俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

「ファルコとの出会い」その52

2011年05月31日 20時33分36秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 何だって? どういうこと? ペパー将軍が? 初仕事? 請け負ったの? 
 湧き上がる?マークを制して、ペッピーは二人に事の次第を話して聞かせた。
 続いて作戦の詳細までを話し合うわけにはいかなかった。その前に山積みの書類を何とかしてしまわなければならなかったからだ。しかし手は3人に増えていたし、先程まであぶくのように立ち上ってきていた悪い夢も、意識の深層へと姿を消していて、フォックスの心は軽かった。
 書類の山が姿を消し、やっとテーブルの天板が見えてきたところで、ペッピーは二人に資料を手渡した。
「標的は」
 すっかり遊撃隊の顔つきを取り戻し、重々しく言う。まるで国際テロリストの幹部を暗殺しにいくみたいだ。フォックスは思った。
「名前は、ええ……そうそう、ファルコ。ファルコの、ランバルディだ。惑星間航路の周辺に現れでては、危険な飛行を繰り返しとる暴走族どもの親玉、だった。つい昨日までは」
「昨日?」
「コーネリア防衛軍基地の演習場に侵入し、度重なる警告を無視して飛び去った。肝が冷える曲芸飛行を披露した後は、防衛軍の最新鋭機も顔負けのスピードで離脱し、煙幕と空中発射デコイでまんまと逃げおおせた」
「ただの民間機なのか、それともベノムの攻撃機か。基地の司令官はその点を最後まで迷ったそうだ。防衛軍が民間人を撃墜したとあっては、重責は免れん。だがこれまでに確認されたどんなベノム機とも、機体の特徴が合わん。なにより、攻撃だろうが自爆だろうが、やるつもりならこっちが気づいたときには終わっとるはずだ。いったい何者が、何の目的でやって来たのか、見当もつかん。機体の身元の割り出しを急がせながら、機を捕捉し続けるしかなかった」
 撃墜すべきか、せざるべきか。苦悩する司令官の姿が見えるようで、フォックスは同情した。
「機体の身元が判明したのは、奴が飛び去った7分後だった。ベノム軍の陽動やもしれんと考えて少数で追ったことも裏目に出たようだな。基地ではトップ連中はじめ、パイロットから管制官に至るまで歯ぐきを見せて悔しがっとる。すぐにでも飛び出してふん捕まえに行きたいところだろうが、都市の守りをほっぽり出すわけにもいくまい。そこでワシらにお鉢が回ってきた」
「ちょっ、ちょっと待ってよ」
 スリッピーの声が、興奮ぎみのペッピーの声をさえぎる。
「コーネリア軍基地のパイロット皆がかかって捕まえられなかったものを、オイラ達だけで捕まえようって言うの? たった3人で?」
 スリッピーはそこで口をつぐんだが、その顔には“無理だよ”と言いたげな表情が浮かんでいる。
 受けるべきか否か、この任務――。
「俺たち3人で、捕らえられると思うか? ペッピー」
 資料から顔を上げて、フォックスはペッピーの両眼を見た。
「リーダーはお前だぞ、フォックス。判断するのは、お前だ」
 二人の視線が、フォックスに注がれる。
「勝算はある」
 その答えに、ペッピーは満足そうに頷き、スリッピーは困惑の色を隠さない。
「3機のアーウィンと――アレがあれば」
「アレ? アレって、なに?」
「アレと言ったら、アレしかないだろ?」
「アレだよアレ。アレと言ってわからんか?」
「何だよそれ。アレアレって言われてもさ、わかるわけないよ」
 口をとがらせたスリッピーを見て、二人は苦笑混じりに顔を見合わせた。
「スリッピー、いったいどんな状況を想定して作ったんだよ、アレは」
「えっ? アレッ? オイラが作ったの? ……あああ!」
「やっと思いだしおったか」
 やれやれというようにペッピーが両手を上げる。
「アレアレ言うからわかんないんだよ! あれにはちゃんと名前があるんだからね。『プラズマ冷却弾』って名前がさ!」

ニンドリ2011年7月号

2011年05月30日 14時38分43秒 | 日々のつぶやき
 エポナに乗ったリンクが目印の、今号のニンドリ。

 『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』発売目前とあって、表紙、巻頭記事、イラストコンテストと『ゼルダ』関連の記事が多いです。

 しかし『ゼルダ』特集記事の後には、スターフォックスの特集記事が!
 『64 3D』の記事2ページに、オリジナルの『64』の魅力に迫る4ページ。

 『64 3D』では、3DSならではの新たなモードや、対戦モードについて触れられています。対戦モードに関して、詳細は不明だが「仕様が一新されている」とか・・。

 「アサルト」の対戦モードみたいに、操作キャラ選択や乗り換えできるのかな??
 としたらクリスタルやパンサーやジェームズも操作できないかな!?

 ……。
 ちょっと自分は、新作に対して夢見すぎている気がする。
 期待しすぎると肩透かしを食らうかも。
 そう思いつつも、期待してしまうんだよなあ……。

鳴滝とは何だったのか

2011年05月29日 00時26分22秒 | 日々のつぶやき
 スターフォックスにはまるで関係のない話。

 仮面ライダーの話です。
 2009年に放映されていた『仮面ライダーディケイド』。
 物語中、「ディケイド」の行く先々に、「鳴滝(なるたき)」と名乗る怪しい男が現れる。鳴滝は何かにつけ「おのれディケイド!」と口走り、どうやら随分とディケイドを憎んでいるようなのだが、それはなぜなのか、過去に何があったのか等は全く明かされない。

 いったいこの鳴滝ってヤツは何もんなんだ? なにか説明がないと納得がいかねえよ。嘘でも、でっちあげでもいいから何か説明が欲しい。
 と、長い間思い続け、とうとう今晩フロに入っている間、鳴滝の過去を思いつくことができた。

 なんとなく嬉しいからここに書いておきます。スターフォックスにはぜんぜん関係ない上、ディケイドを知らなかったら理解できないと思いますが。


 男の名前は「鳴滝」。
 だが最初からその名前だったかどうか、もう本人にもわからない。
 男は平凡な勤め人だった。ある日、深夜の路地裏で運悪く若者の集団に目をつけられ、 暴行を受ける。そこを救ったのが少年時代の士だった。
 士とともに世界を越えたことで男に変化が起き、士と同じように世界を越える力が目覚める。
 男はその力を、はじめはひそかな楽しみに使うだけだった。しかしあるとき気づいてしまう。ひとつの世界でどんなに悪事を働こうとも、別の世界に移動すれば誰も自分を追ってはこれないことに・・・。
 それに気づいてのち、男はみるみる堕落してゆく。怠惰と快楽の日々の果てに罪を重ねては、また次の世界へと移る。その繰り返し。
 一年も経たないうちに、男は苦悩し始める。どんな世界へ移動しても、長く居続けることができない。腐りきってしまった自分は、どこの世界だろうと拒絶される。
 無限の世界を手に入れたと思っていたのは間違いだった。それどころか、このまま堕ち続ければ、いかなる世界にも居場所を失ってしまうのだ。
 そう悟った男は、ただひとつの世界にとどまる決意をする。世界を越える力は封印し、二度と使わない。今この世界を唯一無二の己の世界と信じ、自身の役割を全うする。
 決意を固めてから数年が過ぎた。自分に誓った通りに世界を越えることはせず、平凡ながらも精一杯に生きていた。その甲斐あって、仕事を評価されることも多くなった。
 これでよかったんだ。
 そう思う男の前に、突如、次元を越えて侵略者たちが現れる。
 侵略者たちは「大ショッカー」と名乗り、その組織の頂点に立つのは、かつて自分に世界を越える力を与えたあの少年だった。
 大ショッカーの大首領となった士は、世界を越える力をフルに使い、各世界の悪を大同団結させていた。そしてついにすべての世界の征服に乗り出したのだ。
 男が唯一無二と心に決めた世界も、無残なまでに破壊される。
 男は怨念と憎悪に奮い立つ。いまさら世界がどうなろうと関心はない。
 ただ、己の運命と世界を破壊しつくしたあの少年、そして世界を越える力だけは、この地上から葬らなければならない。
 『世界の破壊者』ディケイドとなり、ライダー討伐の旅に出た士を追って、男もまた旅立つ。「この世界にあってはならない存在」ディケイドを消し去るために。


 ……ディケイドという存在も、鳴滝という男も、なにかの暗喩なのかな。
 一見意味不明な鳴滝にも、実はちゃんと意味があるのかな。
 それともあまり深い意味はないのかな。
 はじめは意味がなくとも、後付けで意味が付加されていった結果、確たる存在になるということもあるのかな。
 『ディケイド』の放映期間は、キャラクターが意味を得るには短すぎたということかなあ。(平成『仮面ライダー』の放映期間は一年間が普通だが、後番組の放映開始時期を調節するため、『ディケイド』の放映期間は短かったのです)

 何にしても僕は、今も『ディケイド』を愛してやみません。

お礼とお詫び

2011年05月25日 21時10分10秒 | 小説『ファルコとの出会い』
 『ファルコとの出会い』もついに「その51」だよ。よくもまあ飽きずに書いているもんだ。
 これも、たまにしか更新しないにもかかわらず、覗きにきてくださる、そしてコメントしてくださる皆様のおかげです。篤く御礼申し上げます。

 そして、「その51」ではなんだか興奮した様子でペッピーが帰ってきたんだけど、これはもちろんペパー将軍からファルコの捕獲を依頼されて帰ってきたのですよ。
 ペパー将軍とペッピーが会話している場面を書いてから4年も経ってしまい、忘れられているかもしれないので念のため書いておきます。
 記事についているカテゴリー部分(小説『ファルコとの出会い』、と書いてある部分)をクリックすれば、これまでの話もまとめて読むことができるので……よければ読み返してやってください。

 読み返していると、前後のつながりがおかしいところとか、矛盾しているところとか、突っ込みどころが目立つことと思いますが、どうかご容赦ください……。
 この話が完結した後に、記事をすべてつなげた上で加筆修正して、食い違いや矛盾がない完成版として、もう一度お目にかけることができればよいなと思っております。
 それではもうしばらくの間、お付き合いくださいませ。

「ファルコとの出会い」その51

2011年05月25日 20時10分16秒 | 小説『ファルコとの出会い』

「うわああああっ!!」
 カララン、カラン……
 突然大声をあげて跳ね起きたフォックスに驚いて、スリッピーの両手の間でグラスが涼しげな音を立てた。
「びっ……ビックリした~っ。驚かせないでよ、フォックスってば! こぼれなかったから良かったけどさ」
「……すまない」
 あえぐように呼吸しながら、椅子から身を起こす。
「冷たいソレオだよ。飲むかい?」
 何も言わずにグラスを受け取ると、ごくりごくりと喉を鳴らして飲み込んだ。
 グラスの半分ほどを飲んだところで、ぷは、と息をつく。
「怖いユメでも見たのかい?」
「まあ。そんなところだ」
 シャツはじっとりと湿り、頭にはにぶい痛みがある。
 スリッピーの背後で、ブリーフィング・ルームのドアが静かに開いた。その向こうに、興奮した様子のペッピーが立っている。

「おまえたち!!」
 大きな声が頭に響き、フォックスは眉根を寄せた。二人が返答する間もなく、第二声が飛んでくる。
「何をボヤッとしとる! 書類仕事なんぞ、今日で終わらせちまうぞ!」
「一体、何があったんだよ、ペッピー」
「何があっただと?」
 喜色満面。それ以外に形容する言葉を思いつかない表情で、ペッピーは答えた。
「仕事だよ、仕事。初仕事の依頼だ。それもペパー将軍、直々のな!」

「ファルコとの出会い」その50

2011年05月25日 19時03分21秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 ふう――――。
 グレートフォックス内部、ブリーフィング・ルームの椅子の上で、フォックスは肺の奥底から息を吐きだした。
 新生・スターフォックスのリーダーに就任してから、山のような書類と、各種手続き、各方面の許可・申請・更新といった仕事に追われている。意味不明の文言と、やたらに難解な法律用語のかずかずと格闘していると、何もかも放り出したいと思うときがある。しかしそれら事務的な作業が終わらなくては、遊撃隊として仕事を募ることもできないのだ。
「大丈夫かい? フォックス」
 つるりとした顔と愛嬌のあるふたつの目玉が、俯いたフォックスの顔を覗きこむ。
「疲れてるんじゃないかい? オイラが飲み物を入れるからさ、一休みしなよ」
 遊撃隊隊員募集の話に乗って、スターフォックスの一員となったスリッピー・トードだ。
 フォックスはありがとうと礼を言うと今度は深々と椅子に腰掛け、背もたれに体をうずめた。本来作戦会議に使われるはずのこの椅子の背は硬く、あまり心地よいとはいえない。
 同じコーネリア防衛学校で、パイロット養成コースを歩んでいる同期を遊撃隊に引き抜くには、それなりの勇気と覚悟がいった。たとえスリッピー本人が十分乗り気であったにせよだ。
 ここ1カ月の間、フォックスは、パぺトゥーンから舞い戻ったペッピーとともに、スリッピーの実家を幾度か訪れた。そしてかれと、かれの父であるベルツィーノ・トードをまじえ、長い話し合いをした。
 紆余曲折はあったが、結局のところ家族の理解は得られ、スリッピーはここにいる。
 だが――と、フォックスは不安に駆られる。メンバーのうち二人が全く経験のない者という状態で、遊撃隊の任務をこなしてゆけるだろうか。仕事は軌道に乗らず、前途ある若者の将来を閉ざしてしまうことになりはしないだろうか――。
 考えても仕方のない、悪い想像ばかりが頭に浮かぶ。夜になり眠れば、また違った恐怖が襲ってくる。

 ――おそろしく長い数秒間だった。今でも吹き上げるほのおの色と形を、はっきりと思い浮かべられるんだ。

 ベッドの上でペッピーが話した、父親の最期。自分が見られたはずのないその光景が、夢の中では圧倒的な現実感を伴って再現される。
 貫かれたプラズマ・エンジン。破裂するプラズマ加速器。機体を舐めるように燃えあがる火炎。肉を焼かれ、骨を焦がされた男の、声にもならなかった最後の声。

(――――――――!!!!!)

 この世の者には聞くことのできないその断末魔が夜を引き裂くたびに、フォックスは目覚める。そして死の恐怖に憑かれている自分を発見するのだ。
 だめだ。このままじゃあ。
 まだ自分が幼いころ、父はコーネリア防衛軍を抜け、2人の仲間とともに遊撃隊を結成した。このごろは自分が、その父のあとを全く同じになぞって生きているように錯覚することがある。自分もまた、コーネリア防衛軍への士官というコースを外れ、2人の仲間とともに新生スターフォックスを軌道に乗せようとしている。であれば、いずれ自分も、ジェームズと同じように――。
 炎の中で焼かれる父の姿が、いつの間にか自分の姿に変わっている。

(――――――――ぎゃあああああああああ、あああああ…………!!!!!!!!!)

「ファルコとの出会い」その49

2011年05月18日 23時06分15秒 | 小説『ファルコとの出会い』

「わかったよ。きみが高性能……いや、高度な知性を備えてるってことは」
「オ褒メニ与リ、光栄デス」
「ひとつ。聞いてもいいかな」
「何デショウ?」
「いま君は、かつての主の死を確信したわけだが。感情の動きは、特になかったのか? 悲しみ……であるとかさ」
 先程まで得意げに弁舌を振るっていたナウスは、静止し押し黙った。カメラアイの側面についた小さなランプが、深呼吸するように点いたり消えたりしている。
「私ノ頭脳二ハ」
 考え考えといった様子で、慎重に言葉を発する。
「アラカジメ『感情』ヲ作リ出スプログラムガ用意サレテイル訳デハアリマセン。デスガ、限リナク機能ヲ高メ、学習ヲ繰リ返シタ電子頭脳二、『感情』二近イモノガ生ジルコトハ判明シテイマス。私ノ頭脳ニモ、ソノ現象ハアラワレテイルハズデス。
 ケレドモ――私ハ、悲シンデイマセン」
「なぜだ?」
 金属製のその顔をまじまじと見つめ、フォックスは問うた。
「考エテモミテクダサイ。アナタガタ“ヒト”は、喜ビ、悲シミ、怒リ、愛シ、憎ミマス。時二ソレガ、大キナ過チヲ生ムノデス。感情ヲ持ツユエニ、冷静サヲ、論理性ヲ、道義心ヲ失イ、誤ッタ道ヘト進ム。サラニ、大キナ感情ノ波ハ、身体機能ヘモ影響ヲ及ボシマス。
 悲シミノアマリ機能停止スルオペレーター・ロボットヤ、怒リ狂イミスヲ犯ススーパー・コンピュータガ、必要トサレルデショウカ?
 私ハジェームズトトモニ十年以上ヲ過ゴシ、彼ノ人格ハ私二大キナ影響ヲ与エマシタ。彼ノ死ハ、私二トッテモ大キナ喪失デス。
 シカシソノ喪失ガ、私ノ回路ヲオーバーロードサセル前二、アルプログラムガ作動シマス。大キナショックガ私ノ機能ヲ低下サセル恐レガ生ジタ場合、ソレニ関連スル一連ノ記憶ヲ遮断スル――イワバ一時的二“忘レル”ノデス」
 そこまで言うと言葉を切り、カメラアイで二、三度まばたきする。目玉が乾いて困るわけでもないのに、なぜまばたくんだ、とフォックスは思ったが、それはたまたままばたきに見えるだけの、機能的に意味ある動作なのかもしれない。
「じゃあ今の君は、ジェームズのことを忘れているわけか? それにしては、最後に会った日の日付まで覚えていたじゃないか」
「スベテヲ忘却シテシマウヨウデハ、ソレハソレデ問題ガアリマス。喪失スル記憶ハ、私ノ頭脳ノ中デ生ジタ感情ノ動キダケデ、感覚器ガトラエタ情報ナラバ、自由ニ思イ出スコトガデキマス」
「??? なんだか、よくわからないぞ」
「ジェームズノ姿ヤ言葉ハ思イ出セルノデスガ。ソレラニ対シ、私ガイカナル感情ヲ抱イタカ。好意ヲ持ッタカ、嫌悪ヲ生ジタカ。私ハジェームズノ何ガ好キデ、何ガ嫌イダッタカ……ソノ部分ハ一切、思イ出スコトガデキマセン」
 フォックスの両目が、大きく見開かれる。
「それじゃあ……それじゃあ、何も覚えていないのと同じじゃないか」
 幼い日々のおぼろげな記憶の中、ところどころに鮮明に焼き付いた一瞬一瞬が、昨日のことのように浮かび上がってくる。あたたかく大きな手、丸くなり眠り込んでしまった体の上からかぶせられた厚手のジャンパー、湯気をあげるカップが二つ、その中のコーヒーの苦み。ニッパーで切り出した部品で組み立てる模型の戦闘機、血の味と指先の絆創膏。知らない街を一人でさ迷い歩き、やっとのことで見つけ出され抱き上げてもらった時の、涙でにじんだ路地の風景。

 “ヒト”ノ悲シミガドンナモノナノカ、私二理解スルコトハ不可能デス――私ハ、真ノ意味デ、悲シンダコトガナイカラデス。

 自嘲気味に聞こえるナウスの声に、フォックスは我に返った。

くつろぎの空間?

2011年05月16日 00時24分21秒 | 日々のつぶやき
 このブログ『俺の翼に乗らないか?』を続けていくにあたり思うのは、ここをスターフォックスファンが集うくつろぎの空間(?)にしたい、ということです。

 ゲームの面白さを語り合ったり、イベントや同人誌の情報交換したり……。
 『どうぶつの森』に、ハトのマスターが経営する喫茶店がありますが、あのお店で200ベル払って一杯のコーヒーを飲むと、その間だけは忙しさを忘れて時がたつのを楽しむことができる。このブログもそのような時を提供したいのですね。

 というわけなので、このブログを読むときは、一杯のコーヒーを……あるいは紅茶を……もしくは緑茶を、でなければジュースでも、ココアでも、炭酸水でもいいですけど……とにかく一杯の飲み物とお菓子でも用意して、しばし休息していただきたいと思っております。
 ただし飲み物をキーボードにこぼしてはいけませんよ。

 では、どうかごゆるりと、おくつろぎくださいませ。

 あ、あと……たまにはコメントしてね。

VCの『64』を遊んでみた

2011年05月15日 23時38分49秒 | 『スターフォックス64』(N64)
 『64 3D』が遊べるまで、まだ2か月近くあるじゃないか……。
 待ちきれないけど、まず『64』を遊んでおこう。と思い、バーチャルコンソールの『64』を久しぶりに起動してみた。

 たぶんもう300回くらい遊んでるんだけど、それでも楽しいね。
 そして腕が落ちている! エリア6に行ったものの、デス・ボールに2回負ける。ベノム2に突入したが、仲間はファルコだけ、しかもレーザーはシングル。また2回負けたけど根性で倒して、アンドルフとの決戦へ。
 アンドルフまでの通路のルートも忘れてる。しかも通路のカベに当たってウイングが壊れる。かっこ悪い。

 アンドルフ(最初の姿)がこれまた中々倒せない。手で叩かれるわ、吸い込まれるわ。
 あれぇ……前はこんなトコ、すぐに抜けられたはずだが。
 アンドルフと長い時間戦っていると、気持ち悪くなってくるな。そもそもアンドルフ様、なぜそんなに大きいのだ。なんで頭と手しかないのだ。この異次元みたいな空間は何なのだ? 悪夢のように思えてきたところで、やっと倒す。
 アンドルフが正体を現したところで、すこしコツを思い出し、なんとか勝つ。

 (以下しばらくの展開は、未プレイの人のため伏せる)



『フォックス 私について来い』

 勿論ついて行くよ、だがしかし、シールド0でウイングも両方壊れてるんだけど!!
 待ってぇ!! ここでブースト使ったら!! 激突して死ぬよオレ? 右? 左? 右! つぎ左!! そして右ぎゃああああ!!!!

 ……激突して死んだ。最後の最後で、そりゃないぜ。
 まあやり直したらシールドもウイングも直ってるんですけどね。「必死の思いで大ボスを倒して、辛くも脱出」っていうシチュエーションでエンディングまでいきたかったな。
 ぶつかりそうになると思わず叫んでしまう。何度遊んでも夢中になれるとこはすごいと思います。


 『64 3D』は、オリジナルとどこまで変わってるんだろうか。
 「途中経過をセーブできる」らしいけど、これは携帯機で遊ぶことを考えたら妥当な判断だろう。
 それよりも、昨今の表現規制を気にして削られたシーンがあったらやだなあ。

 変わりすぎていても残念に感じてしまうし。逆に全く変わらなかったら拍子抜けしてしまうだろう。我ながらゲーマーってのはわがままですね。
 すれちがい通信やコレクション要素があったら嬉しいな。ゲーム本編でも、昔からのファンがあっと驚くサプライズがあれば、もっと嬉しいのですがね。
 

予約したかい?

2011年05月15日 13時21分10秒 | 『スターフォックス64 3D』(3DS)
 Amazonで、『64 3D』の予約が始まった。
 もちろん予約したよ。

 『時のオカリナ 3D』は、予約しようかどうしようか迷っている間に、予約できなくなってしまった。初期出荷数が少ないという噂。
 スターフォックスでは同じ轍を踏みたくないので、すばやく予約。

 自分で遊んで、びっくりしたいんだよね。
 インターネットや雑誌で先に知ってしまったら、驚きと喜びは半減してしまう。
 誰かが遊んで「これはびっくりしたなー」というのを後から聞くのじゃなくて、自分でびっくりしたいんだ。

 そのためには、旬のうちに遊ばなければな。

 ……そして遊んでしまったら、今度はそれを他人に伝えたくなってしまう。
 なので皆様も、なるべく早く『64 3D』をゲットして……十分遊ぶまでは、このブログを見ないほうがよいかもしれませんよ。

少しだけ見られるよ

2011年05月10日 19時46分19秒 | 『スターフォックス64 3D』(3DS)
 任天堂ホームページで、3DSのソフトラインナップ映像が更新されてる。
 映像の最後のほうで、『64 3D』の映像もちょっとだけ見られるヨ。

 サンガー(ソーラのボス)はなんか、おどろおどろしい感じになってる! マグマが生き物のようにうねってる! これだけでも進化のほどがわかりますね。

随時募集中

2011年05月07日 16時50分29秒 | スタフォファンクラブ
 このブログをパソコンで見たとき、左サイドに記事のカテゴリーが並んでいることと思います。『ファルコとの出会い』や、『アナザーストーリー』をまとめて読みたいときに便利です。
 そのカテゴリー内に、これまでの『思いつき企画』をまとめました。

・スターウルフの新メンバーを考えよう
・名ゼリフ投票
・ゲーム以外の趣味

 これらの企画には、締め切りはないので……いつ回答してくださっても結構です。
 コメントにはお返事を返します。

 また、「こんな企画してみたら面白いんじゃないか」てな提案もお待ちしております。

スタフォしりとり

2011年05月07日 14時43分19秒 | スタフォファンクラブ
スターフォックス→ スリッピー・トード→ ドラゴンロック→ クラウド族→クラウドランナー→ ナウス→ スクラムジェット→ トーラ→ ライトフット族→ クリスタル→ ルーシー・ヘア→ アステロイド→ ドドラ→ ライラット→ トリッキー→ キャット・モンロー→ ロブ→ ブラックローズ→ ズームバイザー→ サルデス→ スカラベ→ ベルツィーノ→ 野島健児→ ジェリーウォーカー→ カタリナ→ ナムコ→ ゴールドキー→ キラービー→ ピグマ→ マクベス→ スピニングコア→ アンドルフ→ フジツボ→ ボルス・コア→ アンドリュー・オイッコニー→ 任天堂→ ウルフ・オドネル


 「ル」で始まるスタフォ関連用語なんてあったかな・・。

 「トーラ」「ドドラ」「フジツボ」・・・こんなキャラクターが本当にスターフォックスに出てるのか?と思うだろう?
 出てるんだなあそれが。知らなくても全く困らないし、知ってても役には立たないんだなあこれが。

伏見稲荷にて

2011年05月07日 14時23分20秒 | スタフォファンクラブ
 京都は任天堂本社の近傍、伏見稲荷大社に鎮座まします、五穀豊穣の神様・お稲荷さま。
 聞いた話では、この伏見稲荷のお使いであるキツネから、フォックス・マクラウドはイメージされたとか……。

 連休を使って京都へ行ってきたのです。写真は、3DSで撮影した、伏見稲荷の千本鳥居です。(この鳥居を連続でくぐると、ワープゲートへと突入……なんてことはないか)
 お稲荷様に祈願したのは、日本のこと、自分のこと、そして『スターフォックス64 3D』のヒット。
 自分が願わなくても十分ヒットするだろうけど、単なるヒット以上のものになってほしいなあ。

 八坂神社、清水寺、太秦、嵐山とめぐっている間に、3DSですれちがった人は30人以上になりました。
 『64 3D』にもすれちがい要素はあるかなあ? あるとしたらどんなものになるのかな。
 スマブラXみたいに、3Dモデルのフィギュア収集なんてあればいいな……。(夢見すぎ?)

「ファルコとの出会い」その48

2011年05月02日 00時31分21秒 | 小説『ファルコとの出会い』

「……君が、父さんと……ジェームズと、最後に話したのはいつだ?」
「現在より、5か月と26日前。ライラット暦2003年6月2日ノコトデス」
「父さんは、何と言ってた?」
「シバラク、留守二スルト。ソノ間、艦ノ整備調整を頼ムト。ソノヨウニ聞イテイマス。デスガ約2カ月前、私二モタラサレタノハ、ジェームズノ訃報、ソシテ、コノ艦ト私ノ凍結処分デシタ」
 おおむね予想していた通りの答えだ。極秘任務だった惑星ベノムへの潜入に関して何も伝えられていないのも、当然だろう。
 このロボットに、主の死をあらためて告げるべきか否か?
 フォックスは少し迷ったが、これまでの自分の生き方に素直に従うことにした。正直に話して伝えるのだ。
「君が聞いているとおりだ。ジェームズ・マクラウドは、ベノムで命を落とした」
 それを口に出すとき、内臓をねじり上げられているような痛みが体の中に走ったが、かまわずに話し続けた。
「遊撃隊・スターフォックスは、一時は消滅しかけたが、オレがリーダーに就任することで存続することになった。グレートフォックスも凍結を解かれたんだ。無論君もだ、ロボットくん」
「スペースダイナミクス社製オペレーション・ロボット、NUS系064、製造ナンバー・AUB0654289。“ナウス”ト呼ンデクダサイ。歓迎シマス、新タナリーダー」
 呑み込みの速さにフォックスは舌を巻いた。
「ずいぶんと理解が速くて助かるけど……。なぁ、ナウス。オレの言うことが、どうして本当だと分かる? 実はジェームズが死んだというのは嘘っぱちで、今はどこかに監禁されていて、全く関係ないやつらがこの艦と君とを乗っ取ろうとしている。たとえばそう考えてみることは、しないのかい?」
「先程マデハ、ソノ可能性モ考慮ノウチデシタ。私二ジェームズノ死ヲ伝エタモノハ、コーネリア軍ノ一将校ト思ワレル人物ノ言葉ダケデシタカラ。シカシ今、アナタノ口カラ聞クコトデ、疑念ハ晴レマシタ。話ス時ノ表情、視線ノ動キ、声ノ抑揚、体表面温度ノ変化ナドノポイントカラ、嘘ハ99.99%ノ精度デ見抜ケマス。マタ、起動時二同期ヲ行ッタデータバンクカラノ情報ト照ラシ合ワセテミテモ、フォックスノ話シタコトハ真実ノヨウデス」
 フォックスは驚きとともに、一抹の不安も感じずにはいられなかった。かれらの思考力は、自分たちと比べても全くひけをとらない。洞察力と判断力は、ヒトのレベルを数段、上回っているのではないか。
「驚いたな……しかし、そこまで考えることは、かえって回り道なんじゃないか。たとえばコーネリア軍の端末にアクセスして、スターフォックスのリーダーがオレの名前に書き変えられているのを確かめれば、それで済む話じゃないのかい?」
 ふふん。自信ありげにナウスは鼻を鳴らした。鳴らす鼻などこのロボットにはどこにも付いていないにもかかわらず、フォックスにはなぜか、そう見えた。
「データヲ書キ変エルコトハ、誰二デモデキマス。与エラレタデータヲソノママ丸飲ミスルヨウデハ、『知能』ヲ持ッテ入ルトハ言イマセン。私達ハ己ノ頭脳デモッテ、情報ガ信頼二足ルモノカ否カ判断シマス。アナタガタト同ジク、『知能』ヲ持ツ者トシテ」