~あなたの近くの海は?~

先日、実家から来ていた父と海に行った時のこと。
父は北陸の海の町の育ちなので、「海の景色を見、潮騒を聴くと心が落ち着く」けれども、奄美の海は潮の香りがほとんど感じられない。視覚・聴覚は刺激されても嗅覚が刺激されないので、郷愁には結びつかないという話になった。
私も、奄美に来てからずっと思っていたのは、奄美の海は潮の香りというか、いわゆる磯臭さがしないということだ。
普段関東の、海の無いところで生活していて、たまーに湘南とか熱海とか、あるいは千葉・茨城の海に向かうと、海が近くなったら見えなくとも、すぐわかる。車の窓をちょっとでも開けたら独特のにおいが飛び込んできて、「着いたー!」とわかるのだ。
奄美に来てから、この磯臭さというのが感じられないのは、予てから不思議なことのひとつだったけれど、その理由までは考えてことがなかった。なんとなく、サンゴ礁の海は違うんだろうとか、熱海みたいに干物屋さんが並んでいないし、とか...。
父からも同じことを言われて重い腰を上げ、ちと調べてみた。
磯臭さって何なんだろう?そして奄美はどうしてそのにおいがしないのか。
【磯臭さとは?】
まず、磯臭さの正体は、ジメチルスルフィド(以下、ジメ)という何度聞いても覚えられない物質が主成分であることは、色々なサイトに載っていた。
その「ジメ」は海苔や昆布などに多く、青海苔の臭気の主成分だそうだ。
海洋生物の死骸が、海洋プランクトン(微生物)によって分解されて「ジメ」が発生する。つまり、浜に打ち上げられた海藻が腐る過程のにおい+海から運ばれてくる砂からもにおいがしてくるということだ。
【海藻が少ない】
父の泳いでいた北陸の海で、私も小さい頃は遊んだけれど、そこらにしょっちゅう色々な海藻が打ち上げられていたのを覚えている。
奄美の海はというと、そういえば打ち上げられている海藻というのを滅多に見かけない。海中を半潜水艇で行った時も、海藻がゆらゆらしているわけではなかったなぁ...。
もちろん奄美はアオサ海苔は取れるし、モズクもある。海ぶどうだって海藻だ。他にも色々あるのだろうが、大型の海藻は南の海には生えないそうだし、絶対量が少ないのであろう。

【砂の入れ替わりが激しい】
色々見たサイトには、沖縄の海も磯臭さがしない。それは、浜の砂ごと入れ替わるような台風が頻繁に来るために、浜の砂・石が滞留せず臭いが発生しにくい、というのもあった。
これもちょっとうなずける。確かに、奄美や沖縄では台風で、一夜にしてこれまでとごっそり砂の場所や中身が変わってしまう。その台風も、本土のように1日で通り過ぎるのでなく、数日留まることも多くて、結果海水も砂も浄化される。
おまけに、その浜の砂も、サンゴのかけらを多く含んでいるため、通気性が良く、日差しも強くて瞬く間に水分を飛ばし、においを引き起こす微生物の繁殖が起こりにくい...のかも。
【サンゴ礁・生き物】
奄美や沖縄の海は、サンゴ礁で囲まれてる...ということは、プランクトンが食べられているのも影響しているのかもしれない。また、本土の浜より多く磯に多様な生き物がいる。浜でヤドカリやウニ、ヒトデを見るのはいとも簡単だ。これらが藻を食べているとも考えられる。
と、いうわけで、なぜ奄美の海は磯臭くないか。
乱暴に「まとめ」てしまうと、●においの原因である海藻が少なく、●浜の砂の入れ替わりも激しく、●海洋性のプランクトン・藻類を食べる生き物も豊富... だからかなぁ~と、自分の中で納得する方向に。
======================
ところが!
こちらを見て驚いた。
奄美に限らず、今、日本全国で海から磯のにおいが消えてきているというのだ。
リンクした記事にあるが、原因となるのは藻場の減少・消失。
水産庁のホームページ・藻場の働きと現状にも、藻場が減少していることが書いてあった。
そういえば、去年だったか、大浜あたりでも一時期減っていたウニが大量発生していたが、あれも豊かな海が戻ったと安直に喜んではいけない現象だった?!
奄美で磯の香りがしないのは、「まとめ」に書いたような理由で、もともとそういう海だったからなのか、今そうなってしまったのか。
鹿児島本土の海には、結構今も毎年のように行くのだが、よく思い出せない。匂いがしなかったから記憶に無いのか、そのことに注目していなかったから覚えていないのか。
関東に住んでいた時に比べてずっと海が身近なので、逆に感性が鈍っているのかもしれない。同様に、ずっとそこに住んでいる人に「昔の浜のにおい」を思い出してしまうのは、視覚・聴覚の記憶の掘り起こしに比べて難しそうだ。
父も、郷里に帰ることはあっても海辺近くで匂いを確認したわけではない。もしかしたら、もう地元の海からも「郷愁」を感じられなくなっているのかもしれないよ...。
私は、関東近郊の海にはもう15年以上行っていない。今も海の近くに来たら「着いた!」と匂いでわかるのだろうか。
皆さんの近くの海は、磯の香りはしますか?

先日、実家から来ていた父と海に行った時のこと。
父は北陸の海の町の育ちなので、「海の景色を見、潮騒を聴くと心が落ち着く」けれども、奄美の海は潮の香りがほとんど感じられない。視覚・聴覚は刺激されても嗅覚が刺激されないので、郷愁には結びつかないという話になった。
私も、奄美に来てからずっと思っていたのは、奄美の海は潮の香りというか、いわゆる磯臭さがしないということだ。
普段関東の、海の無いところで生活していて、たまーに湘南とか熱海とか、あるいは千葉・茨城の海に向かうと、海が近くなったら見えなくとも、すぐわかる。車の窓をちょっとでも開けたら独特のにおいが飛び込んできて、「着いたー!」とわかるのだ。
奄美に来てから、この磯臭さというのが感じられないのは、予てから不思議なことのひとつだったけれど、その理由までは考えてことがなかった。なんとなく、サンゴ礁の海は違うんだろうとか、熱海みたいに干物屋さんが並んでいないし、とか...。
父からも同じことを言われて重い腰を上げ、ちと調べてみた。
磯臭さって何なんだろう?そして奄美はどうしてそのにおいがしないのか。
【磯臭さとは?】
まず、磯臭さの正体は、ジメチルスルフィド(以下、ジメ)という何度聞いても覚えられない物質が主成分であることは、色々なサイトに載っていた。
その「ジメ」は海苔や昆布などに多く、青海苔の臭気の主成分だそうだ。
海洋生物の死骸が、海洋プランクトン(微生物)によって分解されて「ジメ」が発生する。つまり、浜に打ち上げられた海藻が腐る過程のにおい+海から運ばれてくる砂からもにおいがしてくるということだ。
【海藻が少ない】
父の泳いでいた北陸の海で、私も小さい頃は遊んだけれど、そこらにしょっちゅう色々な海藻が打ち上げられていたのを覚えている。
奄美の海はというと、そういえば打ち上げられている海藻というのを滅多に見かけない。海中を半潜水艇で行った時も、海藻がゆらゆらしているわけではなかったなぁ...。
もちろん奄美はアオサ海苔は取れるし、モズクもある。海ぶどうだって海藻だ。他にも色々あるのだろうが、大型の海藻は南の海には生えないそうだし、絶対量が少ないのであろう。

【砂の入れ替わりが激しい】
色々見たサイトには、沖縄の海も磯臭さがしない。それは、浜の砂ごと入れ替わるような台風が頻繁に来るために、浜の砂・石が滞留せず臭いが発生しにくい、というのもあった。
これもちょっとうなずける。確かに、奄美や沖縄では台風で、一夜にしてこれまでとごっそり砂の場所や中身が変わってしまう。その台風も、本土のように1日で通り過ぎるのでなく、数日留まることも多くて、結果海水も砂も浄化される。
おまけに、その浜の砂も、サンゴのかけらを多く含んでいるため、通気性が良く、日差しも強くて瞬く間に水分を飛ばし、においを引き起こす微生物の繁殖が起こりにくい...のかも。
【サンゴ礁・生き物】
奄美や沖縄の海は、サンゴ礁で囲まれてる...ということは、プランクトンが食べられているのも影響しているのかもしれない。また、本土の浜より多く磯に多様な生き物がいる。浜でヤドカリやウニ、ヒトデを見るのはいとも簡単だ。これらが藻を食べているとも考えられる。

乱暴に「まとめ」てしまうと、●においの原因である海藻が少なく、●浜の砂の入れ替わりも激しく、●海洋性のプランクトン・藻類を食べる生き物も豊富... だからかなぁ~と、自分の中で納得する方向に。
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ところが!
こちらを見て驚いた。
奄美に限らず、今、日本全国で海から磯のにおいが消えてきているというのだ。
リンクした記事にあるが、原因となるのは藻場の減少・消失。
水産庁のホームページ・藻場の働きと現状にも、藻場が減少していることが書いてあった。
そういえば、去年だったか、大浜あたりでも一時期減っていたウニが大量発生していたが、あれも豊かな海が戻ったと安直に喜んではいけない現象だった?!
奄美で磯の香りがしないのは、「まとめ」に書いたような理由で、もともとそういう海だったからなのか、今そうなってしまったのか。
鹿児島本土の海には、結構今も毎年のように行くのだが、よく思い出せない。匂いがしなかったから記憶に無いのか、そのことに注目していなかったから覚えていないのか。
関東に住んでいた時に比べてずっと海が身近なので、逆に感性が鈍っているのかもしれない。同様に、ずっとそこに住んでいる人に「昔の浜のにおい」を思い出してしまうのは、視覚・聴覚の記憶の掘り起こしに比べて難しそうだ。
父も、郷里に帰ることはあっても海辺近くで匂いを確認したわけではない。もしかしたら、もう地元の海からも「郷愁」を感じられなくなっているのかもしれないよ...。
私は、関東近郊の海にはもう15年以上行っていない。今も海の近くに来たら「着いた!」と匂いでわかるのだろうか。
皆さんの近くの海は、磯の香りはしますか?

海というと磯の香り。
確かに奄美の海はそういう匂いがなかった!!
うちの近くの海は…大きな堤防があってさらにテトラポットがあって、
なので匂いをかげるほど近くには行く機会がないので分からないの~~~[E:bearing]
達しました。
「何故、横浜は磯(潮)の香りが無いのか?」
それは、磯が無い → 海苔や海藻が無いから!
これは、このページを読まさせて頂き、ほぼ正解
だと、判明。 ありがとうございます!
海草の少ないせいでしょうね!! 私が小さな頃は
砂浜に海草が(主にホンダワラ)打ち上げられていましたよ。 ウニがそこらじゅうにいて・・・お、匂いも強烈でした。でも街中まで磯の香りで満ちることは無かったと思いますよ。 磯臭さと海草の関係、、もう少し知りたいもんです!!
今度海近くに行ったら、鹿児島の海の香りを意識してみてね。あまり記憶にないのよねー。
やはり、全国的に磯の香りってしなくなってきているのかも!
(でも、桜島フェリーでは、なんとなくしていたような記憶がうっすらあるような...)
ご実家に帰ったら、昔と同じ香りが残っているかぜひ教えて下さい。
★ヨットマンさん★
横浜の海も香りがしないのですね?
海藻ありそうもないですもんねー。
しかし、全国的な傾向だそうですよ。
他の海が気になります...
昔の海の姿は写真に残っているし、音は録音できますが、においって保存できないから以前の状態と比較するのって難しいですね。
★きさん★
超久々にGoogleしまくってしまいました(^^;
きさんから、昔の奄美の海のにおいについて聞きたいと思っていました!やはり、昔は奄美も海のにおいはしたんですね?!
そうなると、磯くささは、やはり海藻の問題であって、もっと豊かだったサンゴ礁と、台風による砂の入れ替えはあまり関係なさそうですね。
いつから匂いがしなくなってしまったんでしょう。今じゃ、浜にいても全然してきませんよね~。
海全体の藻場の枯渇というのは、かなりの問題らしいですね。
磯の匂いとは関係ないかもしれませんが・・・
大浜のウニの大漁なのは
どうやら放流(?)していると聞きました。
磯の匂いの話題ですが、
確かに昔はホンダワラがよく打ち上げられていました。 打ち上げられた海草が乾燥するときのツーンという独特のにおい・・・コレも含めて磯の香りだとおもっていました(^-^)
[E:bearing]
新川は下流に行くほどどぶ川でした
永田川・・・最悪の匂いでした
ヤニ川!!論外!!
その水が海に流れ込み豊富な栄養源となり
雑多な海草が発生し、そして枯れ、腐る・・・
磯の匂いとはその匂いだった気がしますよ
だって どこで泳いでも汐の磯臭さって
体に付かなかったんですもんね(笑
やがて 固形石鹸から有機リン系の洗剤が!!
これが曲者ののはずです!!
「バスクリーンのような色!!」ってお客様に
感動されると・・・ドキッとしますよ
その排水で覆われた磯は海草も生きれない!!
奄美より「都会の海はきれいになった」の話は
実は 恐ろしいお話のような気がしますけどねぇ・・
自論でした(爆!![E:night] では~!!
あのウニは放流だったのですか... 採りすぎ+自然破壊で減ってしまったのでしょうか。復活させるにも、お金がかかるものですね...
ところで、ホンダワラ。私が北陸の海辺でよく見かけたのもホンダワラでした。あの袋をプチプチやった記憶があります。
今は奄美の海辺では、全くみかけないですね。サンゴ礁の減少は叫ばれて久しいですが、海藻の状態もかなり変わってしまったのですね。
★きさん★
「海草が発生し、そして枯れ、腐る・・・
磯の匂いとはその匂いだった気がします」
調べた結果は正にこの通りでした。あれは「クサイ」の一歩手前だったんですねー。
リンクした水産庁のHPにも、やはり農薬や除草剤、工場排水が海に流れ込んで海藻が育たなくなった、とあります。
そして、日本全国磯の香りが失われてきている、いうのは本当に怖い話なんですね!!海藻がなくなれば、魚も...
奄美では、サンゴの減少はよく話題になりますが、海藻の減少の話はあまり聞きませんね。目立たないですが、こちらもとても重要なのかもしれません...
ホンダワラ・・・最近はあまり見かけないですね。
島ではごく一部の場所であるみたいです。
オバ達がたまに送ってくれますヨ(^-^)
それを食べると「あ~懐かしいぃ」って思います。
お正月などよく食べていました。
本当にあのプチプチは楽しかったです(*´ワ`*)
奄美や日本だけではなく、全世界全体で地球・自然のことを考えないと本当に破壊がすすんで
キレイな海や魚や空や空気、水全てがなくなってしまいそうで怖いですね・・・(-_-;)
私、ホンダワラが食べられるって知りませんでした!!
へええええー!とびっくりしたところです。
昔はそこらに落ちていたのに。あれ拾って食べてみたらよかった...(でも、奄美のとは種類が違うのでしょうかね~) やはりおつゆに入れたり?
島魚・国直鮮魚店さんのブログの「がしち」の記事に、シラヒゲウニはホンダワラなどを食べることが書いてありますが、やはり奄美も藻場の喪失でホンダワラも減ってしまい、ウニも減ってしまい、ということのようですね...
食物連鎖は途切れてしまうと、どこかひとつだけ継ぎ足してもなかなかうまくいくものではないですよね...(~_~)
私の田舎では食べますよ。
あの可愛いプチプチは取り除き、
長い茎を主に食べるんです。
確か、葉やプチプチを取って乾燥させて保存。
年中食べられるようにしていたんですね。
味付けは、ひじきなどとあまり変わらないと思います。
最近、豊漁だとされているウニですが
(放流もあると思いますが)近い将来、
全く採れない年もあるんじゃないか・・・って不安なんです。
昔のように豊かな海に戻ってほしいもんですね。