モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

禿岳でちょっと珍しい花を見た。(2021年9月15日)

2021-09-28 | 甑山・神室・禿岳

不要不急の県外往来は避けるよう言われて久しいが、
今回は秋田で見られないちょっと珍しい花が丁度今咲いてるようなので、
敢えて禁を破り、宮城山形県境にある禿岳に行ってみた。なお禿の読みは「はげ」ではなく、「かむろ」だ。
近くに神室山が有り、紛らわしいので、「はげかむろ」と呼ぶ人も多い。

このお山、晴天ならば、とても眺めのいい山だが、15日の朝は帽子=雲をかぶっていた。
登っているうちに晴れて来るだろうと楽観的に解釈し、花立峠から登山開始。

花立峠の登山口から禿岳を望む。



今回の非合法マップ




歩き出してすぐ、まずはオオナンバンギセルの残り花。次いでセンブリがいっぱい。

オオナンバンギセルの残り花                                センブリ
 



一合目付近のブナ林




林の中に花は皆無。唯一、咲いていたのはギンリョウソウモドキくらいだった。

ギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)                        キノコが少し
 



エゾシオガマ




ところで秋田で見られないちょっと珍しい花とは何か。
それはマツムシソウのことだ。
マツムシソウは秋田県版レッドデータブック2014によると、「絶滅」となっている。
また隣県の山形では絶滅危惧IA類 (CR)、宮城でも絶滅危惧II類(VU)とのこと。
個人的には信州の高原などで数回見ているが、東北では宮城の南部や福島の一部を除き、聞いたことが無い。
一昨年、宮城の友人から、秋田に近い禿岳に有ると教えられ、いつか見に行きたいものだと機をうかがっていた。
開花時期は九月の中旬以降なので信州の高原に較べると少し遅いように感じる。
今回、私が見つけたものは、花が貧弱でしかもたったひと株だった。
宮城でも今ではかなり少なくなっている。大事に見守って行きたいものだ。

マツムシソウ                                     エゾリンドウ?
 



この山のリンドウは葉腋にも花がついていた。となるとエゾリンドウということになるが、

同じ場所に茎頂に一個だけ、貧弱な花が付くタイプも有り、迷ってしまう。
東北地方の高山に多いエゾオヤマリンドウとはいったい何なんだろう。


稜線を登るうちに晴れ上がり、樹林の途切れた場所から下界の景色が見えるようになって来た。
鬼首カルデラの眺めが素晴らしいのだが、この山からはもうひとつ、向町カルデラも南側に見える。
禿岳は両方のカルデラの外輪山となっている。こういう山は珍しいと思う。

鬼首カルデラの眺め



向町カルデラ




途中から禿岳を望む。                                                                                    四合目から五合目にかけては急な坂道が続く。
 



オオカメノキの実



ミズキの実




鬼首カルデラの中に奇麗な田んぼが見えた。




ところが奇麗な田んぼの手前には工業団地のようなものが出来ていた。




昨年、来た時は無かったように記憶しているが、これはソーラーパネルの列のようだ。

山頂近くからの眺め。

鬼首カルデラ



栗駒山方面



虎毛山、須金岳方面




カルデラ壁の急斜面




山頂近くなったら、ナナカマドが多くなってきた。




イワショウブの古花                                  禿岳山頂

 



禿岳の山頂は晴れていればとても眺めのいい処だが、
今日は視程がイマイチで遠くの山々はぼんやりとしか見えなかった。

禿岳山頂から神室連峰。左から小又山、天狗森、神室山。



下山した時は禿岳が見えていたが、この後すぐに雨が降り出し、姿は見えなくなった。




下山してから、山麓で見た花風景。

テンニンソウにアサギマダラ                        サラシナショウマにイカリモンガだろうか。
 



カメバヒキオコシ




オタカラコウは秋田ではなかなか見られない花だ。

 



近くの虎毛山の赤倉沢が分布の北限と聞くが、私はまだそこでは見たことがない。


モウズイカの裏庭(トップ)へ。


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 初めての神室山(2016年9月24... | トップ | 鳥海山の紅葉はどうだろう。... »

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
悩みの種 (shu)
2021-09-28 13:55:31
モウズイカさん こんにちは。
いつも東北の山の風景や、普段観ることのできない植物をご紹介いただき、ありがとうございます。
楽しく、勉強させていただいております。
さて、今回エゾリンドウとマツムシソウが登場しましたので、書かせていただきました。

エゾオヤマリンドウ(Gentiana triflora var. japonica f. montana)は、エゾリンドウ(Gentiana triflora var. japonica)の高山型とされますが、見た目がずいぶん違うように思います。
前者は花のほとんどが頂生(稀に側生もる)なのに対し、後者は上部の葉腋と茎頂に花をつけます。
高さもずいぶん違い、山渓ハンディ図鑑によると、前者が30~80cmなのに対し、後者は10~30cmとなっています。
中間型があるのかどうか、私には知見がありませんが、ないとすれば違いは分かるように思います。

実は高山型かどうかを見分けるのが、普段からの悩みの一つになっています。
マツムシソウ(Scabiosa japonica)と、タカネマツムシソウ(Scabiosa japonica var. alpina)についてもそうです。
両者の違いは、高さと花径ですが、分からないときは咲いている環境(高山かどうか)で決めています。
見分ける際に何かアドバイスがございましたら、お教え願います。
shuさんへ。 (モウズイカ)
2021-09-28 15:23:15
コメントありがとうございます。
エゾリンドウとエゾオヤマリンドウの識別ではいつも苦労しております。
最近、主に参考にしている改訂新版・日本の野生植物(平凡社)によると、
『エゾオヤマリンドウ f.montana は、北海道、本州(山形県・宮城県以北)に産するエゾリンドウの高山型で、
茎は高さ20~30cm、花が茎頂だけにつき、花冠はやや短い。外観はオヤマリンドウに似るが、生育環境が異なり、花冠裂片が平開する。』
とありました。
私が苦労している点は主に二点有り、ときどき花が茎頂だけでなく、葉腋にも数段にわたって咲く株が混生している点、
また茎の高さが50~80cmと高いものが多い点です。高さが20~30cmと低いものはめったに見かけません。
前者には東北各地の高山で出会っておりますが、その一例は、「三ツ石山でリンドウを見る。(2021年9月11日)」
https://blog.goo.ne.jp/mouura2/e/70c8925095d61361946b4bad11716058
の頁に記載したばかりです。
かと思うと、拙facebook上で最近、或る御方から次のようなご意見が寄せられました。
この御方は植物に非常に詳しく、和賀山系の植物に関する著作もあるほどで日頃いろいろご指導をいただいておりますが、
ちょっとショックな内容でしたので、そのまま引用させて頂きます。
なおこの御方も改訂新版・日本の野生植物(平凡社)の記述はご承知の上でのご意見でした。

『エゾリンドウとエゾオヤマリンドウの区別は、花が茎頂に着くか、茎頂と葉腋に着くかで区別しています。
また花が平開するかしないかでも区別しています。
よく観察すると高山型のもの(エゾオヤマリンドウ)でも葉腋に花を着けるものが見られ、
低地でも茎頂だけに着くものが見られます。温暖化の影響でしょうか。
高山でも葉腋に花を着ける個体を多く見るようになりました。花の開き方は天気に左右されるように見えます。
私が教えを乞っている先生も区別しない方が妥当としています。
観察会やガイドでは、このようなことを説明してエゾリンドウが妥当でないかと言っています。』

私の記憶では、20年前は東北の高山で見るエゾオヤマリンドウは全てエゾリンドウでした。
それがいつの間にかエゾオヤマリンドウに変わっておりました。それがまたエゾリンドウに収束となりますと・・・
正直、頭を抱えております。
今少し議論を見守ってみようと思っております。

マツムシソウとタカネマツムシソウの違いですが、いずれも秋田には無い種類です。身近で見ることが出来ないため、
何とも申し上げることは出来ないのですが、
生育する山域と標高で判断するしかないのではないかと思っております。
自身が見たタカネマツムシソウは白馬岳八方尾根と朝日連峰以東岳の二箇所のみです。どちらも頭花が大きく、花色も濃い印象でした。
それ以外、霧ヶ峰や高峰高原など信州の高原で見たものはたぶん全てマツムシソウではないかと思っております。
青森の竜飛崎にも有ると聞き、わざわざ見に行きましたが、こちらは現在、別種のエゾマツムシソウと分類されていました。
なお先の或る御方はハクサンシャジン(タカネツリガネニンジン)を認めない、
ツリガネニンジンの種内変異のひとつだと主張されており、こちらの対応でも頭を悩ませております。
お役に立てなくてすみませんが、今後もよろしくお願い致します。
Unknown (shu2702)
2021-09-28 17:55:09
モウズイカさん
早速ご返事いただき、ありがとうございました。
皆さま悩まれていらっしゃるのですね。
高山植物の分類も、やがては分子生物学の助けを借りることになるかもしれませんね。
それまではあまり悩まずに、エゾリンドウの仲間、マツムシソウの仲間、ツリガネニンジンの仲間で行くことにしたいと思います。
週末は、天気が良ければ、晩秋の尾瀬沼を歩いてこようと思います。
今後ともどうぞよろしく、お願いいたします。

コメントを投稿

甑山・神室・禿岳」カテゴリの最新記事