ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

ソロモンの偽証(前後編) / THE PATH など

2016-08-22 23:49:57 | 映画
いつのまにか8月も下旬ですね。
この夏はちょっと体調を崩して引きこもっていました。
こんなに不調だと海外に行けなくなるので何としても挽回せねば・・
と言いつつ、映画三昧の日々を送っていました。

最近見たのは
「ソロモンの偽証 前後編」
宮部みゆき原作の学園ミステリードラマで、原作は3部作の長編です。
評判なので見てみました。
(ストーリー等はオフィシャルサイトで見てください。http://solomon-movie.jp/)

なんかね、
イマイチ感情移入できない映画でした。
「八日目の蝉」はすごくよかったのだけど、
同じ監督作品にしては(原作読んでないのでよくわからないけど)なんかこう・・
納得できないというか、ちょっと待ってね、これって何のための映画なの?
と言いたくなるような作品でした。

大体、中学生が裁判て、
フィクションとしても、無理がありすぎる。
学校には優等生ばかりいるわけじゃない。
そして、
あの裁判で、大勢の観客の前で、暴き出されてしまったウソや秘密や闇の部分・・
あれらは白日の下に晒されていいはずがない。

ましてや、最後の校長の話にあった、
「わが校ではあれ(裁判)以来、いじめはなくなった」
というのは全く逆じゃないの、と思いました。
そんなことあり得ないだろ。

開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまった中学生たちが、無事でいられるわけがない。

彼らにはその後、
悲惨な運命が待ち受けているはずです。

藤野涼子には、
いい気になるなよとの嫌がらせや脅しが連日のように突きつけられ、、
あるいは実際傷つけられたりもして、
父親は警察官なのに自分の娘を守ることさえできず、
一家は追い込まれていく・・

三宅樹里はますますいじめられるようになり、エキセントリックな母はますます樹里を束縛し、地獄の日々が続き、その反動で樹里は浅井松子の代わりを見つけていじめに走り・・

大出俊次は父親からますます虐待され、たぶん半殺しの目にもあい、もしかすると人生の早い段階で死ぬ運命かもしれず・・

裁判に関わった他の生徒たちも、初めのうちは彼らの味方をして、彼らを守ろうとするも、多数派には勝てず、結局皆バラバラになっていき・・

一方、
神原和彦は同じ学校じゃないからちゃっかり逃げおおせて(大体そういう奴です)
いい大学に入り、一流企業に就職して、裁判のことなど何も知らない美人と結婚。
順風満帆の人生を歩む。

でも、藤野涼子はどんどん落ちていき、
高校進学すらままならず、もしかすると引きこもりになったり、
あるいは、しっかりした子なので、定時制高校に通いながら働き、
その後挽回するも、人生の早い段階での失敗はその後も尾を引き、ろくな奴と結婚もできず、あるいはずっと独身を通し・・
とまあ、あの裁判ごっこは彼女の人生に長く影を落とすことになるはずです。

学校は(あの校長や生活指導の先生たちでは)とても生徒を抑えることはできず、
混乱を極め、カオスになっていき、学校はどんどん荒れ果てていく・・

とまあ、
それぞれに悲惨な人生が待っている、かも・・です。

日本の社会って、それほど甘くない。
あんな子ども騙しの裁判をいいと思う人なんてごく少数の優等生だけで、そうは思わない人たちのほうが圧倒的多数で、
その圧倒的多数が社会を構成しています。
藤野涼子たちは、圧倒的多数に滅多切りされることになるのです。

そういう問題提起をしている映画であれば、
見る価値はあるけど、そうじゃないなら、まったく見る価値はなし。



ところで、
最近、HULUで「THE PATH」を配信し始めました。
アメリカのドラマで、あの「ブレイキング・バッド」のジェシー役のアーロン・ポールが主演をしています。
アーロン・ポールがいいのよねえ。
今回はジェシーの対極ともいえる役柄ですが、やはり上手い。

カルトの話です。
まだ2話しか見てないのだけど、すごく面白い。

人間の持つ二面性が描かれます。
何が善で何が悪なのか、
光の方向に向かうはずの人たちが、間違えてしまうのはなぜなのか。
カルトの洗脳の恐ろしさと、そこから抜け出そうとする人々を描くようです。
すっごく楽しみ。
どうせ見るならこういうドラマを見たほうがいいと私は思います。

「THE PATH」
HULUで、毎週木曜配信。現在2話まで配信されています。
コメント
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