ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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コンサートアリアを見つけたり。

2011-12-16 23:49:17 | ドイツのこと
夜。

夜行性の私。昼間も好きですが、何といっても活力が出るのは夜。夜でございます。
夕方六時以降が私の時間。歌い手らしい活動時間帯といえましょう。

数日前の夜中、ぼんやりと調べ物をしていたら、
今まで歌った事のない、モーツァルトのコンサートアリアに一人、感動で涙…

知ってはいたけど、きちんと見た事なかったんです。お恥ずかしい…これでーす。

「どうしてあなたを忘れられよう~心配しないで、いとしい人よ」

K.505。歌手はテレサ・ベルガンサ。
どういうわけかこの曲、メゾさんが歌う事が多い。メゾの皆さん、お勧めですよ~

このコンサートアリアは、『フィガロの結婚』初演のスザンナ役をやった、ナンシー・ストレースに、モーツァルトが捧げた曲です。
ストレースは、当時、大変な人気歌手でして。いわゆるプリマ・ドンナタイプの歌手ではなく、典型的なスープレットタイプの歌手だったようです。

彼女は高音やコロラトゥーラのテクニックがあった人ではないので、そういった部分は曲にはありません。ソルフェージュ的には、単純な音ばかりで簡単すぎるくらい。

でも、本当に美しい。
華やかな技巧も高音もないのに、とにかく美しい。
たぶんコンサートアリアの中では、抜群に素晴らしい曲ではないだろうか。

そして、ピアノがまたすごい。ピアノを叩きながら、涙が止まりませんでした。
何て美しい曲なの。切ないくらいにモーツァルトの愛情が伝わってくる、痛々しい曲でもあります。

その辺については書き始めたらむちゃくちゃ長くなるから、その内また書きますが(笑)
こういう事を調べられるのも、今のように時間があるから。まさに貯蓄の時間。

それにしても、この曲、リサイタルに入れたいなー。
なかなか歌う機会のある曲ではないから、リサイタルとかではないと難しいし…

実は、リサイタルにあたり、もう何となく頭の中にまとめていたプログラムがあったんですけど、このコンサートアリアと向かい合いだしたら、どうしてもこの曲をプログラムに入れたくなってしまった。
そうすると、今まで考えたプログラムを全部作りなおすことになるんですよね…。

でも、それも幸せ。

楽譜を見ながら涙が出てくるような曲というのは、なかなか出会えません。
モーツァルトが私にくれた贈り物だと思って、またプログラムを練り直さなければ。


…ああ、やっぱり、リサイタルで歌いたい!
…でも、ハイドンのオペラアリアも歌いたい!

はっ!!このコンサートアリアと一緒に、ストレースの歌ってた、スザンナのアリアを歌ってみたりしたらすごい面白いかも!

ついでに他の歌手が歌った、再演バージョンのスザンナのアリア(今のものと違うんです。)も、一緒にまとめてみたりして!?

…でもそうするとお客さん飽きてしまうかもしれない!(´Д`)
それは不本意!!
いやでも私がハイクオリティでやればできるのでは!?
頑張れ私!!

…とまあ、こんな感じで選曲はフラフラしております。

ストレース~モーツァルト~
やっぱりモーツァルト超好き~…

そんな事やりつつ、もうすぐ帰国しまっす
帰国したら、レッスン三昧~。




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