ひさびさの、停電

夕方５時、仕事が終わった帰り道。
雲が厚い。




雨が来る、



と思っていたらＫＥＮＪＩから電話があった。
「今うちに帰ったんだけど、停電してる！」



我が家のキッチンはオール電気。
停電ではご飯が作れない。
ＮＩＪＩＹＡマーケットに寄って、お弁当だけパパッとつかんでレジを済ませた。

店を出たところで、ものすごい雨になってきた。
ここからすぐにハイウェイになるのだが、のったとたん、車が渋滞。

ラジオで、マノア・ハワイカイで停電、と言っている。
ハイウェイ・Ｈ１は、カハラあたりで終わり普通の道になる。
Ｈ１が終わってすぐ、信号がいくつかあるから、停電で信号も止まっていたら、
渋滞は長いだろう。

前が見えないくらいの雨と、カミナリが轟音をたてている。



普段５分くらいで終わるハイウェイに、もう３０分近い。
のろのろ運転だと、どうでもいいことを考えてしまう。



停電がずっと続いたら困るなあ。
晩ごはんはお弁当があるけど、電子レンジが使えないから、お弁当、暖められないなあ。
もっと続いたら、シャワーも使えないのか？
電気で沸かしてタンクに溜めておくタイプだから、今日の分はいいとして、そのあと使い切ったら水になっちゃうなあ。
パソコンもつかえないから、メールチェックも出来ないし。
そもそも、エレベータあがれないじゃん。階段かあ。しんどいなあ。



などと、困ることばかりが連想される。


果てには、
ウサマ・ビンラディンがアメリカ特殊部隊に殺害されて、アルカイーダの報復や反米組織のテロなどが懸念されている今、ハワイはアメリカの軍事施設も多いから、なんかあったらいやだなあ。

など、悪い連鎖。




やっとＨ１を降りたら、案の定、信号が機能していない。
渋滞は続いているのでスピードは出ていないのだが、出会い頭の車に注意しながら走っていくと、アイナハイナあたりから雨が少なくなり、信号も普段通りになっていた。


小降りの雨の中（カミナリはまだ続いている）、やっと我が家に着いた。
いつもの倍の時間が掛かって、なんだかとても疲れてしまった。

我が家の停電は、ほんの短い時間だったようだ。
ほんの少しの時間停電しただけで、想像しただけで、こんなに気持ちが疲れてしまう。



東日本の人たちの心はどれほど疲れているのだろう？




深夜１２時をまわり、いまだ止まないカミナリの音。
音と光の感覚が短くなって、カミナリが近づいてきているようだ。


不安な気持ちも、まだ続きそう。







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