正月はけっこう暇だったので、
映画「すずめの戸締り」(新海誠監督)
を見てきました。
あまり期待してなかったのだけど、この映画、とてもよかった。
新海誠監督のアニメ作品を劇場で観たのは「君の名は。」に続いて2作目。
「君の名は。」でも思ったのですが(2016年10月29日の記事参照)
https://blog.goo.ne.jp/neko-pin/preview20?eid=12ba602c083de7175f6a398a41bb5194&t=1672877961405
新海誠が描こうとしているのは、シンプルなボーイミーツガールの物語に見せかけた、
心の奥深くにある癒えることのない「傷」なのではないか。
「君の名は。」ではそれを暗示して見せ、
今回「すずめの戸締り」では、リアルに表現した。
そして、その傷を癒す方法、あるいは癒えないまま生きる術、を示そうとしたのではないか。
そんな気がしました。
そしてその傷は、あの3・11で、多かれ少なかれ、日本中の誰もが負った傷でもあるのだと。
3・11をあのように具体的に描写するからには、批判は覚悟の上。それでもあえて描こうとした新海監督の姿勢に勇気づけられます。
戸締り、というと鍵をかけてその内側に嫌なものを閉じ込める、あるいは仕舞い込んで忘れようとする、
という風にも受け取れますが、
戸を閉め鍵を掛けるということは、そう簡単ではない、ということも描こうとしている。
草太とすずめが必至でドアを閉じようとするけれど、みみずの勢いはすさまじく、ドアはなかなか閉じようとしない。
また、登場人物たちがユニークで、ファンタジーとしても見ごたえがあります。
古事記の神話に由来するストーリーで、災害を鎮めてきた閉じ師の宗像草太、要石の猫のダイジン、すずめの本名の岩戸鈴芽(天岩戸を開いたアメノウズメ)など、様々な神々の物語にオーバーラップしています。
詳しくは以下のサイトを参照してください。
ちなみに劇場では、掌編小説がおまけについてきます。すずめの叔母である環の視点で描かれた短い小説で、映画を見た後では、涙なくして読めません。
ぜひ劇場で観てください。超お勧めです!
今年が災害のない良い年になりますように!!
願いを込めて。
(我家のダイジン)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます