19日は、米国指標で6月の住宅着工件数が注目された。というのもこのところ米国の住宅関連指標は弱気の結果が続いて来たことによる。発表された結果は、(年率換算)前月比で+8.3%の121万5000戸と市場予想の115万5000戸を上回り2月以来の高水準となった。ここまで3、4、5月と3ヵ月連続で減少となっていたが4ヵ月ぶりの増加となった。着工件数の先行指標となる住宅建設許可件数も+7.4%の125万4000戸と3月以来の高水準となった。ただし、この結果に対する市場の反応は限定的なものにとどまった。振れが大きい指標につき、単月の結果では判断できないということもある。
本日の市場の関心は、政策余地の非常に限られている日銀ではなく、ECBの定例理事会に向けられていた。政策金利や量的緩和策の枠踏みについては現状維持の見通しだが、声明文から量的緩和策の再拡大の可能性を示唆する文言を削除するとの見方が多かった。現行月額600億ユーロ規模の資産購入を年末まで続ける方針のECBだが、物価見通しが悪化するようならば、(この資産購入の)「規模や期間を拡大する用意がある」としているが、この部分を削るのではとの見方が増えていた。そしてこの見方の下で、ユーロロングも膨らんでいた。その規模は、2011年以来となっていた。
果たして、発表された声明文からは、件(くだん)の文言は削除されていなかった。売り優勢の展開で1.5割れとなっていたユーロは、これで更に売られることになった。しかし、その後のドラギ記者会見は、慎重スタンスは維持しているものの改善に自信を示す内容となったことから、買い戻され1.5ミドルに復活からさらに上値追いに。
金を見る上で足元でドルより重要なのが、米長期金利。ドラギ前に前日比で上昇していたことから、金は1240割れに低下。しかし、その後買い戻され1240ドル台復帰。金利が低下したことによる。結局、小動き。ドルの動きと、長期金利の狭間で複雑骨折??気味の金価格。ユーロの動きには反応薄。
日銀は、6回目の2%達成時期見通しの先送りということ自体が一般メディアで話題になっている。さすがに、日銀の見通しもアテに出来ないと。
それにしても、アッという間に7月も終わりそうだ。