壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

『選び抜く力』を読んだ

2009年11月14日 | 読書
主観的合理性――。いい言葉を知りました。『選び抜く力』(伊藤真著、角川ONEテーマ21新書)に書かれていた言葉です。他人でなく自分が合理的と考える道を行け、ということです。

今の自分は、過去の自分が選択してきた結果である――。こんな言葉もありました。ゆえに、これからの自分は今後の自分の選択でいかようにも変えられる、とも。

憲法13条は、公共の福祉に反しない限り、個人の生命、自由、幸福を追求する権利を最大限尊重すると書かれているそうです。

身近な例を挙げると、タバコを吸う行為。ガンになるリスクとニコチンによる効用を知った上で、他人(世間)の評価でなく自分の主観的な合理的判断に基づき、喫煙なり禁煙なりせよ、ということです。飲酒についても同様です。過労についてもそう。

自分は自分で納得の上、タバコを吸わないし、お酒を飲みます。土日や深夜まで仕事をするのも、締め切りに追われて止むを得ずでなく、自分で納得してやっている。なんと自由なのだろう、なんと幸福なのだろう、と思います。

以前に読んだ「評価」に関する本には、究極の評価は、自分で自分に下す評価だと結論付けられていました。サラリーマンは上司から評価されますが、社長は自ら自分を評価しなければ誰も評価してくれません(実際は銀行や取引先などが評価しますが)。ポジションが上に行くほど、(厳しい)自己評価が必要です。自分で自分の人生を決める納得感。これは何もポジションが上でなくても、下でも得られるはずです。『選び抜く力』を読んで、こんなことも考えました。

著者の伊藤真さんは、東京大学卒業後、住み込みで警備の仕事をし、1日24時間のうち20時間も勉強して司法試験に合格したという人物。そこまでして得た弁護士にもかかわらず登録を抹消し、教育界に転じ、司法試験の受験対策塾を運営されています。私には真似できない、強い信念の持ち主だと思いました。

日々更新が、ちょっと途切れましたが、今後も「あるく みる きく」をご愛読、宜しくお願いします。