日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

ヤフータオバオはやっぱりすごい。

2010-07-01 | 中国EC事情・淘宝
 ヤフーとタオバオがリンクして1月立ちましたね。日本のサイトから見るとタオバオの出店者の商品の価格が中国国内のタオバオサイトの価格より相当高い。検品に伴う費用が載っているのでやむをえないですが、そこがネックかな。買いたい人は、ヤフーの画面でも売り手が誰か見えるので簡単に調べれますから、安く纏め買いをするなら取引は直接やっちゃえばよいですね。

 中国側から見ると、日本側も同じですが、翻訳は酷い。輸送費が高い、商品が少ないというようなコメントが多く見られます。一方、昨年始まったアリババジャパンの中国輸出サービスが見れるようになりましたので、このサービスへの参加者には大きなメリットがあったと思います。

 さて、中国側の記事を一つご紹介。

 「タオバオヤフーのサービスを見てみたが、中国で販売されていないデジタル製品を多く見る事ができた。その上に、価格も中国国内販売価格よりも安い。
 淘日本(www.taojapan.com)のサイトを見ると、左上からファッション、美容健康、デジタル機器、日用品、ベビーと商品の分類が並んでいる。ノートブックPCだけで2885個出品されており、松下やソニーの中国では販売されていない商品も置いてあった。

 一般に価格も低い。トップぺージには本日の推薦商品としてキャンペーン商品は5個並んでいる。キャノンのデジカメ、ニコンのカメラ、ディオールのバック、SK-2の化粧品などがあった。キャノンのデジカメで言えば、輸送費を加算しても1493元で、国内のB2Cで販売されている価格より安い。中関村(北京)で購入したら1600元暗いだろうし、色の種類はこんなに無い。」

→さてさてどんなものでしょう?

 実はこの記事はBuzzの可能性も結構あります。翻訳と輸送費の高さが目立つんですね。デジタル機器は見ていないので、正確ではないですが。まだまだ課題はたくさんあります。でも、重要なのは、

中国人が始めて認知した日本から中国向けのB2Cサイトであること。

 これものすごく重要ですよね。名前挙げませんが、日本から中国向けのB2Cの商売は色々な企業が展開しています。でもそのサイトに中国人のアクセスを呼び込む段階で大苦戦しています。そして、実はサイトに乗せても対して売れないのに、会社によってはかなりの金額を日本企業から徴収しています。私は日本から中国のB2Cは、物流費、ネットのスピード、コミュニケーションの問題から非常に否定的な意見を述べてきました。

 はい。ヤフータオバオの誕生によって、他の全ての日中B2Cの事業は崩壊してしまったのだと思います。今でも同じような事をはじめようとしている方がいますが、時間の無駄です。

 ヤフータオバオには課題はたくさんあります。でも、初めて中国人の色々な意見が中国のサイトに出てきた。ここが最大のポイントですね。

 そしてヤフータオバイオの課題や限界は、中国国内に来なければ解決できないのです(翻訳やチャット対応などは改善できると思いますけど、コスト考えるとこれも運営は中国国内でやる方がよい)。

 百度楽天の狙いはB2Cですし、中国国内の運営ですので、タオバオに対抗できる場を作るという点で意義と可能性はあります。でも、日本にいながら気軽に中国への物販なんて緩い商売は、一旦タオバオのトップ画面に出るヤフータオバオの出現により、それ以外のサービスはほぼゼロの価値になってしまうでしょう。あ、アリババジャパン方はヤフータオバオと同列とみなしています。

 でも、色々VCが投資したり、いろいろな会社があくせく中国販売にタオバオつかったりサイト作ったりしていますが、そういう無駄な費用をこれからは使わないで済むということは良いことじゃないでしょうか?

 僕らには、テストマーケティングという事でサイトに掲載するサービス展開していますが、これで商品を絞る、在庫を必ず上海に持つ、等数は減りますけどもっと焦点を当てる事ができますので帰ってよかったと思っています。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする