なんだか漠然とは思っていたが、
こんな日が来るのを考えたくなかったし、
考えもしなかった…
外国の一経営者に対してこんな想いを抱くことは、
この人以外には無かったし、今後も無いと思う。
それほどこの人から受けた生活への影響、
製品から受けるメッセージの強さは強烈でした。
仕事で最初にAppleの製品を使い始めたとき(1989年)は、
まだJobsをそれほど意識はしていませんでしたが、
Appleが創ったMachintosh IIcとAdobe Illustrator&
Photoshopのカップリングは最高で、
完全に時代が変わるのを感じさせてくれました。
僕がAppleを知る4年程前に、
創業者であったJobsは、すでにAppleの経営混乱の責任を負わされ、
追い出されるようにAppleを去っていました(1985年)。
Jobsを追い出したAppleは、
デザインや音楽業界のデジタル化を達成しながらも、
やがて暗黒時代に突入し、常に身売り話が尽きませんでした。
作る製品の性能もデザインも中途半端で、方向性は定まらず、
当時は常に「何か変だぞApple」と思っていましたし、
他企業に買い取られるのも時間の問題かという感じでした。
そんなドタバタを数年間繰り返し、
OS開発でもつまずいていたAppleは、
「NeXT」OSで独自のコピュータを開発していたJobsに声をかけ、
危機的状況打開のため「NeXT」OSを手みやげに
再びJobsを呼び戻す(1997年)ことを決めます。
ここからのAppleはJobsの独壇場で、
役員の人事や体制を自分よりに固め、製品の整理を行うとともに、
復帰翌年には第一弾のヒット商品「iMac」を発表する。
「iMac」の発売はインターネットの普及というタイミングとシンクロし、
社会現象になる程のヒット商品になったのは
つい先日のように思い出されます。
その後のJobs Appleの活躍は皆さんもご存知のように、
「iPod」・「iPhone」・「iPad」の開発・発表と続いていきます。
Jobsの尊敬出来るところは、
先を見る眼力と思い切りの良さですね(ブレない心)!
商品開発も独自の技術に大きく頼るより、
他社の技術でも今ある良いものを集めて、
コンポーネントで独自の魅力的な商品に創り上げる才能です!
更に今あるヒット商品や技術でも、切り替える時は思いっきり良く、
切り捨てるのも思いっきり…という感じでしょうか?
もちろんApple伝統の使いやすさが基本にあっての事ですが…
デザインでは特に思いっきりの良さが表現されていますね。
必要最低限の意匠で質感を大事にするデザインは
色んなところで参考にして欲しいポイントです!
ということで仕事でも、日常生活でも、
意識せずとも深く関わりを持ってきたものが、
Jobsの精神が創ったApple製品です。
Jobsが居なくなったAppleがちょっと心配ですが、
Jobsの精神を受け継いだ開発者が多く生まれる事を願い、
これまでのJobsの素敵な作品に巡り会えたことを感謝し、
合掌…
闘病で疲れた身体をどうか天国でゆっくり休めてください…