ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

「ジェイミーの墓標」そして「時の彼方の再会」・・

2016-08-10 14:54:52 | 映画
「アウトランダー」の原作本「ジェイミーの墓標」「時の彼方の再会」を図書館にリクエストして入手したので、ここんところ読みふけっていました。
全部で6冊。しかも一冊が分厚い。500ページを超えます。
「時の旅人クレア」の3冊と合わせると9冊。
さすがに飽きてきた。

ドラマが原作にかなり忠実に作られていることがわかりました。
小説の映画化というのは、たいてい原作に及ばないものですが、「アウトランダー」に関してはドラマのほうが見応えがあります。
時代考証がしっかりしているし、当時のスコットランドのクラン(氏族)の生活、パリの貴族たちの生活、ファッション等、すべてに圧倒されます。映像がとにかく綺麗。原作よりはっきりいって面白い。

何より、まるで原作から飛び出してきたのではないかと思われる主人公クレアとジェイミーの存在感!
周囲の人々もまた圧倒的な存在感で描かれます。
彼らのおかげでドラマは小説を超えたなと思いました。

ドラマ化されているのは、二巻目の「ジェイミーの墓標」までで、その後のことが知りたくて「時の彼方の再会」を読んだのですが、
これはまたすっかり別の物語になっています。

20年の時を隔てて、クレアとジェイミーは再会するのですが、
(どのようにピンポイントでその時代にタイムスリップするのか詳しい説明はなし)
ジェイミーは相変わらず苦難の人生を歩み続けています(かわいそうすぎる)。
スコットランドを遠く離れ、カリブ海を船でいく話なんてもう「パイレーツ・オブ・カリビアン」かというくらいの海洋冒険小説です。

その後、アメリカに行き、新しい生活を始めるらしいのですが、
なんか、ここまで来ると、あとは読まなくてもいいかな、という感じ。

「アウトランダー」はシーズン2で終わる予定だったとか。
たしかに、カローデンの戦いでジェイミーが死んで終わり、というほうがすっきりします。
ジェイミーが死んでしまうのは悲しいけど、でも最初は死ぬ運命だったんだからね。20年たって再会てどうなの?と思った。

印象的なシーンがあります。

原作は返却して手元にないので、ドラマからの引用ですが・・
現代に戻ったクレアが娘を連れてスコットランドを訪れ、カローデンの戦いの記録を保存してあるカローデン・ヴィジターセンターの資料館を訪ねます。

そこにあったチャールズ王子の像を見て、クレアはいいます。
「愚か者を祭り上げたのが間違いね」
カローデンの戦いで、スコットランドのクランたちは、蒙古襲来の時の神風のように、奇跡が起きると信じ込んでいる狂信的なチャールズ王子と共にイングランド軍と戦うのですが、愚か者チャールズに扇動された民衆の戦いは惨敗します。

これって、日本の敗戦に似てるなあと思いました。

何百年も(何千年も)前から人々は戦いの歴史を繰り返してきました。
女が産み、男が殺す、そうして営々と歴史を刻んできたのですねえ。
それが実によくわかる物語です。

さて
「アウトランダー」は堪能しつくしたので次に行こうと思います。
もちろん、ドラマ化決定のシーズン3、4はすごく楽しみだけど。
何年待たないといけないんだろうか・・
コメント
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