一顆明珠~住職の記録~

尽十方世界一顆明珠。日々これ修行です。いち住職の気ままなブログ。ときどき真面目です。

映画『禅ZEN』鑑賞&中華街ディナー

2009年02月01日 | 映画
今日は珍しく法事もなかったので、午前中は読書をして過ごす。
高尾利数『イエスとは誰か』を読了。
久しぶりにガツンとくる宗教書だった。

午後は、遅ればせながら映画『禅ZEN』を観に横浜ムービルへ。

内容は、一言、素晴らしかった・・・
よくぞここまで作ったと感服せずにはいられない。
清冽な道元禅師の生涯が見事なまでに描かれていたと言っていいと思う。
正直、観る前はあまり期待していなかった。
私たち関係者側(曹洞宗の坊さん側)からみたら、道元禅師に対する思い入れが強い分、いちいち違和感を感じたり、納得できなかったりするんではないかという懸念があったのだ。
あたかも三国志ファンがレッドクリフを酷評するかのように・・・。

それがどうだ・・・。
映画が始まってしばらくしたら涙があふれて止まらない・・・。
そこに・・・私のすぐ目の前に、道元禅師が生き生きと動き、笑い、泣き、叱咤し、説法し、只管打坐しているのだ。
すべては、中村勘太郎。
彼の素晴らしい演技に尽きる・・・。
この人にしか道元禅師は演じられないだろう。
本当にすごい役者である。
若さゆえの軽やかさはあるものの、道元禅師の発する清冽な気を見事に体現していた。
また、彼の演技によって道元禅師の慈悲深い一面を再発見したような気にすらなった。
彼の演じる道元禅師からは、清らかでどこかはかなげで、だが強靭な精神に裏付けられた慈悲深さが感じられた。

また、作品の半分近くを占める宋国(中国)での修行時代の場面でも、全ての台詞を中国語で通していたのにはただ脱帽。
ネイティブのような発音とはいかないまでも、そうとう努力をした跡が感じられた(この映画を観た台湾朋友も言っていたから確かだろう)。
プロの役者、しかも一流の役者というやつは、やることが半端じゃない。

ほかの出演者は、内田有紀はなかなか好演していたかな。
あと、老典座を演じたベテラン役者(名前忘れた)はいい味出してたし、道元禅師を慕って中国からきた寂円禅師役の俳優テイ某氏、北条時頼役の藤原竜也くん(それにしても彼って狂気の役が多くない?)も頑張っていたと思うのだが・・・。
ダメだしをすれば、個人的に、道元禅師の次に思い入れのある二祖懐弉禅師役の村上敦とかいうモデル上がりの俳優さんの演技が痛かった・・・。
滑舌が悪すぎ、演技も微妙・・・。
彼だけがミスキャストだと思う。
あと俊了さんとかいう、架空の坊さんも演技がイマイチかな・・・。
我愛你の発音が痛かった(泣
短いんだから完璧にせえや!

風景描写も雄大かつ神秘的で高橋伴明監督の力量を随所に感じることができた。間違いなく、日本を代表する仏教映画となったであろう。
この監督のほかの作品も観たくなった。

ただどうしても…やはり在家の方(一般の方)にとって、禅語は難解だし専門用語も多い、また道元禅師の生涯をまったく知らない人にとっては、エピソードの一つ一つがチンプンカンプンだったかもしれない。
映画の時間の制約上、これは仕方のないことなのだが、あとは書籍なりで理解を補っていただくしかない。
それでも、禅の精神を少しでも分かりやすく伝えようという工夫が、台詞の随所にあり、「禅」を少しでも「感じて」もらえたらと思う。

映画を観ている最中は完全に勘太郎道元に感情移入してしまってずっと泣き通し・・・ってどこまで泣くんじゃい!
つくづく一人で行ってよかったと思う^^;

なんであそこまで泣いたのだろう・・・
道元禅師への思いが溢れてしまったのはもとより、わが身の不甲斐なさ、道元禅師を多くの人に知ってもらえることの嬉しさ、勘太郎さん、監督、製作に携わったすべての人たちへの感謝、自分が曹洞宗侶であることの喜び・・・そうしたいろんな気持ちがない交ぜになったから。

そして観終わって最後に思ったのは、

もっと坐ろう、ということ。

映画が終わり目を腫らして、次に向かったのは、横浜中華街。

今日はマイミクのカズーノフさんの幹事でカラオケオフ、引き続き中華街でフカひれディナーということで、私だけディナーからの途中参加。ボリュームもあったし美味しかった~
しかも飲み放題であの値段は安いでしょう♪
ほぼ一人で紹興酒飲みまくり^^ をい
みんなとは、おもに中カラネタで盛り上がった^^
あ、恋バナは出なかったな下ネタも^^爆
途中参加なのに温かく接してくれたみんなに謝謝。
今度は勇気を出してカラオケにも参戦しよっ!


以上はmixiの日記に載せた文章を抜粋したものです。

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