2日目。
沿岸部の双葉郡三島町及びいわき市に移動し、視察。
道の駅が、いまも臨時の警察署となっている。
最初に、NPOハッピーロードネットの理事長、通称「おばば」こと西本由美子さんから話を伺う。
・公共交通機関のない当地域にとっては子育て世代の女性にとっても道が重要
・常磐道の早期開通のため女性の会を立ち上げる。「女性」としたのは、男は動きが鈍いからと……
・高校生たちと常磐道の楢葉PAの企画を提案。採択され2011年7月に完成予定だった。
・ところが、震災により計画はストップ。だが、ようやく工事が再開され、今年中に念願のPAが完成予定。
・高校生企画の1つ。J-ヴィレッジが当地域内になることから、サッカー日本代表の足形をPA内の床面に敷設する。
とにかくこのおばば、ものすごい行動力。
やると決めたらとことん。大臣や総理にだって直接面会に出向く。
そうしてこれまでの活動で培った人脈を活かし、
いまは震災時にその名が全国に知られた、「ふくしま浜街道」を日本一の桜並木にしようと活動中。
http://www.happyroad.info/
次にバスに乗って、今も帰宅困難な状況にある地域を視察。
あまりにも衝撃的な光景に言葉を失う。
3年前、映像で見た光景がそのまま現れた。
帰宅困難地域とはこういうことなのか……
日中のみ帰宅可能と言われても、被災者にとってはこの光景を目にするたび当時を思い起こしてしまうだろう。
「帰りたいけど、帰れない」
「故郷を離れると覚悟を決めたはずなのに、決断できない」
「こんな田舎でも原発のおかげで暮らしてこれた。原発反対の推進には賛成できない」
苦悩する双葉郡の住民の声を、地元の同業者が代弁されていた。
ついで、いわき市内の仮設住宅をバスから視察。
いまもなお、多くの方が仮設住宅で暮らす。
負担を早く解消するために、公営災害住宅(復興住宅)は、現在、急ピッチで建設中。
だが、長らく公共事業の冬の時代が続いていたため、建設産業の人材不足が大きく響く。
視察したのは、地元建設会社2社によるJV工事現場。
1年3ヶ月の工期で、集合住宅6棟168戸、戸建て住宅24棟を建設中。
今年度には、県と市の発注を合わせて、計3000戸の住宅建設が計画されているとのことだが、
人材、資機材の確保がままならないと、建設業者も苦悩の表情。
被災された方の気持ちを思えば、「一刻も早く」とは誰もが思うが、
そのしわ寄せが現場に来てしまっては、新規就業者の確保にも影響を及ぼしてしまう。
そこで、建設業界から工期短縮の工法提案をするなど、官民一体となって早期復興に取り組まれていた。
最後に、地元いわき市の同業者からの一言。
「いま、どんな支援が必要ですかと言われます。私たちはこう答えます。
ここに来て、見て、感じて、自分自身で復興の真実を判断をして欲しい、と。決して、報道や風評に惑わされることなく」
肝に命じたい。