週明けのNY金は3営業日続落となった。
本日から始まる連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、様子見モードの中で、対ユーロでのドル高がドル指数(DXY)を押し上げ、金市場では売りの手掛かりとなった。先週は50ドル方水準を切り上げており、薄商いのなか小口の売りで続落となった。4.40ドル安の1962.80ドルで取引を終了。
ドル指数(DXY)の動きと短期の移動平均線などを手掛かりとした、ファンドの自動取引が目先の値動きにつながっている。
この日、米S&Pグローバルが発表した米国の7月総合購買担当者指数(総合PMI)速報値は52.5と6月の53.2から低下し、5カ月ぶりの低水準となった。サービス部門の低下が響いた。一方、投入価格の鈍化などインフレ鈍化を示す内容となった。総合指数が拡大を意味する50を上回るのは6カ月連続となる。
内訳の製造業PMIは先月の46.3から49に上昇したものの依然50を下回っている。市場予想は46.2となっていた。サービス業PMIの方は6月の54.4から52.4に低下。市場予想の54も下回った。
一方、ユーロ圏の7月総合PMI速報値も市場予想を下回った。48.9と、前月の49.9から低下し、8カ月ぶりの低水準となった。市場予想の49.7を大幅に下回った。サービス業の需要が落ち込んだほか、製造業の生産が新型コロナウイルス流行後で最も早いペースで減少した。ここにきてユーロ圏の景気悪化懸念が広がっていることと、整合性のあるデータといえる。
6月にタカ派スタンスを示していた欧州中央銀行(ECB)だが、利上げを継続するとの見方が後退し、米欧の景況感の差からもユーロ売り・ドル買いが広がった。結果的にドル指数(DXY)を押し上げ、金の売り手掛かりとされた。
市場では米連邦準備理事会(FRB)とECBが共に0.25%の利上げを決定すると予想されており、共に今回を含め9月の次回会合前にどのようなシグナルを出すかが焦点になっている。
また週内に決定会合を開く3中銀の中で市場にサプライズをもたらす可能性があるのは日銀との指摘が多い。日銀は(長期債利回りを意図的に抑え込む)イールドカーブ・コントロール(YCC)政策の微調整を発表する可能性があるとの見方がある。その程度により、ドル円を中心に円相場が大きく動く可能性がある。国内金価格への影響が大きいことから、要注意といえる。