壁際椿事の「あるくみるきく」

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『反骨のドキュメンタリスト 大島渚「忘れられた皇軍」』を見た

2014年01月16日 | みる

テレビドキュメント、『反骨のドキュメンタリスト 大島渚「忘れられた皇軍」』を見たよ。

映画監督、大島渚が、テレビドキュメンタリー「忘れられた皇軍」を作った。放送は1963年。日本兵として戦った朝鮮半島の人々。傷痍軍人となるも、日本政府から恩給が出ず、韓国政府からも「日本政府に請求せよ」と突き放され、寄付で生き延びる。その人たちの姿に迫った。

田原総一郎、是枝監督らが回想する。音響や編集など当時のスタッフがインタビューに答える。いや、大島渚という人はすごい人だ。怒鳴る人、怒れる人というのは、決して演技やポーズでない。本当に怒ってるんだ。あんな映像、普通は撮れないよ。カメラマンは、さぞかし頑張ったんだと思う。音響の人が、ジャズを重ねる演出について答えていたけど、まさに音楽とぴったりだったよ。

番組は、現役の日テレのディレクターが、倉庫に残された古いフィルムを取り出し、「忘れられた~」を紹介、田原らのインタビューで、大島の人となりを浮き彫りにするという構造。「忘れられた皇軍」(25分ほど)もノーカットで流されてた。本当にすごい。

使い捨てのように半島出身の人を扱った日本軍、何ら補償しない日本政府、不当判決を下す司法、見て見ぬふりをする多くの一般市民……。そうした社会に「これでよいのか?」と大島は問う。

番組が描いた過去はもちろんだけど、3・11後を生きる僕らにも、「これでよいのか」と生き方の選択を迫る鋭い番組だったよ。若い人いぜひ見てもらいたいな。



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