木漏れ日が、まるでスポットライトのよう...
つやつやと鮮やかなブルーのしっぽを誇示するかのような、このトカゲ、バーバートカゲ。
ニホントカゲというのも、幼体はしっぽがメタリックブルーだそうだが、このバーバートカゲは大人になってもずっとこのしっぽなんだそうで。
キノボリトカゲの忍法!のように、保護色で身を隠すタイプとは対照的に、鮮やかな色でビビらせる?
他のトカゲ同様、いざというときにはこのしっぽをちょん切るそうだ。
こんなピカピカの青いのがプルプルしていたら、どんな生き物もびっくりしそう!
(写真は、全てクリックで拡大します。)
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でも、このトカゲもマングースの餌食になっているそうだ。とてもすばしっこいトカゲではあるけれど、一瞬でハブの首根っこに食らいつくあのマングースにかかっては、しっぽをプルプルさせても叶わない。
マングースのせいだけではないだろうが、バーバートカゲも絶滅危惧種に指定されている。
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それにしても、なんで『バーバー』なんだろう?
キノボリトカゲの「キノボリ」など意味がはっきりしていると納得できるのだが、butterflyの「butter」のように、意味がすぐに結びつかないものが名前についていると、いつも気になる私。
(butterflyの語源は
こちらの記事の末尾)
バーバーといえば、普通は床屋さん(
barber)。髪の毛を刈るのが得意とか??
英語で
Barbour's skinkというのを、そのまま拝借しているようだ。トカゲは一般的にlizardなのだが、トカゲの中でも『スキンク科』に属するのをskinkというらしい。
学名Eumeces barbouri→英語Barbour's Skink→バーバートカゲ
barbourという語は普通の和英辞書などには無い。Barbourは英米人の苗字だ。どこぞのBarbourさんが見つけたトカゲなのだろうか。
と、いうことで床屋説は吹っ飛び、ここでインターネットの検索の世界へ。
アメリカの爬虫類学者に、
Thomas Barbour(1884-1946)という人がいた。爬虫類学者のバーバー氏なんて、クサイ。この人かな?
しかし、このトカゲについては、
Van Denburgh, J(1872-1924)., (バンデンボルグ)というアメリカの爬虫類学者が1912年に、論文("Advance diagnoses of new reptiles and amphibians from the LooChoo Islands and Formosa" ←LooChoo Islands、琉球諸島ですねぇ。)を書いている。この人が命名者のようだ。バンデンボルグさんは何でバーバーとつけたのだろう?
2人ともアメリカ人だが、1912年といえば、Thomas Barbourさんは、まだ28歳。しかもバンデンボルグさんの方が年上だ。バーバーさんが若くして、とりあえず発見したものを、バンデンボルグさんが詳しく調べた...というのも不自然だ。
ううむ。
英国の有名な老舗コートのブランドに
Barbourというのがある。Waxを塗ってピカピカしているコートなのだが、今や「Barbour」といえば、Waxコートの代名詞ともなり、Oxfordの辞書にも載っていた。
(→
こちらでbarbourと入れてみて下さい。)
ちょうど、もとはHooverという会社の掃除機(Vacuum Cleaner)だったのに、今や英語(特にイギリス)でhooverといえばどこのメーカーでも掃除機のことを指すと同じように。
(「掃除機をかけること」を、「hoovering」とも言う。最近なら、付箋をつけることを「ポストイットしといて。」なんていうのも固有名詞の一般名詞化→動詞化かな。)
もしかしてバーバーのコートをまとったような、という意味なのだろうか?Waxコートは色は濃いグリーンというかカーキ色だから、バーバートカゲの鮮やかなしっぽの色とは違うけれど、全体的に光沢があるところなんかが。
Barbourというのは、苗字としては珍しいものではなく、他にも同姓の人がいくらでもいる。だから、もしかして無名のBarbourさんが見つけてそれにちなんでついた名前なのか?
他にも、バーバー(Barbour)が名前につく生き物はいくつかあり、バーバーチズガメとか、タツノオトシゴにもバーバーがつくのがあった...。
共通点を探してみたけれど、よくわからなかった (@_@)
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結局、このトカゲが、床屋さんとは何の関係もないことしかわからなかった...。う~んすっきりしない。
ご存知の方、教えて下さい☆
↑結局こんな他人任せ <(_ _)>