日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

ケンブリッジ大学の服が

2010-03-21 | 中国企業の動向
 中国企業が国内市場において、P&Gやナイキ、ユニリ-バ、コカコ-ラの様な超大手企業にどうやって対抗しているかといえば、中国の企業家たちは中国人にどういうブランドイメ-ジが受けるかを十分に認識しているからだろう。

 最近驚かされたのが、シンセンのショッピングモ-ルで見かけた「ケンブリッジ大学」という名前のブランド服だ。数ヶ月前に中国に出たばかりだが、既に中国国内に10店舗も出ている。

 私自身は彼らの服には何の興味も無いが、驚かされたのは、ケンブリッジ大学自体が彼らの名前を中国企業に使用させるとは思えないにもかかわらず、店舗内にはケンブリッジのエンブレムと共に、正式に大学名の使用許可を受けている旨が掲示されていた事だ。展示されている服も大半はケンブリッジのエンブレムがつけられていました。

 其の店舗は、ケンブリッジ大学創立800周年記念基金より、2009年に大学から初めて許可を得たと記しています。其の上、世界中に展開するとまで。。。もちろん正式なライセンスが無ければ海外進出なんて無理なんですけど。

 但し、もし大学が本当にライセンスを供与したのであれば、もう少しちゃんと管理する必要があるでしょう。展示されている洋服は酷いもので、Tシャツやスウェットシャツの上にエンブレムがつけられており、自分たちだけでデザインした服を置いており、全く大学との関連性は見られない。

 店舗には娯楽的な観点は無く、チャ-ルズ皇太子や、ネルソンマンデラ、リ―首相(SP)等、唯ケンブリッジ卒業生の有名人の名前を掲げているだけでした。

 この店の狙っている顧客は、富裕層に属する中国人のようで、ラルフロ-レンや、ゼグナ、ラコステ、ルイビトンと並んで店舗がありますし、質が悪い割には値段も高く設定しています。多分長くは生き残らないとは思います。http://www.chinafirstcapital.com/blog/archives/1484

 妻が何考えたのか、虹橋にあるパ-クソンというデパ-トの中にある、UCLAというブランドの服を買ってプレゼントしてくれました。ケンブリッジと異なりUCLAの場合は日本でも昔からロゴをつけたスウェットとかがありましたので一概に言えませんが、大学の生協(みたいなのがあるんです)においてあるのとはずいぶん違うようなぁと思っていたんです。これも多分勝手につけたブランドなんでしょうね。

 やっぱ、中国人には先進国に連れて行って色々な経験させないとだめかなぁと思わされています。唯、こういう服だけじゃなくて、良いもの、良いサ-ビスをしらな過ぎるので、変なものがはびこるのじゃないかな。 
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コーセーが上海のTVショッピング開始

2010-03-21 | 日本・日系企業
 化粧品企業で中国で知られているといえば、圧倒的に資生堂。大きく離れて鐘紡とコーセー、日本とは違う形で成功しているファンケル。DHCも一度は失敗したが再起を目指して大きな投資をして活躍中。

 一方ネットや、ドラッグストアでは日本同様、サナやジュジュの商品も昨年あたりから人気を博しています。

 日本の化粧品はアジア人向けということで相応のポテンシャルを持っているはずなのですが、中堅化粧品企業の中国進出は大きく出遅れており、欧米の一流どころどころか、オーストラリアやニュージーランド等のブランドで、日本では全く聞いた事のないものが一流デパートの1階に出展していますから、今から出てきてもかなり苦戦を強いられる事は確実でしょう。但し、全くのニッチの化粧品をテストマーケティングしてみると、広告をしないために数は全く捌けないのですが、意外にもリピート率が非常に高い面もあり、中国市場販売という店では、隠れた可能性を秘めた分野と思っています。

 さて、上海に「東方購物」というテレビショッピング会社があり、中国のTVショッピングではガリバー的な存在の企業があります。他にも国営や湖南テレビなどもショッピング番組を開設していますが、多くのTVショッピングで偽者商品が蔓延していたことから業界イメージが非常に悪く(詐欺師業界という見方が一般的です)、チャネルとしてはまだ問題が残っています。

 さて、しかしこの「東方購物」は比較的有名なブランド商品のみを扱う方針で、BMWを10分でに40台以上販売してとか、実際に見ていても金の延べ棒が、あっという間に販売されていくのを見て脅威を感じる番組です。妻が毎日販売方法の参考に見ているので、ついつい僕も目が行くのですが。

 今日、コーセーがでていたんですけど、初めて出品したと放送されていました。この番組に出る基準は緩くはないのですが、「無名のブランドがこの番組に出た事によりブランドになった」という実例もあり、中国市場マーケティング(特に上海)では絶対に欠かせないツールのはずなんです。

 日本企業ではシャープの液晶テレビ、マツダの車、キャノンのデジカメ等を見た事があるんですが、ようやく日本企業もこういう番組に気づきだしたんでしょうね。資本力があるところは是非試してみる番組です。
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