日経ビジネスに、コールドジャパンという記事があり、日本企業の海外での苦戦状況というか、引きこもり状態に活をいれようとする内容になっています。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20091113/209750/?P=1
この記事では、引きこもり企業の定義として以下の4つをあげています。
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日本国内で独自の付加価値と進化を遂げており、大きな市場を形成している。 |
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世界に羽ばたく可能性がある。 |
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にもかかわらず、世界でビジネスを確立できていない。 |
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にもかかわらず、「それで良い」と諦めている。 |
記事とは順番が違いますが、世界で活躍している日本企業として、自動車と家電業界が上げられており、各社の世界での売上は以下のようになっているそうです。
ヨーロッパでは日本の自動車メーカーのシェアは5%程度しかないとだいぶ前の数字を記憶していたのですが、その後の欧州進出を受けて相当に成長しているんですね。自動車と家電を分ける、西欧と東欧を分けるなど、より細かく見ていく必要はありますが、全世界売上の30%が欧州から。その他16.1%はアジアが結構占めているはずですから(オーストラリアとかも大きいかもしれませんが)、中国と合わせれば20%がアジアから、アメリカむけと中国向けも大差無い。
凄いですね。本当に。自動車や電気関連の部品メーカーも当然この数字か、もしかしたら海外メーカーに部品供給をしているのでこれ以上に海外売上比率が高いのでは無いでしょうか。
記事の中でキリンとサントリーが取り上げられており、両者の海外売上は20%程度でしかないが、それでも海外進出に積極的に出ている企業として紹介されています。そして、その内容に関連して世界のビール市場が掲載されていますが、下記のとおりビールでは日本市場は世界のわずか4%にすぎない。人口の多さもあるが中国がなんと22%。
商品の価格帯を考えると一概に言えませんが世界人口は68億人だそうで、日本の人口は2%に過ぎません。可処分所得水準で見た場合の、日本の平均レベルの世界人口はどのくらいいますかね?10%程度としても7億人程度。日本は15%程度か。。まぁ、GDPもそんなものでしたっけ?
ってことは、海外に出ないということは市場の85%をロスしているともいえるんですよね。もちろん、各国で文化やテイストが違うのでそのままの数字を使うわけには行きませんが、自動車や家電は世界売上の中で日本の売上がわずか22%程度ですから、同じことが他の業界でできないわけ無いんです
(あくまでもメーカーです。卸と小売はそう単純にいかないでしょうね。もちろん日本企業に付随するサービス産業も日本メーカーの海外進出次第にかなり限定されるように思いますけど)。
最後にコンテンツ市場ですが、ハリーポッターが取り上げられています。日本のアニメが苦戦しているという例で紹介されていますが、世界のコンテンツ市場の目安として、下を見る限り、90%が先進国からのものですね。
中国が出ていませんが、その他に含まれますけど、結局の処海賊版の影響です。中国でも3Gの導入に伴い、日本の携帯ビジネスの進出が望まれていますし、JETROも日本のコンテンツの販売を促進するような活動をしています。
でも、はっきりいいましょう。上の表にある韓国。中華圏の台湾と香港に実際にいってみるとすぐにわかります。経済的には既に先進国の一角を占めるはずの台湾や香港でも、裏に行けば海賊版DVDやソフトは山ほど売られています。中国政府の表面的な海賊版取締りの動きや、中国政府に対する圧力などを取りざたするメディアの報道もありますが、私見として後100年くらいは今と似たような状況が続くんじゃないだろうか。徐々に改善するにしろ、海賊版問題の解決は中華系では当面は不可能ではないか。
2003年当時、レコード会社のアジアの売上の90%以上が日本でした。GDPを考えると日本の占める割合が異常に高い分野ですし、今でも大きくは変わらないでしょう。
コンテンツを販売する関連のビジネスの海外進出は、上記のチャートが非常に参考になるはずで、BRICSならロシアブラジルなんだろうと思います。
中国に投資するのは時間とお金の無駄でしょう。中国ではコンテンツそのものではなく、関連したものの販売等を考える必要があるはずです。