日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

越境EC直近報告

2016-04-17 | 中国経済関連
越境ECについて。。

 4/8の新税制についてだいぶ混乱が生じているのだけど、日本企業も結構痛い目みたのかな?

 現状としては広州保税区について、以前は一日2万件の発送があったが、今は一日200-300件に激減している。

 保税区にすでに在庫としてあった、リスト外の商品、化粧品や保健品がおおかただろうが、中国系は税制改正前にほぼすべて出荷して倉庫を空にしたそうだ。まぁ色々な手はあるからね。

 で今後については、日用品関係は保税区ではなく一般貿易に移る。化粧品や保健品は香港経由などの昔からの水貨=密輸に戻る。結局そうなる事になりそうだ。まぁ最も政府がまた見直しをするだろうとみているけど。

 まぁ政府側曰く、越境ECで2兆円ほどの輸入がありながら税収は2千億円にみたなかった。あまりにも一般貿易との価格差があり収税の支店でも不公平に過ぎるからそれを是正したと言う事だが、まぁ当然と言えば当然か。正直越境ECにより自由貿易を進める一歩かなともおもっていたんだが、最初からその気がなかったのか、国家財政が厳しくてそんなこと言ってられなくなったのか、どっちかはわからない。

 一つだけ面白そうなのは、越境EC体験館というのが重慶保税区にはあり、解放碑に実店舗として物を見ながら帰る場があるのだけど、広州も同じスキームを使って実店舗を開設する。重慶モデルという言葉が使われている。上海も自由貿易区内に類似はあるがそれは商品を展示して、ネットで買う仕組み。重慶は越境ECで買うより5%くらい高かったと記憶しているが、実店舗購入と同じ形態で物が買える。商品展示場に出す段階で、買い手不明だけど課税して出荷しているそうだ。上海でもその形態の店のライセンス付与が開始されており、市内に幾つかできるので、そうなると一般貿易の商品に対して価格優位を保ったまま実店舗で購入できることになるのかもしれない。もちろん商材によるけどね。単純に税率だけ見ると5%程度の価格差しか出ないかもしれないけど。

 一番痛いのは越境EC企業の内、保税区内に倉庫を購入したところ。これは大半中国企業だが、寧波とかでも300万元とかそれ以上で倉庫スペースを購入したが、ガラクタになってしまった。どうけつをふくのかな?まぁこの辺は自己資金というより投資家の資金を使っているケースが多いからあぶく銭が政府にとられたというべきか。

 化粧品は今は認可に2万元、半年かかるんですね。前よりも高いのかな?聚美とかある程度商品絞るだろうが、ライセンスとってくのかな?

 やばいのは越境専業。

 京東網は以前から僕らも取引をさせていただいたのだが、ここの所切れている。昨年9月から取引舌先が急成長し、ほぼそこで手いっぱいだったことが主因なんだけど、最近取引は無い。でもその先が3月にトラブル起こして売り上げ激減、実は倉庫に在庫が結構山積みになっている。で、京東などとの取引再開を提案しようと思ってたら別なところから聞いた。今京東の決済は90日後。。最初は1月、昨年確か45日にしたのがいつの間にかもっと伸びたらしい。値段の要求は当然にきつい。。手さ、資金繰りやばいんじゃない?当然だよな、昨年も1千億円近い赤字だからね。

 で蜜牙宝貝という越境専業が居て、起業したらすぐに100億円投資を受け、花王のおむつの大量安売りをしていた会社がある。正直花王のおむつ卸売りを積極的にやっていた嫁にとっては迷惑な先。ただ、Jumeiとの価格銭で負け気味で、昨年夏の段階でここはやばいんじゃないのと話していた。ところが、秋に百度がまた100億近く投資をするという報道を受け、驚いた。今でもその先は日本のおむつをコンテナ70本買いたいというのだが、決済はやはり90日後、で価格は滅茶苦茶安い。だから取引するの馬鹿らしいという話だった。まぁ京東はでかすぎるし、アメリカに上場しているので何とかなるだろうが、蜜牙はもうだめだなという見方で一致した。

 それほどほかの企業を知っているわけじゃないが、中国企業は(これ日本のITにもよくみられるけど)、投資もらったらガンガンに金を使って投資をしていくので、他の越境専業もどこもかなり苦しくなったんじゃないのかな? 
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