金属中毒

心体お金の健康を中心に。
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両王手4 ネオウェルズ

2009-01-05 19:56:33 | コードギアス
両王手4 ネオウェルズ

ネオウェルズの市長から皇帝の御座戦艦に通信が入った。
「皇帝陛下、首都の市長から救援連絡です。首都が黒の騎士団に襲撃されています」
正しくは襲撃でなく脅されているだったが、慌てた市長は事実を把握し損ねた。
 首都が危ないと聞いた幕僚達は皇帝がすぐさま軍を率いて戻ると、あるいは何らかの命令を下すと信じた。
だが、皇帝が口にしたのは。

「下らぬ、俗事などシュナイゼルにやらせておけ」
俗事・・・
首都の危機を皇帝は俗事と言い放った。
そんな、まさか皇帝陛下は本気で首都を見捨てられるのか。
そうだ、そういえばこれまでも皇帝には現実の政治をあまりにも軽視する傾向があった。
幕僚達の脳裏に不安が走る。

われらはこのままへいかにつかえていいのか
それはそれまでは声にされなかった。
だが、不安は形を持ってしまった。



メモ

2009-01-05 16:29:11 | Weblog
年越し
療養宮は患者の安静のためにいつも静かにしている。それでもさすがに年末のあわただしさは隠せない。
ここブリタニア宮で、星刻は超1級の賓客として皇族に等しい扱いを受けている。宮中人は呼称こそ将軍であるが、皇帝陛下と同等なものとして彼を遇している。
『星刻様は中華の王に値する方です。無礼は許しませんよ』
優しく微笑んでいるのに、ナナリー皇帝陛下の背後には炎が見える。
宮中人の中にはつい昨日までの敵将を客として迎える事に不満や疑念を持つ者も多かったが、ナナリーの断固たる意思の前に平伏した。

あったかいつき  メモ代わり

2009-01-05 16:16:42 | Weblog
悪逆皇帝が正義の騎士ゼロに天誅を下された。
熱狂する市民達のなか、正義と平和,友好の象徴である3人の少女達は1台の馬車で一緒にパレードを行進した。





逆さまになった胎児の模様の月が高く上る。
橙色の月、夕日の残照をすべてもらって暖かくなった月が半ば崩れたビルの陰から顔を出す。、

「あの丸いものはなんですか?」
天子を真ん中に左にナナリー右に神楽耶が乗る無蓋の花馬車は1日のパレードを終えてホテルに入った。
「まぁ、今宵は満月だったのですね」
天子の指先を追って神楽耶も見上げた。
「つき・・・なの?でも色がみかんみたい」
「天子様は昇ったばかりの月を見たことはありませんの?」
まだ、馬車から降りない、ひとりでは降りられないままのナナリーが優しく問う。1日一緒にいるうちに三人はすっかり打ち解けていた。
「国ではこの時間は部屋にいたの」
いつもこの時間帯は宦官たちの報告会という名目で部屋に閉じ込められていた。
そしてこの2ヶ月は牢獄の中だった。
「うさぎさん、あったかそうだね」
無邪気で愛らしい天子の言葉に年上の少女2人は微笑む。