機転

ある会議を傍聴しました。壇上では、数名がパネルディスカッションしています。テーマは地域圏の経済について。パネラーは、大所高所から貿易をどうすべきか、関税はどうしたらいいか、など論じています。

質疑応答になりました。聴衆の中から1人が立ち上がり、突然、自社の事業を説明し、売り込み始めたんです。さらに、壇上の背後（聴衆から見たら正面）に設けられたプロジェクターには、彼の会社の事業領域の図表が映し出されさえしています。

質疑応答なのに、質問でない。大局的な経済の話なのに、自社の売り込み。非常に違和感があり、場の雰囲気がガラリと変わりました。そこで司会がおっしゃったんです。
「プロジェクターを使われましたね。後で広告料の請求書を送らせてもらいます」

もちろんジョークですが、気の利いた対応だと関心しました。