先週関西に出張の娘が、用が済み次第土日は京都見物をするという
ので便乗して出かけてきました。京都は暮れに一泊で出かけましたが
見足りない感もありましたし、何より娘と女子旅の楽しみへの期待感が・・・^^;
事前にこの時期ならではの特別拝観を検索したら、東寺の五重塔で
初層内部を公開しているというので早速チョイス。
五重塔の内部に入るのは初めてです。意外に狭いその内部は中心部に
心柱と心柱を取り囲むように4本の柱(四天柱)が立てられています。
柱で囲まれた内部には、心柱を背に4体の仏像と8体の菩薩様が安置され
四天柱には諸仏の曼荼羅、剥落しているため痕跡だけですが、そして
四方にある扉の左右の柱には火を呼ばないようにというのか龍王図、壁上段
に空海初め真言八祖像、下段に蓮が描かれ、格天井の一つ一つの格子の
中は更に小さな格子に組まれ模様が描かれています。その繊細な仕事のされ
方は感動すら覚えました。
創建時にはさぞや絢爛豪華だったことと想像されますが、今は顔料の剥落や
かすれが却って荘重な雰囲気をかもしている気がします。
この五重塔、火災で焼失すること度々だったそうですが、過去のどの地震にも
倒壊したことは無いそうで、その工法はスカイツリーの耐震設計に応用されて
いるそうです。塔の各層は揺れる時それぞれ違う方向に振れ、土台から塔の
天辺まで貫きながら各層とは遊離して設置してある心柱は、各層の揺れ幅を
小さくする働きをするそうです。
そうした構造が地震に強いと、現代の建築家ならばアカデミックに学ぶことも
できますが、古の匠たちは経験と勘でそれらの技術をものにしていったことで
しょう。木材の性質、日本の気候条件など建築物を取り巻く現実を十分検討し
その土地に合った工夫をし、それらの技術は人から人へ伝達されて・・・。
数字や機械に頼っているうちに、時に胡麻化すためにその数字を操ることまで
しでかすことのある現代の建築を生業とする人々の存在と何という差だろうか!
先人たちの技術の確かさ、凄さをこうして目の当たりに見ることが出来て今回の
五重塔初層拝観はとても幸せな経験でした^^