おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

営業マン

2009-05-13 13:12:21 | Weblog
昨夜は「ゆうせん」の飛び込み営業が来た

ウチの店は第一興商のプレミアDAMに

CANシステムと言う有線が入っている

オカマバーに営業に来た勇気ある彼は

不自然な日サロ焼けにソフトウルフの茶髪

ファッションもどことなくB級ホストの雰囲気だ

扉を開けたら、背中のジッパーを必死で上げてるオカマが

野太い声で「いらっしゃいませ~!」

一瞬彼はひるんだが、ひきつった営業スマイルで

「上司から檄を飛ばされ、契約を取って来ないと帰れないんです」

と必死でアピールする

私は「ごめんなさ~い!経営者が居ないので分からないのよ」と

やんわりお断りするのだが

「僕は元々渋谷担当なんですが、この地区の応援に派遣されて…」と

聞いてもないのに一方的にまくしたてる

歳は20代後半ぐらいだろうか

どちらかと言うと彼には「ゆうせん」よりも

昼下がりの主婦をターゲットにしたような商品が似合いそうだ

「奥さん、僕コレを売らないとクビなんです」と

捨てられた仔犬の様な目で必死に訴える

「まあ話を聞いたげるから上がんなさいよ」

暇を持て余していた奥さんは

うんと若いイケメンに心を許してしまう

ホスト上がりの彼はオバちゃんのあしらいなど朝飯前だ

何だか「団地妻昼下がりの…」みたいな展開だが

実際にイケメンセールスマンにクラッと来る主婦は居るだろう


「ゆうせん」の彼は、私たちの反応に脈なしと見たらしく

「分かりました、では又何かありましたらよろしくお願いします」と

白い歯を見せて扉の向こうに消えた

カラオケや有線の営業はホントに大変だと思う

既に何処かの会社のモノが入っている場合は

今使っているモノよりも料金が安い事が第一条件だろう

あとはセールスマンの腕次第である


以前私は某電話会社の営業のバイトをやった事がある

0077とか0088とか電話番号の頭につけると

通話料金が安くなると言うアレだ

法人向けの回線を競合する3社がシェアを奪い合っていた

事前にテレフォンオペレーターがランダムに選んだ会社に話を通す

係りの者がアダプターの点検に伺いたいと告げる

電話を受けた側も、点検ならと簡単にOKする

当日アポを取った社に我々バイトが向かう

目的は他社のアダプターを自社のに変える事なのだ

「あっ、このアダプターは古いタイプのもので

 NTTが新料金になってからのには対応してないんですよ」

とか何とか上手く説明して取り替える事に同意してもらうのだ

アダプターと言うのは取り付け費用もレンタル料も発生しない

なのでタダならと契約書にサインをしてもらえる場合もあるが

大体は「この間、点検に来たばっかりだけど…」と怪しまれる事が殆どだ

それに今使っているアダプターと違う会社の契約書なので

不審に思われて元々使っている会社に電話された事もある


一番酷かったのは、小さな個人経営の会社で

事務員の女性に通されてアダプターを点検していたら

「何やってんだ!インチキな事をやってんじゃない!!」と

そこの社長に頭ごなしに怒鳴られた事だ

きっとその会社にも他の電話会社のバイトが

入れ替わり立ち替わりやって来てたのだろう

社長に怒鳴られた事よりも

自分のやってる事が情けなくて

さすがにその時はかなり落ち込んだ

夕暮れの公園のベンチに腰掛けて

「私は何でこんなバイトをしてるんだろう」と…


「ゆうせん」の彼は向かいのお店にも入って行ったが

全く相手にしてもらえなかったようで

憮然とした表情で出て来た

たまたま店前でキャッチをしていたので

その様子を見てしまったのだ

時計を見ると10時近い

きっと彼は、疲労と焦りの中で

「何とか一件でも契約を」と必死で次の店のドアを開く


ちょっとチャラオっぽかったけど

今夜も何処かの町で白い歯を見せているのかしら














 

コメント
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