日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

福島レベル7と中国でも新聞1面に

2011-04-13 | 日本・日系企業
 まぁ日本食品関係の中国での商売は、皆福島原発の影響を受けているはずですが、チェルノブイリ並みとなると、風評?被害の影響は長引きそうですね。

 さて、一部では日本の粉ミルクを売って偉く設けているとか思われている私達ですが(売上ほどに利益はありません、客も競合が中国人ですから)、別に粉ミルクだけじゃなく、基本ベビー関連消耗品の内、アパレルや靴、玩具以外を手広く扱っています。でもまぁ、中国のベビー支出の半分くらいが粉ミルクということもあり(平均所得そのものはまだまだ日本より低いですから、必需品の閉める比率が高くなるのは、ちゃんと考えれば当たり前ですね)、メディアがどう書こうが気にしていませんでした。


 しかし。。


 地震直後の1週間は、地震の影響で日本のベビー用品が不足するという理由で、アイテムにより異なるのですが、平均2ヶ月荷っている在庫がかなり売り切れました。

 その後は福島の流れが悪いことから、ニーズは明らかに減っています。


 どのお客さんも、食品か否かもかかわらず「地震前の物かどうか?」と確認してきます。

 まぁ、地震の後は東北へ救援物資が流れている関係で日本から仕入れもできていませんので、別に嘘ではなく、地震前の物だから安心ですよ、という対応をしています。競合サイトはトップページに「うちの商品は全部地震前の物よ」と書いていますね。


 で、最近なんですが、金額ではありませんが一日の出荷量は60-70程度と、従前に比べると半分から3分の2に落ちています。

 でも、昨年の口蹄疫ので一時日本の粉ミルクの輸入禁止と、需要減がおきたことから、欧米等の商品を扱い始めて売上の25-30%になっていたんですね(ベビーだけじゃないのでシーズナリティとかあるんですけど)。


 てことは、単純に考えると日本商品は4分の1になってしまったって云う所です。


 実際には、価格設定の問題や、競合の動きを見ないといけないんですけど、地震前後に調度手配した商品が2コンテナ入ってきており(放射能検査のせいか、最後のは遅れに遅れようやく今日倉庫に入荷しました)、競合大手は既に商品が売り切れている所もあることを考えると、実際には市場では4分の1以下になっている可能性が高いと思います。


 心配性の僕が、早いとこ欧米系で商品見つけないといかんというのに対し、嫁は


 「原発が落ち着いたら、中国人は直ぐ忘れちゃうから平気よ。メラミンの時もそうだったじゃない」


 と結構強気だったんです。僕も手が使えず、力仕事もできず、ただ飯ぐらい状態が続いている割りに、行動にも出れないのでのんびりしていたんですが。。


 ちとやばいですね。


 さてさて、東電の補償が10兆円とかそれを超えるとか言われていますが、それって福島県の非難をよぎされなくなった人たちへの補償だけじゃないかな。あまり表立っていないとはいえ、食品では乳業メーカーでも年間100億円近い損害が発生するかもしれないし、海産物関連はその3倍近く。しかも海産物に関しては、唯でさえ生産機能がかなり崩壊しており復興するにも数年はかかる。ところが、実際に何処までの影響があろうが放射能流さざるを得なかった事による影響は、セシウムの半減期が30年もあるなら復興後にすら海外輸出は難しくなるかもしれない。体に影響ないとかって言っても通じないよなぁ。。


 身の回りの数少ない範囲で之だけ影響あるんだからな。


 一つはっきりいえるのは。


 日本からの輸出、メイドインジャパン神話に関して終止符が打たれたんじゃないだろうか?(工業用品とかはまた違うと思いますけど)。


 元々中国市場に関しては、稼ぐならメイドインジャパンよりメイドバイジャパンの方が良い。メイドインジャパンの輸出は、あくまでも過渡期として考えるべき、と主張していましたが、嫌でもそうなりそうですね。(まぁ、日本製を好む理由は、日本企業は最も良い製品は日本市場で販売し中国市場では2救貧を売るというイメージがある。日本製は安全、安心、日本企業でも工場が中国にあると中国人従業員が悪さをして変な物を入れるかもしれない。等中国独特の、あまり論理的とはいえないけど、住めばまぁ理解できる変な考え方があるんです)。


 だってなぁ。。メイドインジャパン=放射能ですもん。。


 まだまだ多くの企業が地震の対応で追われている状態で、早すぎるかもしれませんが、日本企業の多くに見られる、日本にいながら海外で稼ぎたいという、少し甘いだろうという考え方は、今後一切通じなくなる時代になってしまったかな。一方海外で生産拠点作るかって話になると、少なくとも数千万円の投資は必要。てことは中小零細企業では簡単にはできないし、とても片手間では無理。


 にしても、今回の発表に対する海外の報道見て。。「ほらみろ日本、俺の言ったとうりだろう」って感じですね。

 でも、地震から1週間したあたりでドイツが出している放射能汚染の予測図とか、フランスの指摘とか、結局全部その通りになっているわけで、一体日本政府って何やっているんだろう。自民党なら少しはましだったのか、結局大差なかった気もするし。政府は少し中国ににてきていますね。一方で、やたら明るい絵を見て利権のある復興がらみばかりは色々動いているみたいだし。東北太平洋沿岸部の復興なんて、神戸に比べれば遥かに難しいし、民間的な投資価値という意味では、精査すれば本来は捨てるべき町とかもでてくるだろうに。まぁ、営利で行政はできないでしょうが。



 なんかもう、いよいよ独立国としての機能がないんですね。レベル6と7は、もれた放射能の量で決まるみたいですけど、アメリカに言われて7にしたのかな?原発対応も、真水にするタイミングとか、窒素注入とか、自分で決めれずにアメリカやフランスの意見に従ってやっているように報道では受け取れますし。


 いっそ本気でアメリカの州になった方が良いのかも。今の日本を向こうが欲しいというかどうかはしりませんが。


 外資ファンドに買収されて経営再建がようやくできた日本企業の姿と、今の自分の国がかぶさります。そういや、国家主導の産業再生機構とかは再生するんじゃなくて事業部門の切り売りしかできなかったですもんね。之が我が日本か。。

 戦後の復興期を官僚として生きた親父は、昨年秋に亡くなって良かったんだろうな。
コメント
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