NY時間外のロンドンの取引時間帯に金は1300ドル突破。材料は、南部バージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義団体と反対派が衝突をきっかけにした、一連のトランプ発言に対する批判の広がりが、大統領としての適性への疑いにまで(ようやく)広がっていること。もっとも、前日のFOMC議事録要旨にてインフレ見通しに対する疑念が以前より高まっていることがベースになっている。民主党の議員からだが、ついに弾劾請求まで出たと報じられている。
17日は、ゲーリー・コーン国家経済会議委員長の辞任の噂まで流れたが、目に留まったのが、FRB傘下のミネアポリス連銀のコチャラコタ前総裁が、来年2月に任期満了となるイエレンFRB議長に対し、「トランプ氏から役職に任命されることは彼の目標を認めることを意味する」として、仮に指名されても2期目の議長職は断るように呼びかけたというニュース。ゲーリー・コーンもトランプの意中の候補と目されているので、早ければ9月と見られた、次期FRB議長の絞り込みも遅れることになりそうだ。
株価の調整が深まるようなら、9月のFOMCの判断も想定されているものに、ならない可能性がある。このところ慎重路線をひた走るカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が、FOMCに際して債務上限問題の話し合いの進展如何にも注意を払いたいとしている。もともとイエレン議長は、何があってもバランスシート縮小はやるとしているのだが・・・。
こうした環境下で、北朝鮮問題はなくとも、金は1300ドル突破となっている。もっとも、中国が21日からの米韓軍事演習の中止を求めたようだが、当然ながら米国側はこれを拒否という話があった。
そういえば、NY連銀の地下金庫に眠る金は、ニセモノではないかという話が、またぞろ取り上げられ、媒体がWSJということで話題になっている。米国大統領に対する信任の低下は、各方面に波及することが考えられ、バカにはできない。この話は以前からあって、仮に本当ならFRBの信認は揺らぎドルの問題に転化しそうだ。2012年に地金のサンプリングの監査が行われたとされるが、共和党保守派の一部議員は、以前から本格的な監査を求めているとされる。