野村証券の元社員らによるインサイダー取引事件で、証券取引法(現・金融商品取引法)違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕された中国人の元社員が、在籍していた「企業情報部」内の複数の課の責任者から仕事を頼まれ、本来、接触できないはずの自分の課以外の企業合併・買収(M&A)案件の情報システムにも容易に接続できていたことがわかった。
調べでは、野村証券がM&Aの助言業務を行う契約を結んでいた半導体関連会社「富士通デバイス」が富士通と株式交換により完全子会社化される事実を公表前に知った元社員のれい瑜(れい・ゆ)容疑者は、これを留学生仲間だった蘇春光(そ・しゅんこう)容疑者(37)に伝えた。
春光容疑者は07年5月8日から同月24日までの間、弟の春成(しゅんせい)容疑者(25)の名義などで富士通デバイスの株式計7千株を計1169万円で買い付けた疑いが持たれている。
れい容疑者は、06年2月の入社から昨年12月に香港の現地法人に転勤するまで、東京本社でM&A業務を担当する企業情報部の3課に在籍していた。
逮捕容疑となった富士通デバイス株の買い付けでは、れい容疑者が助言業務の契約などに直接かかわっていたが、ほかの20銘柄のうち半数以上は別の課の案件だったという。
****私のコメント****
情報がフェアであるべきこの業界で、インサイダー取引が行われたことは、由々しき問題である。
でも考えてみると、理屈では特定の人が知った情報は止められはしないだろう。
単にコッソリと知人に流し、知人は知らぬ顔で株式会社を買う。
それだけのことをどのように規制をかけることができるだろうか?
今回は中国人がやったとしたら、日本人はもっと狡猾にできてしまうだろう。
そう考えると、この株式売買の仕組みは、一部の特定の者の利益を生み出すための仕組みではないかと疑いたくなる。
どうも、人間の作り出す仕組みは所詮、一部の特権階級の利益を生むための組織にならざるを得ないのだろうか?
どうも、公平だとか機会均等などの理想的概念は一般市民の目をごまかすための言葉なのかも知れない。
ああ、悲しきかな!!