ニワトリがいても、ここはカウアイではない。
カウアイの余韻にもうしばらく浸っていようと思っていたのだが、
突如、ケアイヴァ・ヘイアウに行くことになった。
H1(ハイウェイ)からの下り口はいつも迷う。
このあたりは、幾つもの道路が分岐しているので、紛らわしいのだ。
行ったり来たり、迷いながらも、
なんとか見覚えのあるガスステーションを見つけて、やっとたどり着いた。
ヘイアウに入る直前、空は晴れているのに、小雨が降りだした。
「ブレッシングだね。」
裸足で大地を踏みしめると、しっとりと濡れた芝が心地よい。
大地に降り注いだ雨は、
一部は蒸発し、空に帰る。
一部は大地に染みこんで、地下水となり、川や海に流れ込み、
その水もまた蒸発し、空に帰る。
そうして、ふたたび雨となって大地に降り注ぐ。
何億年前から繰り返されるこの循環。
水は、すべての記憶を持っているのだろうか。
このヘイアウは、昔、人々が薬草や医療について学んだ場所だ。
ここに降った雨は、彼らの叡智を記録しているだろうか。
「太古の知恵をお授けください。」
祈りながら、大地と天とをつないだ。
遠くで、小さな子供たちが、ヘイアウについてのお話を聞かされていた。
小学校に上がる前のまだ小さな子供たちだ。
どれくらい、言葉で理解しているのかはわからないが、
子供は子供なりに、言葉ではないなにかを受け取っているのだろう。
雨で湿った身体も、帰る頃にはすっかり乾いていた。
わたしの皮膚に染み込んだ雨もまた、空に帰り、ふたたび雨となる。
わたしもまた、数億年の循環の、一部となるのだ。
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