おっさん先生と愉快な仲間のぶろぐ

先生って楽しい仕事だと思い続けることができたしあわせな爺っさまのつぶやきです。

どうすれば「いいクラスを作れるか」ですか?

2013-01-27 10:55:22 | Weblog
とても難しい質問ですね。

あなたの求めている答えとは違うかもしれませんが
特別支援の視点から少し考えてみます。

平成24年度の調査によると
通常学級に在籍する発達障害の可能性のある児童生徒の割合
が6.5パーセントとされていますよね。

10年前の調査では6.3パーセントという数字が示され、
校内での支援の方法が具体化されるきっかけになりました。

 来年、あなたがたぶん担任になるであろう
公立の通常学級の場合、
個々の個別の支援を授業時間内にどう行うかという
学習支援の方法の模索から、
「授業のユニバーサル」という考えが生まれ、
支援を必要とする児童への
学習環境の整備方法や学習指導の手法が
通常学級の中で生かされようとしています。

 確かに、こうした流れは
今まで通常の学級にいた特別支援を必要とする子どもたちに
担任が目を向けるきっかけとなり
個々の子どもたちへの学習支援では成果があがっています。

 あなたが言うように
そうしたことへの通常学級担任の
特別支援教育への基礎知識が必要とされる時代でもあるわけです。

 ただ、多くの小学校の場合、
教室の環境整備は担任が担うものとしても、
児童の取り出し学習、支援員による付き添い学習支援は、
担任以外が担う場合が多いのです。
そうした人たちのコーディネートを行う特別支援コーディネータも
分掌として位置づけられているはずです。

学校によりますが、特別支援コーディネータの兼務による課題や
担任以外の人的配備と配備されている支援者の力量に大きな差がある場合があり、
人を配置されているから、支援が有効に機能しているとは
言い難い部分があるも確かだと思います。

 また、あなたたちの先輩を見ていたら、
4月から学級担任としての学級経営を行う場合、
学級に在籍する「支援を必要とする子」を含めた
「学級」をどう作っていくかという
「学級作り」「集団づくり」で悩んでいる場合が多いように思います。

 学級内で「子どもたちの社会」が形成され、
その中で起こる様々なトラブルをどのように解決していくかというのが、
担任として求められる一つの資質ではあるのですが、
こうした対応は、
僕などは、支援が必要である児童かどうかを意識しないで
行っていた場合が多く、
どのように意識しながら取り組むかという質問には難しくて答えられません。

 一般的にいわれている経験のある教師の中でも
「いいクラス」を作れる教師と、
そうでない教師がいるという教師間の意識があるようだという心配が
あなたにもあるのかもしれませんね。

 そうした感覚が、
保護者の風評も巻き込んでの、
学校での担任の「評価」につながっている場合があるのではと
思っているのでしょうか。

 たしかに、経験豊かで「いいクラスを作れる」といわれる先生の多くは、
親も子も、上手に「のせる」キャラクターを持っているように思います。
でも、残念ながら
あなたたちが思い描く明るくて元気という
パターン化された教師像ではないようです。

 「のせる」ということを言い換えれば「コミュニケーション」能力があるわけで、
こうした先生が担任になると
「支援を必要とする子」「必要としない子」の意識をせずに
「クラス」が形成され「健全な子どもたちの社会や教室のルール」が
醸成されてきたように思うのです。

 家庭での虐待件数が増える原因の一つとして
「うちの子は支援を必要とする子」ではないのか
という危惧があるという指摘もありますが、
「支援を必要とする子」「必要としない子」を
「意識しすぎること」は
「学級作り」のなかでもマイナスな部分があるのかもしれませんね。

 思考という文字は「思い」と「考え」に分けられますよね。
思考するということは思考・判断など学校では結構意識されているのですが
コミュニケーションとも関係してくるのではと思っています。

「教室でのコミュニケーション」は、
教師とクラスの子どもたち、子どもたち同士が
お互いの「思い」と「考え」を本音で伝え、
本音で受け入れる関係の中にあるように思っています。

 ということは
あなた自身が「コミュニケーション」能力を持っているか否かが
意外と大事な要素になるように思いますよ。

「子ども」とはコミュニケーションできるけど、
「大人とはどうも・・」というのは
本来、学校現場では通用しない感覚のように思います。

また、教師の資質としては、あまり芳しいものではないのです。
職員室の空気は
集まっている先生たちのこのあたりの意識によってそれぞれなのは
あなたたちの方が敏感でしたよね

特に小学校の教師となるのなら、
「自分の思いや考えを相手に正しく伝え、
相手の思いや考えを正確に受け止め、
ともに妥協できる点を探る」という作業が
できないといけないように思います。

 これが、僕があなたたちに期待していた
「しなやかでしたたかな先生」像なのかもしれませんね。

 新米の先生が、
この程度の特別支援教育のことを担任として
知っておいた方がいいかなということについては、
あなたたちには物足りないかもしれませんが、
3月9日にカンファします。暇なら来てください。 
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