おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

タミコ

2011-09-02 17:13:47 | Weblog
昨夜、駅前のスーパーで買出しして店に着くと

既に女性客が奥のテーブルでヒデミと談笑している

タミコだ

彼女は中学生の娘と一緒に暮らしているが

内縁の夫と言うべきパートナーも同居に近い状態で

その彼がかなりタミコを束縛するらしく

格好から化粧に至るまで口うるさく制限し

外出などもっての外、籠の鳥状態だ

昨夜はストレスが頂点に達し泣いていたら

「当店なら行って来ても良い」との許しが出たそうだ


いつもながらのスッピンにTシャツ、ジャージと

まんま部屋でくつろいでる姿だ

「一ヶ月ぶりに開放してくれたのよ

 ケータイがないから苦労しているわ」

どうやら娘が彼女のケータイを盗み見したので

自ら叩き折ったらしい

「Yちゃんに会いたいんだけど…」

近所で飲食店をやっている男性だ

前回タミコが来た時に意気投合して一緒に帰った

帰り道が一緒なので送ってもらうと言う名目だったが

後で聞いたらYちゃんの家に行ったらしい


Yちゃんはバツ3で、母親と幼い息子の3人暮らしだ

その家へタミコが深夜訪れたわけだ

一応ガールフレンドと言う事にしておいたらしい

母親が恋しいYちゃんの幼い息子は

すぐにタミコに懐いたらしく

Yちゃんのお母さんも目を細めていたらしい

その日は泊めて貰ったそうだ

朝方になってYちゃんの別れた女房がやって来たらしい

息子の幼稚園でお遊戯会があるとかで

連れて行くのだと言う

「車で来ているのでついでにタミコも乗せて言ってもらえば…」

えっ?それって不味いんじゃ…

Yちゃんは「全然平気だよ」って言うけれど

タミコは「無理に決まってるじゃない」と当然拒否る

そのまま自力で帰ったと言う


数日後、当店に遊びに来ていたYちゃんのケータイに

タミコから連絡があった

「この間の事はなかった事にして下さい」

そう言って切れた

何の約束もしてないし、何かがあったわけでもないのに

一方的にフラれた様な気分のYちゃん

「意味わかんねえよ」

確かに意味が解らない

タミコが勝手に勘違いしている様だ


あれから一ヵ月経った昨夜

タミコは当店を訪れYちゃんとまた会いたいと言うのだ

「確かこの近所でお店やってるんでしょ?

 連絡してよ~」

あまりにしつこいので仕方なくメールを入れたら

十分後にYちゃんから電話がかかって来た

「タミコ覚えてる?

 なんかまた会いたいらしいのよ

 ちょっと代わるね」

そう言ってケータイを渡すと

さっきまでとはまるで違う猫なで声で

Yちゃんに話しかける彼女

「今からお店に行っても良いですか?」

「全然オッケーだよ、ついでにエドナも来るんでしょ?」

えっ?アタシも?

まあ店はヒマだし、最近ちょくちょく遊びに来てくれてるから

Yちゃんの店にタミコと行く事になった

電話を切った後で

「ちょっと口紅貸してよ」

スッピンの彼女に紅いルージュを渡す

色白で肌が綺麗なのでファンデーションは必要ない

「でも、その龍の模様のTシャツ何とかならないのかしら?」

「なんか貸してよ」

と言っても彼女が着られる様な服はない

「まあ良いじゃない、それで…

 とにかく行きましょ」

2人は夜道をYちゃんの店へと急いだ

つづく…

 















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