日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

アメリカのテレビ局の中国進出

2010-03-19 | 中国経済関連
 西洋文化が中国に浸透したのは別に不思議な事ではなく、上海の街中を歩けば女性服のブティックが並び、「ゴシップガール」ののポスターをショ-ウィンドウに見かける事さえある。

 中国国内で放送が限定されているアメリカのテレビ番組が人気があるのは、中国の若い子達はネットで見ているからですが、中国のメディア市場を見るときに、このオンラインの影響の大きさを見誤るケ-スが多数見られます。

 汚い真実ではありますが、こういう実態を見極める事から始める事がアメリカのテレビが中国市場に参入するに当たり必要な事でしょう。ここでは驚く事ではないのですが、全てはネットから始まっています。アメリカで放送された番組は、直ぐにP2Pでネット上手に入れることが出来ます。

驚く事にネットに掲載された直後から、中国の大学生たちは手作業で翻訳を始めます。そして、より中国的に翻訳されるようになります。数時間後には彼らは中国のP2Pのサイトでこの番組は人気を博する事になります。

 中国政府は明確にこういうサイトを閉鎖する方針で、其の意思を公表しています。確かに中国政府はこういうP2Pのサイトを閉鎖していますが、中国には「上に政策あれば下に対策あり」という言葉があり、簡単に無視するわけにはいきません。

 こういう現象は、アメリカのテレビ番組が違法に中国市場に入っているという事なのです。なぜこうなるかといえば、中国の消費者が自国の番組に満足しておらず、国営テレビ局は面白い番組を制作できていません。中国には3500ものテレビ局があり、彼らが豊富なコンテンツを求めていると考えるべきです。一方では、数百万人のネットユ-ザ―が13.5インチのPCの画面で質の悪い海外の映像を楽しんでいるのが実態です。

 中国政府は世界のリ-ダ-になるべく動いており、このような違法サイトの摘発もソフトパワ-を見せる機会と捕らえているようです。海賊版や知的財産侵害の問題は他国にとり大きな問題となっており、中国政府は完璧に抑えるように動く事になるでしょう。

 現在の中国市場は非常に非効率な市場となっており、一方中国人は市場が求めるものを見つけ出し、なんとかして市場に供給するようになります。この場合は娯楽ですが、中国のメディア市場が市場ニ-ズに合わせられるようテレビとネットが統合されるようになるでしょう。

 一方、テレビは中国政府の統制下にあり、中国市場の放送局は其の環境から逃げれないこと。しかし、独占的なプラットホ-ムであり続ける事。そして、テレビは未だに広告主にとって最も魅力的な手段である事。テレビ、ネット、そしてモバイルの連携が今後重要になる事。

 これらを踏まえた上で、今後のメディア戦略を考える必要があるでしょう。優くや土豆も従来に比べれヴぁユーザーを向くようになってきました。そして、3Gの導入によりモバイルも可能性があります。
http://www.metandevelopmentgroup.com/newsletter/march/2010/How-American-TV-is-Shaping-Chinas-Media-Landscape

 さてさて、どうなりますかね。コンテンツは従来中国ではお金にならないといわれていました。中国政府の規制により、土豆等もコンテンツ料を払うようになってきましたので、若干ながらも改善していく傾向にあります。

 それ以外にも個人輸入代行とか、様々な日本では考えられない奇妙な中国ビジネスで見られる実態がどこまで、そして、其の程度のスピ-ドで改善していくのでしょうね。
コメント
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