日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

日本の携帯電話企業の将来は?

2009-11-28 | 中国企業の動向
 Tsoi Chun Bunは数年前にポテトチップを作っていたが、居間でで年間数百万台の携帯電話を設計販売している。こういう一夜にして巨万の富を築いた若い若い企業家はシンセンには山ほどいて、ゴールドラッシュのような状況になっている。今年世界で販売される携帯電話11億台のうち3分の一は中国で製造されている。

 30年までに改革開放により発展した、シンセンは今では携帯電話製造の集積地になっている。数え切れなないほどのパーツの供給業者や小さな設計会社があり、中国だけでなくインドからブラジルまで販売している。これらのシンセンの携帯電話メーカーがアップルに対抗できるかは疑問が残るが、少なくとも開発途上国市場では優位性を持っている。そして、今後市場が拡大するのは数十億人を抱える開発途上国の消費者たちで、2013年には全体の6割を占めると見られている。彼らの製品は今では9千円で販売されている。

 携帯電話は同じチップセットで作られ、一つの携帯電話に2つのSIMカードが使えるようになる等、デザインやコンセプトの違いで競争がおき、それは益々激しくなっている。大企業が新製品を開発するのに9ヶ月かかるのに対し、彼らは4ヶ月で新製品を出していく。かってiPhoneやRazarsの偽者を製造していた連中も、今ではオリジナルデザインの物を開発して販売している。市場の反応を見極める速度は非常に速く、トレンドをおっていく。

 中国王という会社では、毎年50の新機種を開発し、プロジェクターとして使う事のできる携帯電話まで開発した。中国では携帯電話は2ヶ月使うと買い換えてしまう。携帯電話はファッションのようなもので、それがイノベーションを生む。余りにも激しい競争は、品質の向上ももたらしている。ノキア等の企業とは、未だに質の差があることを否めないが、今ではそのさも大分狭まり、顧客の購買行動に大きな影響を与えないレベルまで進歩した。

 同時に、Google Androidはライセンスを必要としないため、中国製の携帯電話の促進に繋がると見られている。

 一方、中国の携帯メーカーはまだ山塞(偽者)や海賊版の水準であり、低付加価値品に留まっている。夫々の電話から獲得する利益は薄く、低コストオペレーションモデルに過ぎないとの声も有る。

 それに対し「僕らにはスピードがある。僕らは直ぐに改革できる」とTsoiは答える。
http://www.mercurynews.com/breaking-news/ci_13670863

 中国に進出した日本の携帯電話メーカーは、こぞって撤退して今ではシャープが頑張っているだけです。その他のメーカーも中国への再進出を考えていると聞きますが、中国国内の携帯電話市場についての記事がありました。

 中国で現在成功している多くの企業が、実は最初は偽者製造から始まり、その後オリジナル品を開発するようになり(程度問題はありますが)、勝ち残ったといわれています。

 携帯電話もそうですが、この国ではあらゆる分野で競争が激しく、全ての企業活動にスピードが要求されます。それは、僕らのEC(タオバオレベルでさえ)でも同じ事で、とっても日本的な感覚では対応できません。

 上記の記事を見た人はどう思うか解りませんが、日本の携帯電話メーカーは、ノキア、モトローラ、サムソン等の海外大企業との競争に加え、中国のこれら中小メーカーから突き上げられることになります。

 おそらく。。。日本市場以外では勝てないのではないでしょうか。

 中国のこれ等のメーカーは、結局の所台湾企業がチップセットを供給するようになり、携帯電話機そのものの技術がコモデティ化した事にあります。日本製の携帯電話は水の中に落としても、直ぐに引き上げればまた使える。中国製は一発でアウトという事で品質の差は明らかに日本企業が優位なのですが、中国人の数ヶ月単位で新しい携帯を買うというのは早すぎるにせよ、日本人でも多くの若い携帯ユーザーは1年程度で買い換えるのを希望する筈です。

 そうすると、ニッチの高額品以外は厳しいですよね、きっと。中国の低価格低品質には日本企業は対抗できると思います。でも、競争の緩さ(中にいる人は全然緩いと思っていないのですが)からくるスピード感の無さは、今後多くの日本企業にとって致命的になるでしょう。
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