日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

カ-ライルの人民元ファンド

2010-03-14 | M&A
 PE投資で有名なカ―ライルが复星と組んで中国で始めての人民元ファンドを組成したそうです。外資系大手のPEが中国企業と組んで人民元でファンドを組成するのは初めてのようですね。多分、今後同じような動きが増加するだろうと思われているそうです。

 ファンドサイズは当初100億円程度と、カ―ライルの総資産9兆円から見るとちいさなものですが、中国国内投資を容易にし上海市場やシンセンにIPOさせる事を狙っています。

 従来はカ―ライルも米ドルベ-スで中国投資を行っており、株式公開もアメリカや香港などの海外市場を狙ったものでした。しかし、中国の新規公開株のバリュエ-ションがアメリカや香港の倍近いため、中国国内市場でのIPOを狙うのが主目的のようです。

 現状カ-ライルの投資利回りはたいしたことが無く、2年間で5倍程度までのリタ-ンしか得ていないそうですが、中国国内上場の場合は10倍程度の期待が出来ると見ており、今後も人民元を調達していく予定です。

 カ-ライルに続きブラックスト―ンも人民元ファンドの組成を準備しており、TPGやKKRにもそういう動きがあるそうです。

 海外市場に株式公開させるのは、リタ-ンを自由な通貨である米ドルや香港ドルで獲得する事にあり、人民元に投資してもそのリタ-ンをどう国外に持ち出すかに関しては、今のところ様々な規制があるので自由とはいえないのですけど、多分、中国の外為が自由化される日が来るまで国内再投資で稼いで行こうということなんですかね。
コメント
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