おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

廃盤マニア

2009-05-25 14:41:07 | Weblog
昨日の雨も上がって午後からは陽も射している

いつもの様に遅く起きて洗濯などを済ませる

25日なので銀行口座へ自動引き落としの為の入金をする

これが面倒なのだ

私のカードは「第一勧業銀行」時代のもので

至近のサークルKサンクスのATMでは使えない

それ以外では、ローソンかセブンがあるが

どちらも私のアパートを起点にして

右か左に4~5分歩かなければならない

何て不便なのだろう

割増しの手数料を覚悟して

店の帰りの途中で、使えるコンビニのATMを利用する手もあるが

計画性のない私はいつも当日の9時頃に起きて

ブーブー不満を洩らしながらセブンを目指すのだ

アパートの近所にファミマでもオープンしないかしら


今、佐川急便でCDが届いた

B級アイドルグループの曲ばかりを集めた企画盤だ

ソニーのオーダーメイドファクトリーで

過去の廃盤の中から購入希望者を募って

採算の合う規定数に達したら商品化してくれるというシステムだ

今回の商品のようにオリジナル企画も多い

私の様なオタクには堪らない顔ぶれのオムニバスだ


荻野目洋子が在籍していたミルクと言う期間限定のグループ

彼女たちは2枚のシングルを残している

今回収録された「ザ・あれからいちねん」は

キャンディーズが引退してから1年後にリリースされた

メドレーカバーだ

廃盤ショップで長らく高値で取引されていた

私も阿佐ヶ谷の店で1万で購入した

興味ない人には全く理解できない世界と思うが

今でもCD化の予定が見込めなさそうなB級歌謡は

とんでもない価格が付くのである


オカマやゲイにはアイドル歌謡をこよなく愛し

私のように廃盤を蒐集している凝り性も多い

以前同じ店で働いていたヒロミちゃんも凄かった

彼女は部屋を持たないジプシー釜だ

今のようにネットカフェもない時代である

24時間営業のゲイサウナが彼女のねぐらだ

お金を貯めて安いアパートでも借りた方が経済的だし

身体の為にも良いのでは?と思うが

なかなか住所不定の生活から脱出する事は出来ない

いつも彼女は大きな紙袋を2つ持っていた

一つには生活用品や着替えが入っていて

もう一つには大切なレコードが何枚か入っていた


「きょう神保町で美穂の“ミッドナイトタクシー”を

 25000円で買ってしまったわ

 もうキヨミズどころの騒ぎじゃないわ」

「凄いじゃない!ヒロミちゃん

 遂に買ったのね」

シングル盤一枚にこの値段だ

彼女にとって何日分の生活費だろう

当時の安いアパートなら一ヶ月分の家賃だ

一度高いものを買ってしまうと金銭感覚が麻痺するようで

「新宿の店で、のりPのシングル1万なんだけど

 買った方が良いかしら?

 他所じゃもっと高いから1万だったらお買い得よね」

そのシングルは元々700円で売られていたものだ

それに、その曲は発売中のCDにも収録されている

しかしアナログからCDへ移行する時期にプレスされたので

非常に希少価値のあるレコードだと彼女は言い張るのだ

「そうよねヒロミちゃん、今を逃したら

 きっと他のマニアに買われちゃうに決まってる

 アナタに手に入れるチャンスを神様がくれたのよ」

私も鼻息荒く購入を彼女にすすめた

翌日ヒロミちゃんは誇らし気に

のりPのシングル盤を店に持ってきて

皆からドン引きされていたが

私は彼女の気持ちが痛いほど理解できた

手を取って「良かったね、おめでとう」


最近ではアイドルの廃盤ブームも下火になったようだ

メーカーも今頃になって復刻盤を次々と発売している

確実に買う客だけ募って発売するシステム

しかも過去の音源なので制作費もあまりかからない

ソニー以外のメーカーも似たような事を始めた

ヒロミちゃんもこのCD買ったかしら
















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