亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

知らず知らずのうちに整理は進んでいる

2005年07月28日 17時07分18秒 | 金市場
米国の住宅ブームはいまだ快進撃を続けている。今週発表された6月の中古住宅販売戸数は前月比プラス2.7%で年率換算で733万戸。4月の718万戸を軽く抜いてきた。戸建住宅は相変わらず好調だが、ここに来て目立つのは“condo(minium)”の売れ行き。我らが言うところのマンションだが、拍車が掛かってきた。6月は4ヵ月連続の記録更新でプラス4.5%、年率換算で96万戸だと。マンション価格の全米中間値は去年17%も上がったが、この6月時点でさらに1年前から14.7%上がっている。これ全米の数値なのでマイアミとかラスベガスといった人気のある地域は30%以上だろう。保有している投資家は笑いが止まらないだろう。賃貸組が買い出したということらしいが、例のIO(インタレスト・オンリー)当初数年は利払いのみでOKというローンの普及が拍車を掛けたのは間違いなかろう。WSJによるとシカゴでは予想より売れ行きが落ちてきているというレポートもあるとのことなので、まぁ油断はならないが株式市場を見ても、余ったマネーがグルグルと回転数を高めてきているので慣性の法則でまだ飛びそうだ。昨夜発表になった耐久財受注の数字も良かった。6月の新築住宅販売も前月比4%増で年率換算137万戸で過去最高。しかし、価格の方(中間値)は前月比5.5%下がっていた。先月に続き2ヵ月連続の下げだ。手の出しやすい価格帯の販売シェアが高まっても中間値は下がるので“曲がりの兆し”と即断はできない。できないが要注目なのだ。

この環境の中でドルは堅調なのだが、さりとて新たなレンジを破るというエネルギーもない。ドル堅調展開にもかかわらず金市場の方は、やはり423ドル前後のレンジ相場を続けることになった。ドルが比較的強張ることを前提に弱気した筋は当てが外れたということだろう。レンジ相場のなかで着実に買い残整理が進んでいる。おそらく足元で100トン程度になっていると思われる。いい水準になってきた。積極的に買い仕掛ける材料もないが、売りも出来ない。断続的に中銀の売りが出ているのだが、それも拾われているのは、要は現物筋の中で、この水準に対する価格慣れが起きてきているからだろう。それに加え年金などのインデックス組成にからむ買いも高値追いはせず安値を拾う。そうしたマネーがフロアを作る。

昨日の研修会は全行程5時間半という長丁場にもかかわらず参加された方が皆熱心で新たな発見があった。
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