俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

「ファルコとの出会い」その44

2011年03月31日 09時17分22秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 ――いつの日か。きっとまた会える。
 そう思えて仕方がなかった。ただそう思いたいだけなのかもしれない。しかし、現実から目を背けているという気は、なぜかしなかった。
 ジェームズはいまも、かがやく千億の星のあいだを旅しているのだから。いつの日かかならず会える、飛び続けている限り――。
 星の海がかなでる波音を聞きながら、フォックスは眠りへと落ちていった。

 翌朝。
 身支度をととのえたフォックスを、ペッピーとビビアンのふたりが戸口に立って見送った。
「フォックス。お前さんにはずいぶん世話をかけてしまったな。準備を整えたら、ワシもすぐにコーネリアへ向かう。グレートフォックスのことは、くれぐれもよろしく頼む」
「この人ったら、自分たちの船が今になって心配になったらしいわ。全くもう」
 ビビアンがフォックスに歩み寄り、右手を差し出す。
「フォックス・マクラウド。うちの夫をお願いするわ」
「おいおい…握手なら、ワシが先だろう?」
 慌てた様子で、ペッピーもその手を伸ばす。
 差し出されたふたつの右手を見、フォックスは苦笑した。どうしたものかと思ったが、結局、二人の手を自分の両の掌でまとめて掴むと、力を込めて握りしめた。
「こちらこそ、宜しく頼む。どうか、オレに力を貸してくれ」
「「もちろん!!」」
 夫婦の返事が重なって、三人は顔を見合わせると、声をあげて笑った。


「ファルコとの出会い」その43

2011年03月23日 02時03分03秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 3人の会話は夜更けまで続いた。
 宇宙のこと、母なる星とそこを飛び出した開拓者たちのこと。
 りょうけん座の1等星が東の空に輝くころ、ビビアンが言った。
「ジェームズとも、こうしてよく3人で夜更かしをしたものだったわ。ジェームズは必ず、そこのソファの上で毛布にくるまって、いちばんに鼾をかきだすの。けれど、次の日の朝には誰よりも早く起き出していたわね。……そうね、フォックス、あなたも今日はもう休んだほうがいいわ。そこのソファでね」
 寝床についたあとも、フォックスは両目をあけて窓の外の星明りをただ見つめていた。
 寝付けないのは、慣れないソファと、毛布にうすく香る父親の匂いのせいばかりではなかった。ペッピーが話してくれた、遊撃隊結成以前の父のこと、スターフォックスとしての知られざる活躍のこと。ビビアンが熱っぽく語った、宇宙生成のこと、アニマノイドの起源のこと。それらがないまぜになり、渦をえがく銀河となって、フォックスの脳裏に去来した。ペッピーとジェームズが出会い、そして別れるまでの十数年間が、また、宇宙が誕生し、銀河のどこかに集族した微細な塵とガスの雲が恒星ライラットをなすまでの気の遠くなるような数十億年が、フォックスの体の中を駆け抜けていった。
 太陽をめぐる星の上に、なんのはずみか生まれた生命が、次の世代へと命を受け渡し、さらに次世代へと命の連鎖は続いてゆく。その鎖の一端が、やがてこの自分の体へと譲り渡されたのだ。
 フォックスの心は無限に伸縮して、創世記の宇宙から、父の生きた時間までを自在に感じ取った。体はその場にありながら、意識は時空間を光の速さで闊歩した。胸のうちで脈打つ鼓動は、星の呼吸のように思われた。
 ――父さんは、星になったんだ。
 突然に浮かんだその言葉を、フォックスは意識のなかで繰り返した。
 父は星になった。それも、真空の闇のなかで青白く明滅する時の止まった星ではなく、広大無辺の宇宙を、光の尾を引きながら自由に旅する黄金色の星に。 

日本が大変なことに

2011年03月13日 12時08分37秒 | 日々のつぶやき
 100年に一度の地震と津波。新聞を見たら『東日本大震災』とありました。

 破壊された街や、水に押し流される自動車を報道で眼にして、ただ恐れおののいています。
 私は西日本に住んでいるので直接の被害は受けていません。

 被災された方々の安全と安心が取り戻されることを願っています。

 少ないですが義援金を送りました。
 ・・・手数料をかけずに義援金を送れる方法は無いですかね。手数料のぶんも被災地に届けられたら効率的なのに。

 ・・・今回はたまたま被害のない地方に住んでいたから助かりましたが、これから先、地震大国日本でいつ被害にあうかわからない。
 少しでも被害を抑えられるよう備えておきたいです。
 街を飲み込むほどの津波では防ぎようがないかもしれないけど、震度5、6程度ならば、家具の固定などである程度防げるはず。
 阪神大震災のときも、なくなられた方の死因で最も多いのは、たしか圧死でした。
 寝ているところに、タンスなんかが倒れてきて押しつぶされる。
 ホームセンターで家具固定用の器具を買ってきて設置すれば防げます。

 自然はヒトに対して容赦がない。自然の猛威の前に、ヒトは余りにも小さい。
 しかしそれでも闘わねばならない。

 自宅では、一部の本棚や食器棚はすでに固定してありますが、残りの本棚、冷蔵庫の固定がまだです。
 早めに固定を済ませたい。

 被災されたかたも、そうでないかたも・・どうかご自分の心身、家族、財産を守ってください。