゲド戦記映画化の話題で、二人ほどにシオドラ・クローバーの「イシ」(イシ 感想)を読ませることに成功。うれしい。どうぞ皆様も是非お読みください。

・さて「ブレイブ・ストーリー」「日本沈没」ぜひとも映画館で見たほうが良いのはどちらでしょう?

・ビリー・ワイルダーの「情婦」をリメイク。それもニコール・キッドマンで!
 いやもう少し年取ってからおやりになっても…と思う。

愚痴

2006年07月01日 | 映画の話題
 とうとう7月になってしまいました。
 年々映画鑑賞本数が少なくなる一方ですが、今年は特に少ないッ!!
 これでは上半期ベストなんておこがましくてできませんが、やっぱり今年上半期で「良かった!」映画はせめて3、4本ピックアップ、もしくは月別ベスト映画を振り返るくらいはしたいものです。

 本日はあっちこっち駆けずり回って、「銀河ヒッチハイクガイド」を読んで、映画は久しぶりに「ライムライト」見ました。
 私はチャップリンは笑えるし、感心するけどあまり泣けません。「ライムライト」はほんとうにうまいな、と思うもののラストでもあまり感動とはいかず、「独裁者」や「殺人狂時代」のほうがジンワリと感動します。
 ラストのキートン・チャップリン2大巨頭のショーのシーンは圧巻ですがキートンの映っている時間が短いのが個人的不満。でもチャップリンとキートンの運動神経はあの歳で二人ともさすがですね。それでもキートンがエンドクレジットで「カルヴェロのパートナー」とだけなっているのはどうして?名前くらい付けて!

吹替え

2006年06月15日 | 映画の話題
 今週の月曜でしたか、夜のテレビ放送でジャッキー・チェンの「80デイズ」やっていました。これは劇場でもDVDでも未見だったので見ておりましたが、やはり映画は劇場で、大きな画面・良い音響・そして何よりCM中断なしで見たいなあと、つくづく思いました。
 映画自体はちょっと物足りなめで、ジャッキー・チェンがメインの映画にしてはカンフー少なめで、お話としては練り上げ不足(うう・・すいません、またしてもえらそう)な感じでしたが、面白いところもあったので、きっと劇場で見ても後悔はしなかったのではないでしょうか。

 でも、これ、吹替えがぜんぜん素人さんみたいでした。人気タレントがたくさん起用されていたようですが、出ずっぱりのフィリアス・フォッグの声がぜんぜん気が抜けたようですし、声がぜんぜん芝居してない人もいましたよ。日本の声優さんのレベルはかなり高いんじゃないかと思うのに、なぜこういうキャスティングするのかと驚いちゃいました。いつも山ちゃんや長島さんではつまらないと思う人もいるだろう。けど、あれがベストだとは思えないのです。映像は華やかだし家族向けみたいな感じの映画だったから、やっぱりうまい人だったらお話をもっと弾ませられたのではないだろうか。

2005年映画ベスト10

2006年01月01日 | 映画の話題
 年間映画ベストを考えるにあたってつくづくしみじみ悔しいのは、2005年に近所のミニシアター系上映館がほぼ全滅したこと。いわゆる二番手館という周回遅れで2本立てで上映するようなところはまだ残っているものの、大手のシネコンの後追いが増えて映画館で見られる映画のジャンルの幅が一気に狭くなった年だった。
 だから、見たい映画リストのなかでも大手配給以外は全部DVD待ちになった。「映像的に絶対大スクリーン」でなくても映画館の雰囲気で見たい映画はたくさんあるのに、なんて不幸な私と改めて思ってしまった。
 愚痴はともかく、そんなわけでベストは大作系が並んでしまいました。

オペラ座の怪人
カンフーハッスル
コーヒー&シガレッツ
エターナルサンシャイン
運命を分けたザイル
海を飛ぶ夢
バットマンビギンズ
キングコング
コープスブライド
シンシティ
七人のマッハ!!!!!!


11本になりましたが、これだけは好きでベストから落せません。
それに別格が

スターウォーズ・エピソード3シスの復讐
 なんだかんだ言っても、きちんと締めくくられて幸せ。
ミリオンダラーベイビー
 うまい、うますぎる。ちょっと手玉に取られてる感があって凄い良作だけど素直にベスト作品として「好き」というに憚る何かがある。解決するまで別格保留の名作。

 キャー、なんてことでしょう!ジョニー・デップの「ネバーランド」「チャリチョコ」が抜け落ちてしまいましたわ!だけど、映画的には上に並べた作品の方が楽しかったんだもん~~~~

他にもピックアップしたいのは
五線譜のラブレター
レイ/RAY
クローサー
バタフライエフェクト


邦画は映画館で見た大作系は全然駄目で、DVDで見たのが大当たりとか面白いの多かった。今の邦画状況はどうなってるのかな?

で、ビデオ・DVD大儲け感動作品は

下妻物語
ショーン・オブ・ザ・デッド
デビルズ・バックボーン
トルク
丹下左膳餘話 百萬兩の壺 (1935/日)
犬猫
ロングエンゲージメント


それに俳優では2005年で大注目開眼が
ハビエル・バルデム
 「夜になる前に」「海を飛ぶ夢」
最高の役者ですね。

今日は元旦宴会で酒飲んで昼間に寝てしまったので、映画の感想をアップしてる余裕がありませんので、ゾンビとコーラスはまた明日。

イーストウッド、バリウム

2005年11月01日 | 映画の話題
 昨日は警察の事情聴取に、定期健診とめちゃくちゃ忙しい日でした。
 何せ胃部レントゲンでバリウムを飲んだ後なので、例年のごとく数時間後は七転八倒。今年は疲労がたまっていたのか、いつもより強烈で、夜10時過ぎまで腹痛に苦しんじゃいました。

 でもBSの「夕陽のガンマン」はしっかり見ました。
 最近の重たい作品もさすがなんだけど、でもイーストウッドの映画といったら、私は「ダーティーハリー」とウェスタンなのよ!「続・夕陽のガンマン」も最高なのよ!
 男のかっこよさの一典型というものを、セルジオ・レオーネも、これ以上ないような音楽をつけたエンニオ・モリコーネもよくわかってらっしゃると思うばかりなのですよ。
 で今日は、その「続・夕陽」で、水曜が「ダーティー・ハリー」で、金曜は「ガントレット」
 なんとしても夜の時間は空けておかなくては!

エルマー・ガントリー、シェリー・ウィンタース

2005年10月24日 | 映画の話題
 今週末にボランティアで講習会の講師をやることになっております。準備が大変なのです。
 本日、雑用・単調作業を終えて体力使い果たした感じで、帰ってぼやっとしていましたら、BSでバート・ランカスターオスカー受賞作「エルマー・ガントリー」をやっていました。
 やはりぼやっと見ていましたが、パワフルにして妙に道徳的な映画です。それにしても小学生時代の私が、なぜこの胡散臭さ120パーセントな筋肉オジサンのファンになったのかは自分でも謎です。でもいまだにファンなので問題はありませんが。
 この映画でも胡散臭さを存分に振りまいて、「聖衣」や「スパルタカス」でなんて清らかなムードの美女であろうと思ったジーン・シモンズまで、もちろん清純なんだけどなんだか妙に不安定に見えます。そういう映画なんだから、あたりまえですね。
 こういう映画で子供心にも懐疑心をたたきこまれたせいでしょうか、カルト宗教、ねずみ講などヒートアップなミーティング系のものには今まで引っかからずにやってきました。
 この映画は、感想書き出すと量ばかり増えて取り留めなくなりそうです。気力充実した時に見直したいです。

 本日シェリー・ウィンタースさんのニュース。
米女優シェリー・ウィンタースさん、心臓発作から回復 (ロイター)

 もう85歳になられるのですね。
 つい最近の映画まで実に長年にわたって活躍されている方ですが、有名作品とまで言えない映画でも私が印象が強いのがランカスターと共演の「インディアン狩り」
 悪党の女で、ちょっとあばずれ系の年増ぽっちゃり目美女。でも根がお人よしの西部の女をいかにもそれらしい程よい粗野、そして決まるところはばっちりと決めて、気持ちのいい姉御を演じていました。
 名優のお一人ですね。
 回復されて、もっと人生を楽しんでくだいますように。

昔の映画

2005年10月21日 | 映画の話題
 この日記をご覧になると一目瞭然ですが、私は古い映画も大好きです。
 
 今週はBSで
「ブリット」 (1968年/アメリカ)
「夜の大捜査線」 (1967年/アメリカ)
「フレンチコネクション」 (1971年/アメリカ)

などという名画を夜に放送しておりまして、もちろん見ていたのでした。何度も見た映画ばかりなので、それほど固唾を呑んでというわけにはいかないけれど、やっぱり見せ場というか、何がおきるかがわかっていても見入ってしまうところが必ずあります。「ブリット」や「フレンチコネクション」の超有名なカーチェイスシーンは言うまでもなく、「ブリット」のラストシーンはこちらにも沈黙を要求するものがあります。また何度見ても「フレンチコネクション」の食べるシーンはすべて鮮やかにその人間の状況を語っていると思います。
 映像的に古くなったもの、新鮮さが褪せたものがあるのは当然といえば当然で、だからといってその映画の面白さが失せるものではないでしょう。「夜の大捜査線」はサスペンスとしての出来もいいし、人種差別問題などは、その後の年月でどこがどう変わったのか、変わらなかったのかただ昔の話と見るだけでは許されないようなものを感じます。もちろん私の個人的な感想です。

 それでも映画の中の古いもの見つけて喜んでたりはします。「ブリット」のあの受話器を置いて使うファックス、私は現物見たことなくて映画の中でしか知りませんでしたが、まだ売っていました!ネットショップで発見!音響カプラーという名称でIT機器として活躍中らしい。びっくり! とはいえ、プリンター部分は今と昔は凄い違いがあるでしょうねえ。
 それに、わりと古いアメ車好きなので、ポンコツ系の車見てるのが楽しい。
 ジーン・ハックマン、今も昔も同じ顔してますが、やっぱり若い!

映画バトン

2005年10月17日 | 映画の話題
にゃらさんのところから回していただきました。
難しかったです~~

1.所有している映画の本数は?

 DVDだけ、とかなら何とかお答えできますが…
 とりあえず50~60本程度。
 レンタル落ちのビデオを買い込む、とか中古ショップ漁りがやめられないもので、買った数は自分でも怖いので考えたくありません。

2.最後に買った映画のDVDは?

 廉価版では「フランケンシュタイン」(コスミック出版)
 廉価版でないのは「カンフーハッスル コレクターズエディション」

3.最後に観た映画は?
 劇場では「チャーリーとチョコレート工場」の3回目
 DVDでは「シモーヌ」

4.思い入れのある映画は?

 これが一番難しい質問です!
 だって、皆さんそう聞かれたら、「あれもこれも、いやあっちも…」になっちゃいますよね!
 私は、小学生当時身体が弱くて、本とテレビが友達だったから、それにテレビ番組はさほど面白くなくて映画ばっかり、それもラブコメ中心に見ていたのです。それがある日「七人の侍」を見たのです。モノクロなんて、日本映画なんて、深刻な映画なんて見たってしょうがないわ、と思っていた私に十分すぎるパンチを食らわしてくれたのです。
 以来、血沸き肉踊る映画好き、渋いおじさん大好きになってしまったようです。よりによって、ほんとにくえなそ~なおじさんバート・ランカスターのファンにもなっちゃいました。

 そして泣いた泣いた「ドクトルジバゴ

 それに、物理的な制約を超えた世界を見せてくれるのが映画の最大の魅力の一つですよね。
 SFは好きだったけど、スペースオペラを映像がどこまでリアルに出来るかというナマイキな疑念を持っていた私に鉄槌を下したのがもちろん「スターウォーズ
 それ以前のでは怪獣映画や、ハリーハウゼンの特撮映画。

 超絶身体技と役者としての洗練を兼ね備えたアステアや、身体技と共に特撮の使い方がめちゃめちゃうまいハイテンポのキートン映画

 それに、娯楽と、深いところでの感動が同時に味わえる奥深いロバート・アルドリッチ作品

 ダメです、あとから後から出てきちゃう…


5.バトンを回す5人

 映画については、私が思いつく限りの方は他からも回っていきそうなのでそれを楽しみにします。
 う~ん、けっこう挙げる映画を選ぶのに苦しんでしまいますものね。

ライオンと魔女のチラシ

2005年07月25日 | 映画の話題
 今、試験時期真っ盛りの大学生に、週末に心理学の試験の対策ということで、「ちょっと文章を見て」といわれまして。そのままついフロイトとユングとアドラーの復習をしてしまいました。
 こういうのに乗って古い本出してきたりしてしまうのは、クセですかね~。おかげで予定が押せ押せです。今日の午前中「アイランド」でも見に行こうと思ってたのが駄目になりました。とはいえ、まったく学究タイプではなく、アマゾン古代文明についてのTBをいただいて、「半魚人」のところかな、など思ってしまう、何よりエンタメ優先な人間です。
 出来れば明日行きたいけど、台風来るというし、そうするとまたきっと用が増えるな。どこか崩れるほどは降らないで、と切実に願っちゃう。
 先日の地震は、怪我した方などは少なかったものの、影響は大きかったですね。交通機関があんなに広範囲に止まっちゃうのは、覚悟しとかなきゃいけないなあ、と改めて思いました。
 
映画館で、「ナルニア」のチラシが出てきました。


アスラン、ほんとにほんとのライオンですね。
さて、映画では神々しさをどう出すのかな。
ネットに出ている予告映像では、私のイメージよりかなり空が明るいような気がするけど、このチラシだと暗い空に雪明りの雰囲気は保たれていそう。


この、衣装ダンスから光は違うと思う。
やはりどうということのない古いワードローブの中にひょいっと入って、でもその先には…というのがいいなあ、と思っているけど、どうなるのかなあ。
 公開が楽しみ、だけど不安も半分。

今年上半期の映画ベスト

2005年07月13日 | 映画の話題
 今年の前半は思ったほど映画にいけませんでしたが、ずっしりしたのや、文句なしに見てよかったと思えるのがありました。順位なしに前半のベストを挙げてみます。

・カンフーハッスル
・ネバーランド
・オペラ座の怪人
・五線譜のラブレター
・レイ
・運命を分けたザイル
・コーヒー&シガレッツ
・エターナルサンシャイン
・海を飛ぶ夢
・ミリオンダラーベイビー
・バットマンビギンズ

旧作
・下妻物語
・犬猫
・丹下左膳余話 百万両の壷
・デビルズ・バックボーン
・クジラの島の少女

 たまたま「海を飛ぶ夢」と「ミリオンダラーベイビー」が並んじゃったけど、これも題材が題材なだけに、作る側の意図とは別に、上映時期が合いすぎた感がある。こちらの足もとを揺さぶられそうに危険な映画だった。
「ミリオンダラーベイビー」で、強烈に残ったのが中盤のマギーの言葉。(もっと難しいのは聞き取れないんだけど)
"I want a trainer. I don't want charity, and I don't want favors."

===============
 ついでに。
 先月末からの試験は落ちてしまいました。某教育産業の小学生向け指導者に応募してみたのですが、実地でダメでした。今まで中高生しか教えたことないのですが、密かに思っていた通り、私、小学生相手はどうもぎくしゃくでした。でも学科で落ちなくてまだ良かった。
 それでも、この仕事が増えるともっと時間が細切れになるのでどうしようと思っていたせいか、そう落ち込みませんでした。今までの短期集中型のお仕事でがんばります。
 そっちはそれとして、学生でもないのに夏休み前で忙しい思いをしています。
 あと5日経てばイベントが一つ終わるので、暇にはなるのですが、夏場だしその先の仕事が心細い!でもまあ何とかなってるからいいや。

神様

2005年06月03日 | 映画の話題
 最近公開の映画「海を飛ぶ夢」「ミリオンダラー・ベイビー」と来て、宗教を考えずにはいられない。どちらの映画でも、宗教者は見ているものに決して好感を持たれる存在ではない。かといって、宗教がただ既成の権威や権力によってのみ勢力を持っているわけではない。キリスト教世界のなかのお話であることを感じずにはいられない。

 私は、どうもキリスト教というものに対して距離を置いてしまう。
 通った大学が、キリスト教系だったので卒業必修単位としてキリスト教について学んだが、私の習った二人の先生方への尊敬は持てても、キリスト教に対する違和感から脱することが出来なかった。
 女性の扱いは特にダメだ。
 イヴはアダムの肋骨から作られ、蛇の誘惑に負け、アダムを誘ってりんごを食べた。そもそもが男より劣ったものであり、原罪の原因も全て女が負うものである。
 キリスト教社会では宗派を問わずこれが根本にあるのだからたまらない。謙虚になるどころでは済まない。男だって、これだけ優位を強調されては、女に負けたと思った時の屈辱感を増幅させる原因になるだろう。「個体差は集団の差に捉われない」なんて言ったってすごく空しく響きそう。
 仏教にしたって女人往生は難しいんだが、日本社会の宗教的無節操ともいえる状況もあってここまで叩き込まれる感じはしない。反面、オウム真理教みたいな危ないものに付け込まれやすい無節操さでもあるので、「宗教」一般についての教育は必要かも、と思うけれど。

 自己の無力を認めて、より大いなる判断に従うのも一つの生き方であるし、それによって救われるものもあるが、絶対者に救いきれない苦しみもあることを突きつけるのは、かなり強烈なチャレンジのように感じた。

金屏風上のオペレッタ

2005年05月30日 | 映画の話題
「オペレッタ狸御殿」は今のところあまり評判良くないようだし、私も前の記事で書いたような不満はあるけど、やっぱり綺麗だった。
 映画見て連想したのが彦根屏風とか、そういう華やかで軟弱そうで贅沢な世界。「アカルイミライ」であんなに張り詰めた、また憑き物が落ちたような印象的な表情を見せてくれた雨千代役オダギリジョーまでいつも長い袖とすそをじゃらじゃらさせてるし(おまけに弱いし)、お姫様もお局様もコッテコテの金綺羅錦包み。背景は光琳の燕子花もどき。
 歌舞伎の一場面とか、南蛮屏風から抜けたみたいな南蛮人とか、リアリティなんかどっか行け!で思いっきり作り物の世界で全編突き進んでくれればよかったのです。そう、テンポさえノリがよければ…

 参考までに
 彦根屏風(右側のおにーちゃんは、小学生が見ても「ナンパ中」)
 尾形光琳燕子花図 根津美術館
 南蛮屏風
なんとなく、学校の時に日本史資料集でお目にかかったような、見覚えあるのばかりではないですか?

マイク・ニコルズ監督

2005年05月27日 | 映画の話題
 「クローサー」の監督は、 マイク・ニコルズだったんですね。
 見る前は、キャストの名前に呑まれてたのでしょうか、全然頭に入っていませんでしたが、クレジット見たらニコルズ監督で、なんかとっても納得してしまいまた。
 1931年生まれで、70歳を超えておられますが、シニカルでビターに人間の表層の下を哂ってしまうテイストは実に新鮮にいきていたと思います。
 今までに見た映画では
「卒業」(これも切ないのに、おかしいところは断固おかしい映画だった)
「キャッチ22」(アメリカにはこういう映画があるのに…)
「バージニア・ウルフなんかこわくない」(いや、「クローサー」見てて思い出しちゃった)
「ワーキング・ガール」(歌が良かったし元気出るし)
など好き。「バージニア・ウルフ~」は好きというより時々見ずにはいられない作品です。
 恥ずかしいことに「バードケージ」「日の名残り」見ていないのです。
 是非見なくては、と改めて、ちょっと大袈裟ですが決心した次第です。