亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

再び「米国優位を映すドル高」の波が到来

2018年11月12日 20時08分20秒 | 金市場
先週末9日は、中国の経済指標が減速傾向を示したことが、前日の欧州委員会による2019年のユーロ圏の実質経済成長見通しの下方修正と相まって、世界経済の減速懸念を増幅し銅をはじめ産業用メタルから貴金属まで幅広く売られることになった。米WTI原油先物相場が10営業日続落と1984年7月以来約34年ぶりの急落状態となっていることも、商品市況全般のセンチメントの悪化を増幅させ、さらに米国株の売り材料にもなった。

先週8日には連邦公開市場委員会(FOMC)が、企業の設備投資の見合わせが認められるものの経済は順調に拡大しているとし、次回12月の会合での利上げと、その後も緩やかな利上げの継続を示唆したが、すでに織り込み済み。当日は金市場を含め貴金属全般も弱含み
ではあるものの目立った反応は見せていなかった。しかし、そこに米国景気の好調さを映すデータが加わると、がぜん影響度が増すことになった。10月の米生産者物価指数(PPI)が前月比0.6%(前年同月比2.9%)上昇し、2012年9月以来6年1ヵ月ぶりの大幅な伸びとなったというもの。

こうなるとパウエルFRB議長が、現在の金利水準が中立金利には、まだ距離があると言っていたことも思い出される。金市場が思っている以上に金利は引き上げられるのではないかと。
しかし、そうした環境は長期金利の上昇ピッチも早め、株安の引き金を引き、市場を不安定化させるのは、この1ヵ月の市場の動きが示している。

メタルを中心に商品市況全般の下げにつながった中国の減速の方は、やはり10月の生産者物価指数(PPI)だった。前年同月比で3.3%上昇と伸び率が前月から0.3ポイント縮小。3月以来の低水準に沈んだ。2017年2月には8%に近いところまで上昇していたことを思えば、やはり減速が進んでいるのは間違いない。10月の中国の新車販売台数は前年同月比11.7%減と4ヵ月連続の前年比割れとなり、年始から10月までの累計販売台数も前年比マイナスとなった。2018年通期でもマイナスが予想され、そうなると28年ぶりの前年比減少となる。

中国経済のさらなる減速によるアジアから欧州への影響が懸念され、8月に高まった「米国独り勝ち」観測からのドル高の揺り戻しのような市場環境となっている。そんな中で14日は、パウエル議長の講演が予定されている。

11月9日の広島でのセミナー、参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

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