くじびき はずれ の 見た世界

シニア初級者というのに世間知らず。
少年のようなつぶらな瞳?
そろそろ大人の記事を書きたい毎日です。

覆屋

2011年09月18日 22時47分16秒 | ちょっとお出かけ

神社で本殿を保護するために設けられている建物で、社殿を覆うように外側を
囲っている物を覆屋と言うそうだ。
雪深い長野県では多数あるらしいが、お目にかかったことはなかった。

友人の案内は「時間があれば周りましょう。」と言うことだったが、それはユネスコ
世界遺産に登録された京都の中の
17ヶ所の寺院、神社、城のうちのひとつ
宇治上神社にあった。

宇治・平等院の前を流れる宇治川の東岸の朝日山の山裾には、神社建築では、
日本最古(平安時代)の本殿である宇治上神社が鎮座する。
本殿(国宝)は平安時代後期に伐採された木材が使われて、一間社流造り
三殿からなる。
  仁徳天皇(応神天皇の皇子)   応神天皇   菟道稚郎子(うじのわきいらつこ:応神天皇の末の皇子)
三棟の「内殿」は「本殿」とする一つの建物の中にあり通常、中に入る
ことはできないが、格子障壁を通して「内殿」を拝観することは可能で
覆屋であることがわかる。
     本殿正面     本殿西側より
すばらしい曲線で構成された本殿は、中の
三殿と屋根と背面の側壁を共有
している部分があり、長野県に代表される完全に囲い込む
覆屋とは少し
違う構造だそうだ。

順序が逆になったが、この宇治上神社は京阪電鉄宇治駅から宇治川右岸を
遡り、さわらびの道を登って行くと鳥居と石碑(世界遺産)が待ち構える。
  鳥居と石碑   拝殿   縋破風(すがるはふ)
小さな門をくぐり 中へ進むと大きい拝殿(国宝・寝殿造形式)が広がる。
鎌倉時代前期に伐採された桧が使用されており、鎌倉時代の優れた建物遺構。
屋根の四方角は角を取った縋破風(すがるはふ)といわれる手法を用いた独特の
美しい屋根である。

境内にはその他、春日神社(重要文化財)などの摂社や、宇治七名水のひとつ
桐原水」があります。他の六名水が全て失われた現在、現存する唯一の湧き水
となっているようです。  (飲み水には適さないと注意書きがありました。)
     桐原水     

 

応神天皇は末っ子の菟道稚郎子皇子を愛し、皇太子とした。
応神天皇が崩御したときに菟道稚郎子は兄である大鷦鷯尊(おおさざきのみこと=仁徳天皇)に
皇位を譲ろうとした。しかし父に背くことになるとこれを固辞、3年間天皇がいない状況が続いた
ため、兄に皇位を継がせるべく菟道稚郎子は宇治川に入水して命を絶ったと、悲運の皇子として
日本書紀に描かれている。