俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

引越しします

2010年03月28日 22時50分05秒 | 日々のつぶやき
 いま引越しをしているのです。
 引っ越した先でネットが使えるようになるのがいつなのかわかりません……、つまりしばらく更新できないのです。

 うああ。すいません。
 運がよければ、一週間か二週間でまたネットにつなげられるかも。
 それくらい経ってから、もしも思い出したら覗いてみてください。

ニンテンドー3DS

2010年03月25日 09時24分03秒 | 日々のつぶやき
 ニンテンドーDSの新機種が出る!なんだってぇ!?
 と、驚いて任天堂ホームページからニュースリリースを見ようとしたけど、なぜかそのページが見られない……(泣)

 なので「ニンテンドー3DS」がどういう機能を持ったものなのかわかりませんが、3Dに見える機能を持っていることと、これまでのDSのソフトも使えることは確かみたいですね?

 3D! 3Dに見えるって……どういうこと? ホログラフィーみたいに画面から飛び出して見えるってこと? その飛び出した世界の中を自由にキャラクターが動き回れるのかな? だとしたらいよいよ未来の世界ですね、この国は……。

 数年前、ニンテンドーDSが登場するとき、「任天堂が新たに二画面の携帯ゲーム機を出す」と聞いて私は「こんなものが本当に売れるのか? ゲームキューブはPSに圧倒的に負けていてゲームボーイアドバンスだけが奮戦しているのに、その携帯ゲーム市場でも負けてしまったら任天堂に未来はないんじゃないか?」てなことを思いました。
 そして発売後は、みなさんご存知のように大ヒットです。

 任天堂の人たちは、自分の会社の運命、ひいては自分の運命がかかっているのだから、新たなゲーム機を世に出すときはこの世の誰よりも頭をひねり、本当に世の中に受け入れられヒットする商品となるか考えているでしょう。
 とてもじゃないが、私が少しばかり頭をひねったところで、任天堂の新製品の未来を予測できはしません。ニンテンドー3DSがどんなものなのかもイメージがつかめません。
 6月のE3で詳細が明らかになるらしいので、それまで楽しみに待とうと思います。

 ……。そして。
 いまだにバーチャルコンソールで初代『スターフォックス』が配信されないのは、この新機種むけにリメイクされるからだったんですね!!
 だって、3Dといえばスターフォックスじゃないですか。スーパーファミコンではじめてフルポリゴンを実現したのが『スターフォックス』だ、と先週発売のファミ通にも書いてありました。
 ……たぶん勝手な思い込みだと思うけど。本当にそうなったらうれしいな。

「ファルコとの出会い」その37

2010年03月18日 20時13分36秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 身なりをととのえたペッピーと、手を洗い終えたフォックスはダイニングルームへと入った。食卓のむこうで、そわそわとした様子のビビアンがナベを覗き込んでいる。フォックスの姿を目に入れると、ビビアンは聞いた。
「あの、フォックス君。あなた、野菜は大丈夫だったかしら?」
「ええ。野菜ならなんでも食べますよ」
 その答えを聞くと、ビビアンはほっとしたように頷いた。
「そう、そうなのね。良かったわ」
「ジェームズと同じだよ。人参でもブロッコリーでもばりばり食うぞ。振る舞い甲斐のある客だな、ビビアン」
「ウチは野菜がメインですからね。いるでしょう、肉しか食べない人や、逆に野菜しか食べない人。私の叔母は肉がだめなの。食べると体がむくむのよ。スープのダシも野菜しか使わないの」
「オレは平気ですけどね。野菜を全く食べない友人もいますよ」
「なんなんでしょうね。不思議よね。種族が同じでも、どうして好みが違ってくるのかしら」
「食物の代謝の機構が、遺伝的に異なるのだろうな」
 腕組みしながらペッピーが言う。
「太古のむかしには、草食・肉食は今よりもはっきりと分かれていたんだろう? 進化の過程で雑食化がすすみ、もともと摂取しなかったものも消化・吸収できるだけの代謝経路があらたに獲得されたんだ。しかしところどころに、祖先の性質をそのまま受け継いだものもあらわれる。いわば先祖がえりだな。肉しか食べないものは、野菜を消化するための分解酵素や、吸収するための機構をもっていないわけだ。まぁ、とにかく」
 組んだ腕をほどいて胃袋の上に移動させると、だらしなく頬を緩める。
「いまこの食卓を囲んでいるメンバーなら、同じナベのシチューを分かち合っても不都合はなかろう。いいかげん腹に詰め込まないとワシャ死にそうじゃよ」

「ファルコとの出会い」その36

2010年03月18日 12時23分14秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 それからたっぷり3時間半。フォックスとペッピーは膝を突き合わせて話し合った。
 頭をひねったり、ため息をついたり、ペンで額を小突いたり、計算機のキーを叩いたり、はじき出された数字を見て唸ったり。燃料費や維持費、メンバー一人一人の報酬、予想される依頼の件数、果てはコーネリアとライラット系の政情についてまでをえんえんと考え続け、そして心身に10年分の疲労が蓄積したころやっと、未来にスプーン一杯ほどの希望を見出すことができた。
 どちらが病人なのかわからないくらいげっそりとした顔を見合わせて、二人は話した。
「なあ、フォックス。そろそろ何だその、メシにしないか」
「そうだな。ローンを返す前に餓死しちゃ、マズイからな。ところでペッピー、食事は砂の味しかしないんじゃないのか?」
「とんでもない。今なら何だってとびきり美味く味わえる自信がある! こう言ってるあいだにも生つばが出てしょうがないわい」
「そりゃあ良かったわね」
 突きあわせた頭の上から言葉を投げかけられ、二人は振り返った。いつのまにかドアが開いて、前掛けを下げたビビアンが戸口にもたれかかって立っている。その向こうから食欲をそそる香ばしい匂いが流れ込んできていた。
「言っておきますけど、ノックはしたのよ。2時間前にね。何が食べたいか、聞こうと思って。けど返事がなかったから、私が食べたかったシチューを作ったの。それがいい具合に煮込めたから、もしかしたら食べるかと思って来たんだけど。ノックに返事がなかったということは、空の男のおふたりは、夕食を一回抜くくらい、なんでもないということなのかしら?」
 二人は勢い良く立ち上がると、びしりと最敬礼のポーズをとったまま声を揃えて言った。
「「滅相もございません、奥様!!」」
「冗談よ」
 うふ、と笑うとビビアンは、戸口に仁王立ちになって怖い顔をした。
「けれど、あなた。寝巻きのまま食卓に付くのはやめてね。宇宙一うまいシチューを食べたかったら、顔を洗って、着かえてからいらっしゃい。フォックス君は、手を洗ってね」

「ファルコとの出会い」その35

2010年03月18日 12時19分18秒 | 小説『ファルコとの出会い』

「フォックス……ワシはてっきり知っておると思っていたんだ。だから、嬉しかったんだ……。スターフォックスがバラバラになっちまって、グレートフォックスもローンのかたに接収されてしまうものと思っていたもんだから。そこへ、お前さんがリーダーになると言ってくれたもんだから、希望がまた燃えてくるような気がしてたんだが」
「オレはなんだか、希望が燃え尽きていくような気がしているけどね……」
「…………いまなら、まだ道を選べる。グレートフォックスはスターフォックスというチームの資産になっている。お前さんがリーダーに就任しなければ、チームは消滅したことになり、グレートフォックスは手放さなきゃならん。だが同時に、60年近く残っているローンも背負い込まずにすむ。……その選択は、お前さんに任せるよ」
 フォックスは放心したように椅子に沈み込み、頭を抱え込んでいる。
 しばしの時間が流れたあと、考え考え、フォックスは言った。
「グレートフォックスはもともと、整備、補給、索敵、あらゆる面でアーウィンをサポートするために建造したんだろう? 大気圏内といわず、宇宙空間といわずアーウィンを運用できるのは、あの母艦が動く要塞の役目を果たしてくれるおかげだ。グレートフォックスなしのアーウィンは、アーウィンであることの優位性をほとんど失ってしまうな。
 それに、他惑星の要請にも迅速に応えるには、グレートフォックスの惑星間航行能力がどうしたって必要だ。
 つまりは、グレートフォックスを失うことは、スターフォックスというチームの長所をまるっきり無くすことに等しいわけだ」
「うん。ワシもそうだと思う」
「ペッピー、分かっていたくせに……。俺を試したのか?」
「いや、その。そういうつもりじゃ、なかったんだが」
「いいさ」
 ハア、と大きく息を吐き出すと、がたがたと音を立てて椅子から立ち上がった。
「残っている負債の正確な額面を知りたいんだ。ペッピー、教えてくれるかい?」
「あ、ああ。書類のほとんどはジェームズが保管しているはずだが、写しならここにもある。ちょっと待ってくれよ」

ミサイルマン

2010年03月17日 14時11分45秒 | おすすめの本
 スタフォとは関係ない話。

 週間少年ジャンプで連載されている、あるいは休載されているマンガ、『HUNTER×HUNTER』を、毎週楽しみにしています。長期休載は勘弁してほしいです。

 これに出てくる念能力の名前って、他の作品の題名を借りたものが多いよね。
 ネフェルピトーの『玩具修理者』は、同名のホラー小説がある。図書館で借りて読みました。

 ウェルフィンの能力、『卵男(ミサイルマン)』は、平山夢明さんの小説『ミサイルマン』と『卵男(エッグマン)』からとったものだろう。

 この小説『ミサイルマン』が収められた同名の短編集を読みました。
 が、しんどかった。
 なぜしんどかったかというと、内容が凄惨を極めるから。
 「残酷」という2文字などでは到底表現できない、むごたらしくおぞましい場面が精緻に描写され、書いている人間の正気を疑うほどです。
 いや、正気でなければこんな作品を書けないのはわかっているのですが。

 おもしろいか面白くないか、と聞かれれば「面白い」ほうに分類されるんでしょうけど。怖いながらも最後まで読みましたからね。
 「この本面白いですよ!」と大っぴらに薦められない感じがします。

 ……。
 まあ私が薦めようが薦めまいが、読む人は読むし読まない人は読みませんよね!
 というわけで『ミサイルマン』おすすめですよ。

マクラウド

2010年03月17日 13時49分48秒 | 考察
 『奴らを高く吊るせ!』(原題:HANG’EM HIGH)という映画のDVDを見た。若き日のクリント・イーストウッドが主演している西部劇。

 その劇中に、『マクラウド』という名前の男が出てきた。
 と言ってもあまり良い役どころではない。物語の序盤、牧場主の老夫婦を殺し、盗んだ牛を主人公に売りつけたあと、捕らえられてしばり首にされた男の名前が、マクラウド。

 思い切り悪党じゃん。
 フォックス・マクラウドの名前の由来がこの男だったら、なんかやだな……。

スタフォ64は西部劇?

2010年03月16日 21時37分36秒 | 考察
 宮本茂さんはカントリーウエスタンが好きという話を読んで考えた。

 『スターフォックス64』は、西部劇なのではあるまいか。

 開拓時代のアメリカは……少なくとも西部劇のなかでは……アメリカ国軍による統治はまだ完全ではなくて、無法者や先住民の脅威にさらされていた。
 主人公になるのはたいてい、流れ者のガンマンだ。

 コーネリア軍がアメリカ国軍(騎兵隊)。
 ペパー将軍は保安官か、騎兵隊の隊長。
 スターフォックスは、腕利きのガンマンたち。
 そしてアンドルフ軍は……開拓者たちに土地を奪われ、追いやられたネイティブ・アメリカン(いわゆるインディアン)。

 ……こう考えると、『スターフォックス64』は、へんぴな土地に追いやられ、怒って開拓者に戦いを挑んできたインディアンに、開拓者の味方の腕利きガンマンたちがとどめをさす物語。ということになってしまう……。

 考えすぎかな……。

街へいこうよ どうぶつの森

2010年03月15日 22時30分10秒 | スタフォ以外のゲームソフト
 Wiiの『街へいこうよ どうぶつの森』をちまちま遊んでいるんです。

 しばらくほったらかしにしていたので、村は荒れ放題でラフレシアが咲き乱れ、住人は知らないやつらだらけなのか……!?と思いながらおそるおそる起動してみましたが、そんなことはありませんでした。
 雑草が多いほかはあまり変わっていなかった。そして住人たちに『どこにいっちゃったのかと心配していたんですよ!?』とか言われて少しホロリときました。のんびりした性格の住人には『いなくても夢の中で遊んでいたからあまり気にしてなかったよ~』と言われましたが……。

 初めて出会ったときは、何だこいつ、と思った住人でも、顔をあわせているうちに馴染んできて好きになっていくのが不思議ですよね。
 今「すずかけ村」に住んでいるのは、アラン、チャウヤン、ポーラ、ツバクロ、さるお、モヘア、カール、ロッタ、リリアン。そして私です。

 ぬいぐるみのクマみたいな「パッチ」は、このあいだ引っ越していきました。
 「行かないで!」と言えば引き止めることもできたけど。出会いがあれば別れがある、それが人生というものだよね。というわけで引き止めなかった。

 会えなくなると寂しいなぁ。前に引っ越していったバズレーやマキバスターのことも思い出してしまう……。
 長く住み着く住人もいれば、引っ越してきたとたんにまた出て行ってしまう住人もいたのですが。なんとなく現実を映しているようでおもしろいです。

 また誰か引っ越してこないかな。

 ……もしかしたらフォックスやファルコ、スリッピーなんかが引っ越してこないかな?
 ……ないよね。そんな事。いくらどうぶつ繋がりといっても。

「ファルコとの出会い」その34

2010年03月08日 19時54分13秒 | 小説『ファルコとの出会い』

「なにって……ベノム行きは極秘だったから……」
「そうじゃない。そのあと」
「80年ローンも残っておるし……」
「ハチじゅうネンんんんん??? 八十年もローンがあるだってええええ!?」
 あんぐり口を開けたまま固まってしまったフォックスを見て、ペッピーはあたふたした。
「し、知らんかったのか? ジェームズから聞いていなかったのか?」
「ローンを組んだとは知っていたが、80年だなんて聞いていないぞ」
「ワシャてっきり、知ってるとばかり」
「待ってくれ……それじゃオレは、94歳になるまでずっとローンを払い続けなけりゃならないのか?」
 げんなりした気持ちを極力隠そうとする、なんとも言えない表情をフォックスは浮かべた。それを見たペッピーは慌ててかぶりを振る。
「いやいやいや! そんなことはないぞ。グレートフォックスを新造してから、もう10年以上は経っているからな。その10年のあいだ、ピグマはともかく、ワシとジェームズとでやりくりしながら繰り上げ返済をすすめてきたんだ。80年ってな長期間にしたのは、支払いを無理なく進めるためさ。遊撃隊の仕事が、いつもいつも途切れることなく入るとは限らんからな。そうさな、もう20年分くらいは片付いているはずだ」
「それでも、74歳までかかるじゃないか……」
「んぐっ。あっぐ。ふぉ、フォックス、その、あの」
「ペッピー。父さんもだが……一体何歳まで、現役で飛び続けるつもりだったんだ? これじゃあ、寿命いっぱいまで飛び続けたって、完済できるかどうか怪しいもんじゃないか」
「その……ワシらだって、自分たちだけで完済できるとは思っておらんかった。遊撃隊の仕事を続けるうちに、スターフォックスの後継者となる人材を見つけ出して、次々に代替わりしながら返済してゆけばよいと思っておったんじゃ」
「そうか……。それで、見つかったのか? 後継者ってやつは」
 ペッピーは喉にものが詰まったような情けない顔をしてうつむいた。そして、右手の人差し指をそろそろと伸ばして、フォックスのほうへと向けた。
「なるほどな……」
 椅子から滑り落ちて床に横たわってしまいそうになる自分の体を、フォックスは背もたれにしがみついてやっとのことで支えた。その脳裏では、広い野っぱらの真ん中で、草木のあいだに作った穴ぐらに潜んだ二人の少年が、なにごとかをささやき交わしていた。
――ペッピー、ここは俺たちだけの秘密基地だ。カーチャン達には内緒だぞ――。
――わかってるさ、ジェームズ。誰にも言いやしないって――。

恐怖の80年ローン

2010年03月07日 01時42分59秒 | 日々のつぶやき
 あぁついに80年ローンが出てきてしまった。
 むちゃくちゃだぜ、80年なんて……(笑)
 ジェームズが20歳のときにグレートフォックスを新造したとしても、100歳までかかるじゃないか……。アンタいつまでパイロットやるつもりなんだよと。
 それとも最初から息子をあてにしていたとか? まだ10歳にもなっていない息子を? 考えられないな。

 この問題に触れずに先へ進めたら、私も嬉しいしフォックス達も嬉しいと思うのだが。しかし触れないわけにもいかない。なぜって、そのほうがおもしろそうだから……。

「ファルコとの出会い」その33

2010年03月05日 21時51分16秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 再び溢れてきた涙をチリ紙でぬぐいながら、ペッピーは思った。
(卑怯なのは、ワシのほうだ。ここでこうして待っていても、また飛べるようになるきっかけが向こうからやってくるはずはないのに。世界に出てゆくきっかけは、自分が切り込んで作るよりほかないことくらい、知っていたのに、ワシは何もできなかった。ビビアンに、フォックス。自分が守っていると思っていた者たちに助けられなければ、動くこともできなかった。感謝するよ。本当に)
「フォックス」
 ペッピーは顔を上げ、涙に濡れた瞳でフォックスを見た。
「あ……ありがとう」
 上ずった声でそれだけ言うのが精一杯だった。
「いいんだ。礼なんか」
 照れくさそうに視線を泳がせる。
「ペッピー、改めて聞くけど……俺たちを助けてくれるかい? スターフォックスの一員として」
「ああ。喜んで、そうさせてもらうよ」

「そうだ。そうとなれば、ドックで眠っているグレートフォックスと、ナウスのやつも起こしてやらなくては」
「グレートフォックスか。言われてみれば、忘れていたよ」
「ああ。ベノム行きは極秘の作戦だったからな。あの母艦で乗り込むというわけにはいかなかったんだ。80年ローンも片付けなきゃならんし、忙しくなるぞ」
「ちょっと待て。……今、なんて言った?」

「ファルコとの出会い」その32

2010年03月03日 13時15分03秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 ぐぅ……という音が、ペッピーの喉からしぼり出された。体は小刻みに震え、目に涙がたまり、体毛の先に水滴をつくった。
「ま、ま、まったく……」
 口を開くと同時に、瞳からは涙のしずくがあふれ出た。
「まったく、『頑強のウサギ』と呼ばれたこのワシが、自分の子供と同じくらいの若者の言葉に、ぼろぼろ泣かされておる……カッコにならんな、これじゃあ……」
「そうだ。カッコつけるな。自分が何をしたいのか言ってみなよ」
「もう一度、飛びたいんだ」
「うん」
「だが、恐ろしい。恐ろしくてたまらない」
「闘うんだよ、ペッピー。何だ、たった一度、地上に舞い戻っただけで、それだけでもう二度と飛べなくなるような弱い男なのか、ペッピー・ヘアは?」
「違う。そんなはずはない。そうではないと、信じたい」
「なら、諦めるな。自分の感覚を信じるんだよ」
「……わかった……わかったよ……」
 枕元のサイドテーブルからチリ紙をつかみとると、ペッピーは盛大に洟をかんだ。
「……卑怯だぞ、フォックス。ジェームズの言葉を借りるなんて」
 フォックスはニヤリと笑みを浮かべ、鼻の下をこすった。
「ペッピー。君は、たとえ自分が死んでも、父さんの中に自分が生き続ければいいと言ったけど。父さんだって、それは同じだったと思うぜ。ジェームズ・マクラウドは、ペッピー・ヘアの中でいまも生き続けているんだ。父さんの言葉が君の心に響いたのが、その証拠さ」

「ファルコとの出会い」その31

2010年03月03日 12時28分09秒 | 小説『ファルコとの出会い』

「ワシは……ワシが、ジェームズを見殺しにしたんだ。もうワシには、飛ぶ資格なぞないんだ。この上、お前さんまで失うようなことがあったら……ワシはジェームズに、何と言って詫びればいいのかわからない」
「ペッピー。俺は死なないよ」
「死ぬ前には、みなそう言うんじゃ」
「そうかもしれないな。けれど死ぬことくらいは覚悟しているのが、軍人としても、遊撃隊員としても当たり前、じゃないのか?」
「よせ。死を覚悟しているのと、死に急ぐこととは違う。命を粗末にするな」
「命を粗末に、か……」
 乗り出していた身を引くと、思案するように言葉を選びながら、フォックスは言った。
「命を粗末にするなと、ペッピーは言う……けれどどんな命にも、いつかは終わりが訪れるんだ……なんのために生きているのか、なんのために生まれてきたのか。一体なんのために? 俺にだって、わからない。自分の命を活かす道を、俺はまだ見つけていない……死に急ぐことが俺の道だとは思わない。けれど、どうせ限りのある命なら、闘いたい。この世界のなかで意義ある何かを見つけて、それに俺の命を捧げたいんだ。……ペッピー」
 フォックスは再びペッピーの横顔を見据えた。
「ペッピー……命を粗末にするなと君は俺に言うが……君は、どうなんだ? せっかく助かった命をどう使っていいかもわからず、ベッドの上でただ残された時を過ごす……これは、命を粗末にしていることにはならないのか?」

「ファルコとの出会い」その30

2010年03月03日 11時40分14秒 | 小説『ファルコとの出会い』

「だって、そうじゃろう。ジェームズは死に、ピグマは裏切りおった。残ったワシはこの有様だ。とても、遊撃隊はつづけられん」
「俺が続けるさ」
「なに?」
「父さんの跡を、俺が引き継ぐ。俺がスターフォックスのリーダーになるよ」
「無茶を言うな。たった一人でこなせるほど、遊撃隊の任務は甘くない」
「一人じゃないさ……もう一人、アテがある。アカデミーの同期で、スリッピーっていうやつだけどね」
「それでも、たったふたりだ。実戦の経験もない二人が集まったところで、何ができる?」
「もちろん、俺たちだけじゃ無理だ。ペッピー、君が助けてくれなければね」
「やめろ、フォックス。どだい無理な話だ。ワシはやらない。……やらないぞ」

「……それじゃあ、ペッピーは、ずっとこのベッドの上にいるつもりなのか? もう二度と、空へは戻らないのかい?」
「……」
「命の使い道を見失ったと言ったよな。なぜ生き残ったのかわからないと。それなら、俺たちを助けるために生き残ったと思ってくれないか。ペッピーの命を、スターフォックスのために使ってくれ」
「……やめてくれ」
 弱弱しく声を絞り出すと、ペッピーは天を仰いだ。
「やめてくれ……もう、ワシを苦しめないでくれ」
「苦しいのか、ペッピー。でも君を苦しめているのは俺じゃない。君の中にある恐れだ」
 ペッピーの横顔が、ハッとしたようにこわばった。そのヒゲが細かく震えている。
「ペッピー、君は、俺が死ぬのが怖いんだ。自分がスターフォックスに戻れば、また仲間の死に立ち会わなくてはいけなくなるかもしれない。その時に自分が何もできなかったらと思うと、怖くて飛び立てないんだ。そうだろう?」