三代目虎真之助blog 『森から出たまこと』

「森はいのちの源」 奥三河の森から学んだこと、感じたこと、得たものを書き記しています。

ドイツ林業研修 その4の1

2013-09-30 10:03:09 | 森づくり

9月17日(火) 今日も雨。さらに昨日より寒い。

 

訪れたのは、いまやドイツNo.1の売上と従業員数を誇ると言われる林業機械メーカーのPFANZELT社。

売上高約30億円。従業員数約100名。

創業は1991年。

もともとは農家林家だった現社長が、1人でガレージで始めた会社。

当初はウィンチ専門メーカーのS&R社の下請仕事を受注。

1995年にトレーラーを開発すると、その後次々にベースマシンやウィンチ付トラクターを開発。

細かな部品まで自社生産にこだわり、そのため修理や部品交換に迅速に対応できることで、販路が拡大。

今では、経営難に陥った元親会社のS&R社を買収するまでに成長した。

 

社屋もドイツらしい外観。

玄関にあるベンチ(?)。

簡素だがおしゃれ。

 

真ん中にいるのが社長。

右側にいるのが、営業担当のScheuさん。

現在の販売先は欧州が中心だが、今後、日本市場での展開に向け具体的に動き出しているとのこと。

会社の概要説明の後、工場内を見学。

残念ながら撮影禁止だったため、詳細が伝えられないが、工場内は実に整理整頓されておりスペースも十分。

工場は、業績に合わせて増築を重ねていったため、まっすぐに細長い形状になっているのだが、

その建設に関しては、資材も施工も半径20km圏内の業者にすべて発注したとのこと。

地元雇用にも積極的で、研修生も13人ほど受け入れている。

 

その後、実際にPFANZELT社の製品を見学。

今回の研修の講師である森林官のランゲ氏の長男、パウル君がデモンストレーションを担当。

パウル君は、職業訓練大会で全ドイツ中4位の成績を収めているそうだ。

 

ウィンチ付トラクター(写真左側の機械)

主に農家隣家が農業・林業兼用機として使用。

公道上でもよく見かけたが、時速80kmは出るらしい。

 

ウィンチ部分は、アタッチメントでトレーラーにも付け替えられる。

付替え時間約3分程度と簡単。

その他の機械もすべてホイール式。

ドイツではしっかりとした林道が整備されているため、それを壊しかねないクローラー式よりも、

移動がスピーディーなホイール式が主流。

 

こちらの機械はベースマシンのFelix。

後輪がクローラーだが、真ん中がゴムになっているため道路も走行できる。

 

これらの機械は現場の声を丁寧に拾い上げ、改良につぐ改良を重ねてできている。

以前に紹介した防護服のVEG社もそうであったが、現場の声を大切にしている企業がいまドイツで伸びている。

経営面でも実に勉強になった。

 

午後からは、オーストリアに移動して、パッシブハウスの見学。

長くなるのでまた明日。

つづく