ノルウェイの旅から元気で帰りました。
ノルウェイの今年は60何年ぶりの最悪の夏だったとかで、ぼくたちが着く前々日まで冷たい雨が降り続いていたそうです。
なんとそれが、ぼくたちの一生の<天気運>を使い果たしてしまったのではないかというほど、ウソのように晴れ渡り、オスロ(2泊)もソグネ・フィヨルド(1泊)もラルヴィク(5泊)も最高の天気に恵まれました。
さすがに一年に400日も雨が降るというベルゲン(1泊)では、時おり多少降られはしましたが、すぐに回復してはまたというような天気で、街歩きには何の問題もありませんでした。
ラルヴィク(Larvik)は、オスロから電車で2時間ほどの南部にある人口4万人強の小さな町です。
そこで兼業農家を営んでいる旧知のロルフ一家を訪ねたのです。
ロルフは、吾妹が高校生のとき留学したアメリカで知り合ったアウドゥーンの兄です。
吾妹は大学生のときにボーイフレンド(ぼくではありません)とヨーロッパ、トルコなどを放浪したのですが、ノルウェイではロルフたちの父親の農場で働きながら4か月滞在させてもらったのです。
昨年、旅行好きのロルフが独りで日本に訪ねてきました。
その折、母親が元気なうちにぜひノルウェイに来いと強く誘われたのが、今回の旅の直接のきっかけです。
吾妹にとっては実に35年ぶりの懐かしい旅でした。
ぼくたちが泊めてもらったのは、小さなフィヨルドに面したラモヤという地区にある彼らの別荘です。
すぐ近くには、近年、ノルウェイ最古のヴァイキング遺跡が日本人研究者なども加わって発掘が進んでいる、カオパング(Kaupang)があります。
ラモヤは今は超高級別荘地なのですが、ロルフたちの夏の家は彼らの祖父がフィヨルドで漁師をしていたときの古い家を改造したもので、6人の兄弟姉妹(ロルフが長男の男5人・女1人)が共同で管理しています。
かくしゃくとした85歳の母親オーセが夏の間は独りで暮らし、夏休みには一週間交代で兄弟姉妹の家族がやってくるのだそうです。
ぼくたちとアイルランドの学会の前に合流した友人カップルが泊めてもらったときは、すでに学校が始まっていて、独りで暮らすオーセが毎朝ノルウェイ風の食事を作ってくれました。
そこに、入れ替わり立ち代り兄弟姉妹とその家族がやって来たり、逆にこちらから訪ねたり、オーセが今でも運転しているという日本製の小型車を借りて小旅行をしたりで、念願の白夜のジョギングをする間もなく、自然と人々の暮らしぶりの豊かさに感動し、日本の2倍以上と思われる余りの物価高に驚き、写真を700枚も撮りまくったノルウェイの旅は終りました。