ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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ルチア本番前。

2014-09-17 19:21:48 | 歌のこと
ルチア、この間の日曜日のHP(ハウプト・プローベ)が終わり、あとは場当たり、当日のゲネプロ、そして本番です。

HPという言葉の意味については ♪ こちらをクリック ♪ 。(wikiの「ゲネプロ」の項にとびます。)

さて。
私の様な軽い声質は、オペラで悲劇的なキャラクターというのは少なくて。
悲劇的な作品の中でもお笑い担当であったり(「仮面舞踏会」のオスカルとか)、伯爵夫人がいてのスザンナであったりするので、こんな悲劇的な役柄をやるのも久しぶり。
3月にやった、ヤナーチェクの「利口な女狐の物語」の女狐役は、最後は悲しい部分がありますが、生き様自体は前向きで幸せな人生の人(キツネ?)ですから、悲劇キャラともちょっと違うように思う。
今までやった中では、「魔笛」のパミーナが悲劇キャラかなあ。でも最後がハッピーエンドだからねぇ。
だからルチアは本当に救いのない悲劇キャラかなーと思います。

こういった役は、そのオペラ上の人物の精神的な不安定さが、本番直前になるとそれを演じる自分にもなんかこう、投影されてくる部分があって。
それが正直辛いです
もちろん本番前の緊張や不安もありますが、今私が感じている不安の種類はそういったものではないんですよねー実は。ルチアの感じている不安と同じものなのかもしれないです。

もちろん、ケルビーノやアデーレのような愛されキャラの時は、本番直前が幸せな気持ちになれるので、それを考えると、バランスはトントンかな、と思ってます。

まあそんな感じで、日曜日のHP後を過ごしてます。本番前日の金曜日の場当たりまでルチア稽古はお休みなのですー

そうそう、HP前日の先週の土曜日にオケ合わせがあったんですが。
翌日がHPだったので、指揮者にも「抜いて歌ってー」と言われ。狂乱のアリアを今までになく抜いて歌ったら、まるでソルフェージュの授業で歌うような狂乱でした(苦笑)

我ながら別人と言うか、違う曲のようだった・・・音は同じなんだけどね。
他のキャストさんにもそう言われたので、自分が感じてるだけじゃないんだろうなあ。
やっぱり気持ちって大事なんだなー。

私にとってルチアは、音の高さそのものよりも、絶叫して血を吐くような。命の叫びみたいな表現の部分があるので、そこに集中力が必要なんですよね。
それがないとルチアにならないみたい。でまあ、抜いた時は翌日のお稽古の為に音符を追ってた感じになったので・・・
そして抜いて歌うと高音やカデンツァは歌いにくかった・・・やはり歌って結構気持ちで歌ってるんだなあーという事を改めて知ったオケ合わせとHPでした。

さて、HPで色々と気づいた事をFacebookにも書いたのですが、それを主催のLe vociさんの「ルチアの稽古場雑記」に載せて頂きました。
稽古場雑記は、 ♪ こちらをクリック ♪


ルチアでいられるのもあと数日。
素晴らしい演出にも恵まれて、オペラの登場人物が人間としてここまで血の通った人物に思えるのも初めてです。
ルチアという役がとても愛おしく、大切にしたいと思っています。
松本幸四郎さんの名言でもありますが、舞台というものは、苦しみを勇気に、悲しみを希望にしてくれるものだと思っています。
だからこそ、皆さまに最高の悲劇をお送りする事をお約束します。現場は本当にいい関係でここまで仕上がってきたので、それが可能だと思っています。

人間という弱い存在の悲しさ、女として生まれてきた哀れさ。
かつては大好きだった兄エンリーコと父の様なライモンドとの亀裂、エドガルドとの恋愛・・・表現し尽くしたいと思っています。
どうか是非是非、いらして下さい!

オーケストラ公演、字幕付きで、全幕公演で4000円です。
下記までご連絡くださいませ。

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こちらをクリック!!
    
ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」~ルチア役
9月20日(土)17時
(かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール)
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【チケットのお申込み・お問合せ 】
アンダンテ企画まで。
電話 080-2553-5670  (平日10時~17時)
メール ticket@nakagawa-miwa.com 
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