俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

「ファルコとの出会い」その51

2011年05月25日 20時10分16秒 | 小説『ファルコとの出会い』

「うわああああっ!!」
 カララン、カラン……
 突然大声をあげて跳ね起きたフォックスに驚いて、スリッピーの両手の間でグラスが涼しげな音を立てた。
「びっ……ビックリした~っ。驚かせないでよ、フォックスってば! こぼれなかったから良かったけどさ」
「……すまない」
 あえぐように呼吸しながら、椅子から身を起こす。
「冷たいソレオだよ。飲むかい?」
 何も言わずにグラスを受け取ると、ごくりごくりと喉を鳴らして飲み込んだ。
 グラスの半分ほどを飲んだところで、ぷは、と息をつく。
「怖いユメでも見たのかい?」
「まあ。そんなところだ」
 シャツはじっとりと湿り、頭にはにぶい痛みがある。
 スリッピーの背後で、ブリーフィング・ルームのドアが静かに開いた。その向こうに、興奮した様子のペッピーが立っている。

「おまえたち!!」
 大きな声が頭に響き、フォックスは眉根を寄せた。二人が返答する間もなく、第二声が飛んでくる。
「何をボヤッとしとる! 書類仕事なんぞ、今日で終わらせちまうぞ!」
「一体、何があったんだよ、ペッピー」
「何があっただと?」
 喜色満面。それ以外に形容する言葉を思いつかない表情で、ペッピーは答えた。
「仕事だよ、仕事。初仕事の依頼だ。それもペパー将軍、直々のな!」


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