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電力8社は過去最高益なのに電気料金なぜ年3万円も上がる?

2024年06月15日 | 生活

荻原博子さん怒告発 

女性自身2024/06/14

『女性自身』編集部

 

「今回、電気料金が値上げされたことは『おかしい』としか言いようがありません!」

経済ジャーナリストの荻原博子さんが、このように憤る。

「電力会社10社は空前の利益を計上、うち8社は過去最高益を記録しました。それなのに“値上げ”で、電気料金も過去最高額になっているのです」

大手電力会社10社の2024年3月の本決算は、東京電力、沖縄電力以外の8社が過去最高益を更新した。その一方で、“生活必需品”である電気料金は高騰しているのだ。

たとえば東電ではモデル世帯(30Aで1カ月に260kWhの電力を使用した場合)の電気料金は、5月使用分(6月請求)が8538円だったのに対して、6月使用分(7月請求)は8930円と、1カ月で392円も“値上げ”されている。

ほかの電力会社の料金も、四国電力は460円、関西電力は468円、沖縄電力に至っては616円と、軒並みの“値上げ”となった。

経済評論家の加谷珪一さんが、その理由を解説する。

「燃料価格の高騰や円安にともなう、電気・ガス料金の値上げをうけて、2023年2月に政府は『電気・ガス価格激変緩和対策事業』を始めました。電気料金に一定の補助金をつけて、利用者に請求される電気とガスの料金を抑制する仕組みです。

しかし、2023年9月使用分から補助される額は2分の1に、さらに今年5月使用分からは4分の1に減らされました。そして、6月使用分から完全に打ち切られてしまったのです」

その結果、モデル世帯の電気料金は、この1年で約1500円も増えることになったのだ。補助金がなくなったことによる家計への影響は、どれほどのものなのだろうか。

加谷さんは、東電のモデル世帯の見立てを「実際の国民の平均使用量より少ない」と指摘する。

環境省の「世帯当たり年間エネルギー種別消費量(令和3年度)」によると、年間の電気の消費量は4千175kWh。月あたりにすると、約350kWhとなる。

これを現在の相場で計算すると、月の電気料金は約1万3千円となる(東京電力・従量電灯B・50A契約の場合)。

「補助金が導入された当初の、1kWhあたり7円の補助が続いていたとしたら、ここから月に2千450円が引かれていた計算になります。補助金が廃止されたことで、年間約3万円もの負担増となってしまったのです」(加谷さん)

■“福一”の廃炉費用や賠償費用も利用者負担

今後、電気料金が下がる可能性はないのだろうか。

「基本的に電気代は原油価格に連動して上下します。しかし原油価格が電気代に反映されるには6カ月ほどのタイムラグが発生します。仮に7月に原油価格が下落しても、電気代の値下げは2025年1月以降となるんです」(加谷さん)

前出の荻原さんはこう懸念する。

「今年の夏は酷暑が予想されます。このままでは、生活費に困って猛暑日でもエアコンをつけず、熱中症になる人が続出する恐れがあります。政府が、少しでも国民の生活を想像していれば、補助金をやめるのは、せめて涼しくなる秋口からにしたでしょう」

原油価格の高騰による電気料金の値上げや、厳しい財政状況を理由とした補助金の廃止を仕方ないと考える人もいるだろう。しかし、荻原さんは「電気料金の中に原発の廃炉費や事故の賠償費も組み込まれている」と指摘し、こう続ける。

「実質的に、福島第一原発の廃炉費用になっている『廃炉円滑化負担金』と、同原発事故の賠償金となっている『賠償負担金』が2020年度から、電気料金に上乗せされています(沖縄など一部地域を除く)。本来、東電をはじめ、原発を推進してきた電力業界で負担すべきなのに、電気料金に転嫁されているんです」(荻原さん)

また、別項目の負担も増えた。

『再生可能エネルギー発電促進賦課金』です。電力会社は太陽光や風力などの再生エネルギーを事業者から買い取っているんですが、その買い取り資金を、なぜか私たちが電気料金の一部として負担させられているんです。

しかも、これまで1kWhあたり1.40円だったのが、今年の4月の使用分から3.49円へと、2.5倍も値上げされました。庶民にこうした負担を強いながら、電力会社が軒並み過去最高益というのに違和感を覚えます」(荻原さん)

(以下省略)


かぼちゃの定植作業中です。
草刈も・・・
ちょっと疲れています。
最近の歩数は2万歩近くで、超えた時もあります。
明日の更新は休むかもしれません。

園のようす。

ハスカップが黒くなってきました。


遺族年金制度の男女差を見直す方向で検討 女性の支給条件が厳しくなる恐れも

2024年06月14日 | 生活

女性自身 2024/06/14

    荻原博子

年に1度、公的年金の財政をチェックする「年金財政検証」がいま、行われています。論点の一つが「遺族年金」です。

遺族年金は、家計を支える方の死後に配偶者や子どもなどがもらえる年金です。重要なセーフティネットですが、4月ごろ「遺族年金廃止か」とSNSで騒がれました。

「廃止」はもちろんデマです。いま実際に議論されているのは、遺族厚生年金の男女差についてです。

そもそも遺族年金は、遺族基礎年金遺族厚生年金があります。

遺族基礎年金は、公的年金に加入する方すべてに受給資格があり、配偶者が亡くなったとき18歳未満の子がいれば受け取れます。受給額は子どもの人数によりますが、18歳未満の子が2人の場合は月約10万7千円。子どもが18歳を超えるまでもらえます。

いっぽう遺族厚生年金は、厚生年金の加入者などが亡くなった際、受け取れるもの。18歳未満の子どもがいない配偶者も受け取れる点が、遺族基礎年金と違います。それだけ遺族厚生年金は保障が手厚いのですが、遺族が女性か男性かで受給条件が大きく違います。

遺族が夫を亡くした妻の場合、妻が30歳以上なら子の有無にかかわらず生涯、遺族厚生年金を受け取れます。妻が30歳未満と若くても5年間は受給できますし、夫が亡くなったとき妻が40歳以上65歳未満なら「中高齢寡婦加算」が上乗せされます。

しかし、遺族が18歳未満の子のいない夫の場合、妻の死亡時に55歳以上なら、60歳から遺族厚生年金を受給できます。55歳未満だともらえないのです。

■遺族基礎年金は女性並みに男性の支給条件を引き上げた

制度設計が古く、夫が外で働き妻は専業主婦の家庭がモデルなのでしょう。稼ぎ手である夫を亡くした妻に手厚い制度ですが、共働きの増えた現代には適切ではありません。そこで、男女差を見直すことが検討されているのです。

実は、遺族基礎年金は2014年に男女平等に改正されました。それまでは、18歳未満の子のある妻が遺族となった場合にのみ支給されていましたが、2014年以降は先述のとおり男女に関係なく、妻を亡くした夫にも支払われています。

ポイントは、それまで優遇されていた女性の支給条件や支給額に、男性もそろえた点です。

今回の遺族厚生年金の男女差是正論議でも、いま優遇されている女性に合わせる形で、男性の支給条件などを見直す改正となればいいのですが、年金財政の悪化は皆さんご存じのとおり。年金財政のスリム化を掲げて、女性の支給要件を厳しくする方向に変わるのではないかと心配しています。

とはいえ、議論は始まったばかりです。年金財政検証の結果は今夏に発表される予定です。私たちは、そこで示された指針をしっかりと確認し、その後の国会審議なども注視しましょう。

遺族厚生年金がいまより“改悪”に進まないよう、議論の行く末を厳しく見守りたいものです。

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受給規定「働く女性否定」 遺族年金訴訟で原告男性

 2024年6月13日 (共同通信)

 夫を亡くした妻は年齢に関係なく遺族補償年金を受給できるのに、妻の死亡時に夫が55歳未満だと受給できない労災保険法の規定は男女差別で違憲として、東京都の男性(54)が国に不支給処分の取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、東京地裁であった。男性は意見陳述で「規定は仕事にやりがいを持って働く女性の生き方を否定している」と主張。国側は争う姿勢を示した。

 19年に過労で亡くした妻=当時(51)=について男性は、「仕事に誇りを持ち、同じように家計を支え、ともに家庭を大切にしていた」と明かした。家事や子育てを平等に分担。妻の年収は男性を上回っていた。

 男性は「男性だけが一家の大黒柱という時代は終わりました。真に男女平等な社会を実現するためにも違憲の判決を出してほしい」と裁判官に語りかけた。

 日本労働者協同組合連合会センター事業団の幹部だった妻は、くも膜下出血で死亡。23年、労働基準監督署が過重労働による労災と認定、男性は遺族補償の一時金約1700万円を受け取ったが、遺族補償年金は不支給とされた。

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ジェンダーギャップ118位

「しんぶん赤旗」2024年6月13日

 世界経済フォーラム(WEF)は12日、世界各国の男女の格差を示す「ジェンダーギャップ指数」の2024年度版を発表しました。日本は総合ランキングで146カ国中118位にとどまり、過去最低だった前年(125位)からの大幅な改善は見られませんでした。政治や経済の分野で大きな遅れが目立ち、主要7カ国(G7)では引き続き最下位となっています。

 経済分野では、123位から120位へと若干改善。しかし男女格差がない状態で1となる指数では、0・568でWEFは「格差が依然として縮まっていない」と述べています。政治、行政、経済分野の指導者や幹部職は6人中5人が男性で、「依然として重大」な格差があるとしています。推定所得の格差指数も、0・583と大きな開きがありました。

 政治分野では138位から113位へと上昇したものの、国会議員に占める女性の割合は11・5%にとどまっており、「長年わずかな動きしかない」と厳しい指摘となっています。

 総合首位は15年連続でアイスランド。2位にフィンランド、3位にノルウェーが入り、北欧諸国が上位を占めました。日本以外のG7では、ドイツが7位、フランスが22位、カナダが36位、米国が43位、イタリアが87位。日本は韓国(94位)や中国(106位)を下回り、東アジア太平洋地域18カ国中17位でした。

 WEFは、「格差は縮まっているが、全体の前進速度はペースを落としている。大胆に前進させることなしには、完全な格差解消にあと134年(5世代分に相当)かかる」と指摘しました。


園のようす。

こなすび


「気候変動は命と人権の問題」市民ら365人が日弁連に人権救済申立てを提出

2024年06月13日 | 自然・農業・環境問題

気候訴訟の原告にすらなれない日本

気候変動によって激甚化する災害などで被害を受けるのは人権侵害として、市民団体の「気候訴訟ジャパン」らは日本弁護士連合会に人権救済申立てを提出した。

 

ハフポスト2024年06月13日

      Maya Nakata

市民団体の「気候訴訟ジャパン」は6月12日、気候変動によって激甚化する災害などで被害を受けるのは人権侵害だとして、日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済申立てを提出した。

申し立てを行ったのは、気候訴訟ジャパンをはじめとした365人の市民らだ。

気候変動に詳しい東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多教授、「自然の権利訴訟」など数々の環境訴訟を手がけてきた籠橋隆明弁護士、モデルで気候アクティビストの小野りりあんさん、哲学研究者の永井玲衣さん、執筆家の四角大輔さん、文筆家の佐久間裕美子さんらが名を連ねた。

人権救済申立て制度」では、基本的人権が侵害されるおそれがある事態について、被害者や関係者が弁護士会に対して人権救済申立てを行い、弁護士会は事実関係を調査する。調査の結果、人権侵害またはそのおそれがあると認められた場合、人権侵犯者やその監督機関に対して、勧告や警告などの措置を行う仕組みだ。

気候訴訟ジャパンの日向そよさんは、「日本では気候訴訟の原告にさえなれないのが現状です」と話した。

「日弁連は既に『気候危機は生存と人権の問題である』と宣言を出してくれています。さらに市民の声を届けて人権救済申立て制度を活用することで、調査や勧告など次の動きにつながるのではと思っています」

日弁連に求める勧告の内容は、▽政府による気候変動に対するより強固で具体的な政策の実施、▽気候変動を「命と人権の問題」として取り組む、▽気候変動による災害や熱中症等を「気候変動による人権侵害」と定義するような法の整備、▽気候変動を根拠とする人権侵害訴訟において、災害や熱中症等による被害を「気候変動による人権と認め、原告の適格を認める、などだ。

世界で広がる「気候変動=人権問題」、日本では?

世界では、「気候変動=人権問題」という認識が司法の場でも広がってきている。

2019年、環境NGOらがオランダ政府に対し温室効果ガス削減目標の引き上げを求めた裁判で、オランダ最高裁は、気候変動の影響は既に起こっており、その脅威から国民の生存権を守る義務があるとして、政府に温室効果ガス削減の強化を命じた。

直近では2024年4月、ヨーロッパ人権裁判所がスイス政府に対し、「政府の不十分な気候変動対策は人権侵害になる」とする判決を下した。

一方、日本では気候変動を理由にした訴訟において、そもそも裁判を起こす資格(原告適格)を認められないケースが多い。

例えば神戸製鋼所の石炭火力発電所の増設をめぐり、環境影響評価書の確定通知の取消を求めた裁判で、2023年3月、最高裁は原告の上告を棄却し、原告の地元住民らは敗訴した。

地元住民らは地球温暖化の原因となる二酸化炭素の大量排出を「人権侵害」として訴えたが、裁判所は「排出される大量のCO2により気候変動の進行を通じて被害を受けない利益」は「個人の利益」とまでは言えず、「現時点で国際的、国内的に議論が成熟しているとも言えない」として原告適格を認めなかった。

横須賀の石炭火力建設をめぐる裁判でも、東京高裁は「新設発電所の稼働による二酸化炭素の排出が地球温暖化に寄与するとしても、その被害の恐れを周辺住民など特定の範囲の者との関係で特に増大させるものとは認められない」などとして原告適格を認めず、住民側の訴えは退けられた。

日向さんは人権救済申立ての手続きを通じて、「気候変動は命と人権の問題、という前提をつくり、市民が気候変動に関する訴訟の原告となることが認められてほしいです。『民意がある』ことを示すことで、裁判官の勇気ある判断の助けになれば嬉しい」と語った。

気候変動の被害を受けている人は、もう既にいる

 日向さんは、今回の人権救済申立てに至るまで、約3年を費やしたと言う。連名人や署名してくれた人たちに話を聞き、「気候変動の被害を受けている人はもう既にたくさんいて、被害は深刻だ」と実感したという。

「気候変動による水害で家が水没してしまったり、家族を失ってしまったりした人もいます。一次産業で働く人からは作物が育たないことや、せっかく育てても災害で流されてしまうといったような話も聞きました。『安心して子どもを育てられる未来が見えない、このままでは生きていけない未来が来る可能性が高い』。そう感じる人たちがいることを、軽く見てほしくないと思っています」

また今回の人権救済申立ての動きを通じて、「日々の暮らしの中で、『これって気候変動のせいなんだ、人権侵害なんだ』と気づくきっかけになれば嬉しいです」と語った。


園のようす。
チャイブ

ジャーマンアイリスシャクヤク

アネモネ

ヒメフロウ

桑の実


雨宮処凛がゆく! コロナ禍、冷酷だった小池都政を振り返る。

2024年06月12日 | 生活

マガジン9 2024年6月12日

   マガジン9 (maga9.jp)

 

 7月7日に投開票の東京都知事選に、蓮舫氏が立候補を表明した。

 その5日後に蓮舫氏が訪れたのは、東京都庁の下で毎週土曜日に開催されている食品配布だった。

 この連載でもよく触れている食品配布。コロナ前は近隣の野宿男性50〜60人が並んでいたのだが、コロナ禍で並ぶ人はどんどん増加。そこに物価高騰も重なり、今年の5月24日には過去最多の800人が並ぶなど、この国の困窮を象徴する場となっている。行列には子どもを連れた女性や若者など、コロナ前には決して見かけなかった層も目立つ。蓮舫氏が訪れた6月1日には、実に773人が並んだという。

 Twitter(現X)に表示された、「もやい」の大西連氏に話を聞く蓮舫氏の姿を見て、久々にほっと一息つきたくなるような安堵感に包まれた。そんな気持ちになって、自分自身がこの数年間、いろんな感情を押し殺していたことに初めて気づいた。

 どんな感情かと言えば、「どうせ小池都政に何を言ったって変わらない」「何を言ってもやっても無駄」というような思い。そんな感情から、もしかしたらやっと解放されるのかもしれない一一。蓮舫氏の立候補という知らせを前に、押し殺していた感情が私の中で動き出す感覚に包まれた。

 振り返れば、小池都政は困窮者にことごとく冷たかった。コロナ禍の最中もだ。

 例えば2020年11月、東京都は、この都庁下の食品配布に対する「嫌がらせ」をしている。

 コロナ禍で行列に並ぶ人が増え、200人近くになってきた頃のことだ。食品を受け取る人々が並ぶ場所に、東京都は三角コーン約20個を並べるという形で妨害したのだ。この行為は5週間連続で続き、6週間目にやっと終わったものの、今も思い出すと怒りを禁じ得ない。

 なぜなら、民間の支援団体による困窮者支援を、都は感謝こそすれ妨害するなど言語道断だと思うからだ。毎週土曜日、都庁のお膝元に食べ物を求めて大勢が集まることに対し、都としてできることはないかと考えるのが真っ当な感覚ではないだろうか?

 この妨害に小池都知事がどう関わっていたのか、私には知る由がない。しかし、今も多くの人が並んでいるということを知らないわけはないだろう。食べ物にも事欠く人々にどう手を差し伸べるかは行政の長の器が試されるところだが、小池都知事は無視し続けてきた。そして今もその姿勢は変わっていない。もし、このようなことに心を痛めるトップだったら、きっと状況は変わっていただろう。なぜなら、トップが一言いえば、ものごとはあっという間に動くということを私たちは嫌というほど知っているからだ。

 冷たさを感じたのはそれだけではない。

 例えば私はコロナ禍、東京都に何度も申し入れをし、要請書を渡している。コロナ禍で困窮者支援をする一人として、「新型コロナ災害緊急アクション」や他の団体と連名で何度も都庁を訪れたのだ。

 ざっと思い出すだけで、20年4月、5月、21年3月、21年9月、22年12月。

 それでは、どのような内容の申し入れをしてきたのか。

 まずはコロナ禍初期、困窮者やホームレス状態の人が増えていること/さらに増えることが予想されたので対策を要請した。

 特に感染が拡大し始めた20年3月頃にはコンサートやイベントの中止なども相次ぎ、「密」を避けるため出歩く人も激減。それに伴って日雇いの仕事もどっと減り、ネットカフェの料金が払えず路上に出てくる人が相次いだ。ちなみに東京都が18年に発表した調査結果によると、都内には1日あたり4000人のネットカフェ生活者がいるとのこと。コロナ前にそれほどの人が住まいがないことがわかっていたのに放置され、結果、コロナ禍で大量ホームレス化という事態が起きていたのである。

 ここで大きな問題が発生した。

 住まいのない状態で生活保護を申請すると、多くの場合、「無料低額宿泊所」という施設に案内される。しばらくそこに滞在しながらアパートを探すことになるのだが(中には何ヶ月、何年もそこから出られないケースもある)、施設の多くは相部屋。中には10人、20人部屋なんてものもある。「3密」が思い切り揃ったような場で、当然感染リスクが非常に高いわけだが東京都はなんの対策もせず、相部屋に入れるままにしていた。

 この頃、路上に出てしまった人からは「生活保護を受けたいけれど、相部屋の施設が怖くて申請できない」という声を何度か聞いた。

 ちなみに同時期、ロンドン市長はホームレス状態の人々のためにホテルを300室開放。パリやカリフォルニアでも同様の措置がとられていた。また、ドイツでは同じ頃、コロナ禍で失業して家賃が払えなくなった人を、大家さんは最大2年間追い出してはいけないというルールができていた。が、都としての住まいに対する対策は遅々として進まない。

 このような状況を受け、住まいをなくした人のため、個室のホテルや公共施設の確保を要請し、積極的に生活保護や既存制度につなげることなどを申し入れたのだ。20年4月はじめ。これがコロナ禍で最初の要請だった。

 結局どうなったかといえば、その数日後、緊急事態宣言が発令。住まいを失った人たちにホテルが提供されることになった。この措置を受けてホテルに入ったのは800人以上(これは運良く支援につながれた人たちで、氷山の一角だと思う)。ほっと胸を撫で下ろしたのだが、すぐにまた諸々の問題が発覚した。

 ホテルに入れたのはいいけれど、生活保護や既存の制度につなげるなどがなされないだけでなく、所持金の確認などもされないまま、「入れっぱなし」で放置されているような状況の人が多かったのだ。

 1日3食弁当は出るものの、所持金数十円という人もいる。そうなると、とても職探しなどできずにこれから先への不安が募るわけだが、聞き取りも何もされていない。

 また、緊急事態宣言の延長とともにホテル滞在も随時延長されていたのだが、それを知らされずにホテルを出され、路上に追いやられる人も出てくるという始末。

 このような状況に対して20年5月、再び東京都に申し入れ。

 その際、支援団体側で相談会をするのでチラシをホテルに入っている人に配布してほしいと頼んだものの、それも叶わなかった。チラシを配布してくれれば、相談会に来た人を生活保護や既存制度につなげるなどこちら側ができるのに、である。

 さて、コロナ禍ではそれとは別に「いいこと」もあった。

 先に、住まいのない人が生活保護申請をしたら相部屋などの施設に入れられることを書いたが、緊急事態宣言が出て以来、都内で家がない人が生活保護申請をすると、都が借り上げたホテルに1ヶ月ほど滞在できるようになったのだ(一人で行っても知らされず、支援者が交渉してやっと入れるというケースもあったが)。

 その1ヶ月の間にアパートを探して転宅すれば、一度も施設を経由せずにアパート暮らしに移行できる。このようにして、「5年越し、10年越しのネットカフェ生活がやっと終わった」という人々が多く生まれた。このことは非常に良かったと思うし、この点については感謝している。もしコロナ禍がなければ、その人たちは今も自分が「福祉の対象になる」ことも知らず、ネットカフェ生活を続けていただろう。

 しかし、このホテル提供、厚労省から事務連絡が出たことにより22年10月、実質終了。その背景には旅行支援があるのではと言われている。真偽はわからないが、住まいのない人の命綱であるホテル提供を中止し、余裕がある旅行者を支援するという方針転換には周りの支援者たちもショックを隠しきれなかった。以降、再び施設に入れられることとなり、劣悪な環境に耐えられずに失踪、という人が続出してしまっているのが現状だ。

 もうひとつ、ホテル提供で書いておきたいのは年末年始支援だ。

 20年末から21年の年明けにかけてと21年末から22年の年明けにかけて、東京都では住まいのない人にホテルが提供された。仕事が切れるこの時期、ホームレス化する人は少なくないが、この期間は役所が閉まっている時期でもある。その一週間ほどを極寒の路上ではなくホテルで過ごせることとなったのだ。

 窓口は、ネットカフェ生活者支援などをするTOKYOチャレンジネット(都の事業)。できるだけ多くの人をホテル利用につなげる目的もあり、この2回の年末年始はチャレンジネットの隣の大久保公園で「コロナ被害相談村」が開催。住まいのない人をすぐに案内して、多くの人が年末年始をあたたかい部屋で過ごせた。そうして必要な人は、年明けと同時に役所に支援者が同行し、生活保護申請。その中には所持金ゼロ円で、寒空の中、凍死しないよう夜は歩き続けていたという女性もいた。

 これも非常にありがたい措置だったのだが、22年から23年の年末年始にはホテル提供は終了。この年からは年末年始に住まいがない人と出会っても、ネットカフェに泊まってもらうしかなくなった。

 さて、コロナ禍でもうひとつ印象深いのは、21年夏の第5波のことだ。

 この頃、とうとう路上からコロナ陽性の人が出るということが起きてしまった。

 が、当時は医療崩壊の真っ只中。「都内では救急車を呼んでも来ません、救急車が来たとしても受け入れてくれる病院がありません、なので感染しないように」とテレビなどで呼びかけられていた頃。連日のように自宅療養している中から死者が出ていることも報じられていた(小池都知事は自身のコロナ対策を誇っているというが、どの辺を誇っているのだろう?)。

 そんな「原則自宅療養」の中、自宅がなく、住民票も保険証もない人がコロナ陽性になってしまったら。

 第5波で露呈したのは、国も都も、このような事態をまともに想定していないということだった。入院もできず、療養ホテルにも入れず、結局は支援団体が自らのシェルターに命がけで保護する、という状況。

 そんな「野戦病院」のような現場から帰宅してテレビをつけたある日、そこに映されていたのは華々しい「東京オリンピック」の開会式だった。この時、自分が住んでいるのは「パラレルワールド」かと愕然としたことを覚えている。そんなオリンピックの閉会式では小池都知事がゴージャスな着物姿で登場し、やはり自分の生きている東京と、この人が都知事をつとめる東京とはまったくの別次元に存在するのではと気が遠くなりそうになった。

 さて、そんな「自宅がない人が陽性になった場合の対策」について、22年9月、東京都に申し入れ。

 もうひとつ、書いておきたいのは水道の給水停止についての東京都への申し入れだ(22年12月)。

 22年、東京都では水道料金の滞納による給水停止が昨年より倍増していることが発覚。

 共産党の和泉なおみ都議の質問によって明らかになったのだが、21年度の給水停止が10万5000件だったのに対して、22年の4〜9月だけで9万件にものぼっていたのである。

 その背景には、検針員が水道料金を払えない人のもとに訪問して催告を行い、困窮者は福祉につなげる委託事業を「業務の効率化」を理由にやめたこともあるという。

 その話を知って思い出したのは、当時駆けつけ支援をしたある女性。

 住まいを失い、残金もほぼゼロ円とSOSメールをくれた女性のもとに22年11月、駆けつけたのだが、その人が住まいを失ったきっかけは水道の停止だった。コロナ禍はじめに宣伝された、水光熱費の支払い猶予の措置を覚えている人も多いだろう。多くの人が「助かった」と口をそろえる制度だが、減免措置が終わったとしても困窮している人の状況は変わらない。やむを得ず料金を払えずにいたところ、水道を止められてしまったのだという。

 水道の停止は、命に関わることである。

 ちなみに同時期、全国170自治体では水道料金の減免措置をしていたという。東京都はお金があるのに、命に関わる水を容赦なく止めていたのである。

 さて、ざっと振り返っただけで、コロナ禍、これだけの問題点を都に指摘し、申し入れをしてきたわけである。その中には、ホテル提供が実現するなど声が届いたと思えることもあった。が、それ以外はスルーされてきたというのが私の実感だ。

 だけど、どこかで仕方ないと思ってきた。

 なぜなら、都のトップである小池さんは自身がむちゃくちゃのし上がって成り上がってきた人である。彼女が困窮者へ寄り添う姿勢を私は今まで見たことがないし、なかなか想像もできない。だからこそ、相談会などで都知事選に何度か出てきた宇都宮さんと一緒になると、「ああ、宇都宮さんとか別の人が都知事になってたら、今頃全然違ったんだよな……」と諦めとともに思ったりした。

 だけど今、都知事選を前に、私は久々に諦めモードから抜け出している。変えられるチャンスがとうとうやってきたのだ。

 私たちは、トップの一声がどれだけ大きいか知っている。トップがこうすると宣言すれば、現場は変わるし意識も空気も変わるのだ。

 今、その希望が見えてきた。

 1ヶ月後、東京はどうなっているだろう? 今、私は久々にワクワクしている。


是非都政を「排除」の都政からみんなの都政に変換してもらいたいものだ。

園のようす。
霜の害を受けた大山蓮華が咲きだし、イチゴも赤くなってきた。

シャクヤクももうすぐ・・・

カモミールと亜麻


コモンズ(コモン)commons

2024年06月11日 | 社会・経済

ハン・ディディ(ソウル大学校アジア研究所研究員)

Imidas新・時事用語 2024/06/10

 

コモンズ(コモン)commons

 

 所有関係ではない形で何かを共に生産し、分かち合う実践、その中で生み出される共有された資源を指すとともに、それを含む形で生産・再生産される人々の関係と感覚のこと。「共有」とは異なり、「誰のものでもあり、誰のものでもない」ということ。

 コモンズの典型として挙げられる身近な事例の一つが、日本に古くからある「入会地」である。「神様からの預かり物」であるとして誰にも所有されない土地のことだ。人々はそれを共同で利用し、管理してきた。コモンズとは、入会地とされる土地だけでなく、そこでの人々の共同の実践、関係、感覚の総体を指す概念である。

 しかし、明治時代に西洋の「所有」概念が導入されると、多くの入会地が個人に分割されたり、政府が管理する​​​​国有地になったりした。残った入会地も、「共有」という一つの所有形態をとることになる。人々はコモンズの感覚を徐々に忘れていった。

 この入会地のように、所有関係ではない形で何かを共に生産し、分かち合う関係や活動としてのコモンズは、人類の歴史の中で普遍的に存在してきた。

 近世までのイギリスにも共有地があった。それは、名目上は王のものだったとしても、実質的には誰もが自由に薪や果物を得たり、牧畜をしたりする場となっていた。

 しかし資本主義は、こうしたコモンズを解体することから始まる。16世紀に始まる、領主や地主が共有地に柵をめぐらせて私有地とした「エンクロージャー(囲い込み)」である。こうして人々は、コモンズから暴力的に切り離されたのである。

 コモンズから分離された人々は、もはや自分の労働力を売ることでしか生きられない。​​労働の自律性は失われ、損得勘定抜きの共同の生産は姿を消し、コモンズ的な関係は「近代的核家族」という非常に小さな単位のみに閉じ込められてしまった。資本主義は、すべてを商品化していく。

 しかしその一方で、現在でも、私たちの社会や生活の中にはコモンズが広く埋め込まれている。

 例えば、よくある「持ち寄りパーティー」のことを考えてみよう。それぞれが各自材料を持ち寄り、集まった材料を分担して調理し、出来上がったご飯をその場で分かち合って食べる。コモンズは、この瞬間の中にある。作られた食事のことだけではない。人々が集まり、おしゃべりをし、おせっかいや気遣いが混ざり合うときに現れる楽しみ、​​その中で作られる共同の関係こそが、コモンズなのである。

 すべてが私有化された現代の大都市の中でも、コモンズは作られ続けている。

 南米ベネズエラの首都カラカスでの事例を見てみよう。ベネズエラを襲った金融危機によって、カラカスの中心部で行われていた大規模なタワーマンションの建設が工程の9割が終わった段階で中断され、放置された。すると、このマンションに都市の貧困層が集まり、生活の場とし始めたのである。

 彼らは一緒に建物を掃除し、木を植え、手すりを設置し、共同スペースとリフトを造った。建物は進化し続け、住民は居住権を獲得するために自治組合を結成する。建設途中のタワーマンションに現れたこのコモンズは、「トレダビッド」と呼ばれる。こちらのサイトでは、その様子を記録した素晴らしい写真を見ることができる。

 大きく言えば、多様な人々の出会いによって生成され活性化する都市も、インターネットも、実はグローバルな協調を通じて日々新たに生み出され続けているコモンズそのものなのである。しかし資本は、こうして生成され続けるコモンズをすぐに私有化し、商品化する。都市の活気は家賃の上昇につながり、インターネットは広告と使用料に侵食され、エンクロージャーされる。

 私たちは、どうすれば自分たち自身の生活を描き出し、資本に奪われた自律性を取り戻すことができるのだろうか。私的所有と競争が唯一の価値・目的とされる近代的な生活とは異なる生活様式を創造する運動、実践を、どのように構想できるのだろうか。そう問いかけるとき、コモンズというキーワードは重要な意味を持ってくるのである。


類似する概念に「脱商品化」という言葉もあります。
医療・介護・住居・保育・教育などのサービスを「無償化」にするということです。
「脱資本主義」に向けての重要なキーワードとなるでしょう。
さらに今注目の「協同労働」と呼ばれる働き方もまた新しい社会への「扉」となるのではないでしょうか。

園のようす。

亜麻

ホウの花が咲いているようです。

 


教育社会学者・内田良氏 教員のタダ働きに甘える“学校依存社会”に警鐘

2024年06月10日 | 教育・学校

教育社会学者・内田良氏が公立教員「定額働かせ放題」問題に警鐘…「給特法」廃止と現場の意識改革が不可欠

日刊ゲンダイ2024/06/09

 いま、公教育が危機にさらされている。教員の長時間労働が常態化しているのだ。日本教職員組合が昨年発表した調査では、小中学校や高校教員の時間外労働の平均が、「過労死ライン」の月80時間を超えているという。特に問題視されているのが、公立学校教員に対し、残業代を支給しない代わりに月給4%を上乗せして支給する「給特法」だ。同法が長時間労働を容認し“定額働かせ放題”の温床になっていると指摘されている。半世紀ぶりの見直しで上乗せの4%が10%に引き上げられそうだが、根本的な解決にはならない。この問題に詳しい名古屋大学の内田良教授に話を聞いた。

 

■コストや労務管理の概念が欠落している

 ──教員の労働環境が悪化した背景にはまず、1971年に制定された教職員給与特別措置法(給特法)の問題が大きい。

「実際の労働時間に関係なく、一定量のみなし残業代を支給するシステムをつくったことで、定時や残業という概念が教育現場になくなってしまった。一般企業であれば残業代というコストが発生するので、おのずと時間外労働にブレーキがかかります。一方で、学校ではいくら教員が勤務時間外に働こうと、『給特法』によって月給の4%以上のコストは発生しない。そのため、コストの視点が欠落し、1970年代から一般企業ではタイムカードが普及する中、学校では労務管理という概念がなくなってしまいました」

 ──先月、文科省の中央教育審議会(中教審)の特別部会が、改善策として「給特法」の上乗せ分を10%に引き上げる提言をまとめた。しかし、教育現場では「給特法」自体にメスが入らなかったことに失望の声が広がっている。

「教員は別にお金が欲しいのではなく、早く家に帰りたいだけ。『給特法』が制定された1971年当時と比べて、教員の仕事は増大している。長時間労働に抑止力がかかるような、時代に即した法律の制定が不可欠です」

“聖職者メンタリティー”も共犯関係

  ──問題は「給特法」だけではないという。

「“聖職者メンタリティー”ともいうべき教員特有の考え方も、長時間労働に影響しています。日本の教育現場では、教員はお金や時間に関係なく、子供のために献身的に働くべきだという考え方が根強い。そのため、教員は私生活を犠牲にしてでも、部活動や学校行事、課外活動などに多くの時間を割いてしまう」

 ──聖職者メンタリティーも「給特法」と共犯関係になり、教職員の労働環境は悪化していった。そのことを象徴するような話がある。

「ある小学校が、コロナ禍で週に2回にしていた掃除の時間を、元の週5回に戻そうというのです。掃除が週2回になってもそこまで困ることではありませんし、働き方改革に逆行しています。掃除は1年生から6年生までみんなが協力するという貴重な機会で、教育的意義があるというのですが、教員40人で1日15分の掃除を週3回分増やすとして本来かかるはずの人件費を計算すると、年間300万円分のコストが発生します。労働時間と賃金がリンクしていないからこそ、いまだにコストの視点が欠落し、教育的意義のみで議論してしまう。現場の教員を責めるつもりはないのですが、これでは働き方改革の議論は進みません」 

 

教員のタダ働きに甘える“学校依存社会”に警鐘

 公立学校の教員に対し、残業代を支給しない代わりに月給の4%を上乗せして支給する「給特法(教職員給与特別措置法)」は、長時間労働を容認し、“定額働かせ放題”の温床になっていると問題視されている。そして、社会が学校に過度に依存していることも、教員の労働環境を悪化させる要因だという。

■部活動という休日出勤に誰も疑問を抱かない

 「先生は土日を含め、終日子供の面倒を見てくれるものだと、教員に対する社会全体の期待が物凄く大きい。私はこれを、“学校依存社会”と呼んでいます」

 ──“依存”の内容は多岐に及ぶ。

「例えば、子供が夜に出歩いていたとか、道端でうるさくしていたといった地域住民のクレームが学校に届くわけです。しかし、そういったことへの対応は本来、教員の職務の管轄外であり、家庭の問題であるはずです。他にも、土日にも部活動の顧問をしていることや、学校で起きたトラブルなどについて保護者の帰宅を待って電話するなど、教員の勤務時間外や管轄外の労働に、社会が疑問を抱かなくなってしまっている。教員も一人の私人であり、労働者です。にもかかわらず、勤務時間外にも子供の面倒を見ることを求め、教員に大きな負担をかけてしまっている。社会全体で改めて考えていかねばなりません」

 ──国もまた献身的に働く現場の教員に依存している。

「教員の待遇改善のため、労働時間に見合った給料を支給する制度に予算を配分するなど、財務省はもっと教育分野にお金を割くべきです。しかし、教員は自らを犠牲にし献身的に働いているので、現状の予算でも対応は可能だと考えているのでしょう。財務省は、文科省に予算をまわすことに消極的で、結局は教員の善意によるタダ働きに完全に甘えてしまっている。まさに“学校依存社会”を如実に表しているのです」

財務省は教育分野にしかるべき予算を

 ──そもそも予算が厳しい状況で、文科省は教員の働き方改革に抜本的な手を打つことができないでいる。NHKが教員の現状について「“定額働かせ放題”とも言われる」と報道したところ、文科省が「一面的な報道」だと抗議し、物議を醸した。

「文科省は、教員のなり手不足に最も頭を悩ませている。打つ手がない中で、少しでもネガティブなイメージが広がらないように、苦肉の策として今回のような行動に出たのだと考えられます」

 ──教育現場はすでに崩壊していると、内田教授は警鐘を鳴らす。

「現場では人手が全く足りておらず、教員は本分である授業の準備に時間を割けないでいます。校長先生などは、教員の補充のため『どこかに来てくれる教員はいないか』と、片っ端から電話をかけている状況。採用試験の倍率はあらゆる地域で急低下しており、教員免許を取得する要件が緩和されるなど、今やなりふり構わず教員を採用せざるを得なくなっている。そのため、すでに教育の質は担保できなくなってきています。いま一度、国に問いかけたいのは、学校がこんな状態でいいのかということです。未来を担う人材を育てるという重要な役割を持つ教育分野に、しかるべき予算を回すべきです」=おわり

(聞き手=橋本悠太/日刊ゲンダイ)

内田良(うちだ・りょう)1976年、福井県生まれ。名古屋大学大学院教授。専門は教育社会学。学校リスク(事故や長時間労働など)の調査・研究、啓発活動を行っている。


天気予報では☂マークが続いていたのでさぞ降ったもんだと思っていたのですが、畑は昼前に乾いてしまいました。

園のようす。


放送人GP贈賞式 大賞NHK「“冤罪”の深層」チーム でっち上げ大川原化工機事件

2024年06月09日 | 事件

「しんぶん赤旗」2024年6月6日

石原D「巨大な暴力に負けない人たち」

 放送に関わる多様な個人でつくる「放送人の会」が毎年、優れた番組を顕彰する「放送人グランプリ2024」の贈賞式が5月下旬、東京都内で行われました。(和田肇)

 

 大賞はNHKの「“冤罪(えんざい)”の深層」シリーズ制作チームでした。

 

深い取材と構成力

 番組は、軍事転用が可能な機械を中国に不正輸出したとして民間企業大川原化工機(横浜市)の3人が逮捕・起訴されたものの、実は警視庁公安部によるでっち上げだったという事実を内部告発文書や証言によって明らかにしました。組織の保全を図る公安と官僚たちの保身が冤罪を生んだ構図が浮き彫りになります。昨年9月から今年2月にかけてNHKスペシャルやETV特集で3作放送されました。

 授賞理由として「期待にたがわぬ深い取材と構成力で、深層に行き当たったのが成功のカギだった。今の日本は何事も真相がはっきりしない。偉い人に隠されてしまう。番組は現実に向き合い、人々が快哉(かいさい)を叫ぶぐらいの内容を与えた」と主催者が説明しました。

権力に問いは大切

 受賞した石原大史ディレクターは「協力者の力があって初めてできた番組だ。化工機の皆さんは、冤罪という巨大な暴力に負けることなく声をあげ続けている。この事件は東京地裁で勝訴したが、国側は控訴した。引き続き取材していきたい」と関係者に感謝。

 取材に携わった影山遥平記者は「記者クラブという権力に近い場所にいる記者として、権力に問いに行くこと自体が大切だ」。牧野大輝記者は「今回の公安部のように当局が世の中に知られたくない情報を深く取材し、表に出すことが記者に求められる仕事だ」と心構えを語りました。

優秀賞「フェンス」

 優秀賞は、NNNドキュメント’23「いろめがね~部落と差別」(山口放送)▽「連続ドラマW フェンス」(WOWOW)▽連続テレビ小説「らんまん」(NHK)▽「関東大震災から100年…112歳の証言と未来への提言」(ニッポン放送)の4作品が受賞。

 中でも野木亜紀子脚本、松本佳奈監督の「フェンス」(全5回)は、米軍基地の島・沖縄の現実を2人の女性の視点で描いた社会派ドラマの傑作として高く評価されました。

 企画提案した北野拓プロデューサーは「もともとNHK沖縄で米軍犯罪、性犯罪の取材をしていた。放送してもなかなか届かず、いつかドラマにしたいと考えていた。各社を回り奇跡的にWOWOWに拾ってもらった。沖縄を突き詰めることが、世界に届くんだという気持ちだ」と実現に至る思いを語りました。

 長年、地方で制作を続けた宮路りかディレクター(長崎放送)が特別賞に選ばれました。「九州にはドキュメンタリーの俊英が何人もいる。木村栄文さんもその一人。栄文さんに認めてもらいたいといろんな番組を作った。賞を励みに番組作りの面白さ、苦しさを後輩に伝えていきたい」と決意を新たにしていました。

 特別功労賞として松尾羊一(故人)と浜村淳が選ばれました。

大山勝美賞は家冨Pと松本D

 放送人の会2代目会長の名を冠し、若く優れたプロデューサー・ディレクターを表彰する大山勝美賞。今年は家冨未央プロデューサー(NHKエンタープライズ)と松本佳奈ディレクター(フリー)が選ばれました。

 「神の子はつぶやく」「光秀のスマホ」などを手掛けた家冨プロデューサー。北海道の酪農家の取材が原点だと振り返り「新しい取材でドラマを生み出すことを、諦めず、怠けず、やっていきたい」と意気込みました。

 「春になったら」(カンテレ)、「フェンス」(WOWOW)を演出した松本ディレクター。「監督とは答えのある仕事ではない。いろんな才能の人と一緒にモノを作る楽しさがドラマのだいご味だ。これからもすてきな人たちと作品を作っていきたい」


政権「広報」としてのNHKニュースはひどいものがあるがNHKの各局員の努力はすさまじいものがある。応援していきたいと思う。

園のようす。
亜麻が咲きだした。
朝、綺麗だなと思い午後に写真を撮りに行ったらすでに落ちていた。

 


なぜ天気予報で気候変動について伝えないの?

2024年06月08日 | 自然・農業・環境問題

井田寛子さん、斉田季実治さんも…「いま声を上げないと」語った決意 気象予報士ら44人が気候変動で共同声明

 
「東京新聞」2024年6月6日2 日 

 

 テレビ番組で活躍する気象予報士ら有志44人は5日、「気候変動問題の解決に向けて命と未来をつなぐ行動を加速させる」とする共同声明を発表した。天気予報の番組などで気候変動を伝える時間の拡大や伝え方の工夫に努める。

 このうち8人が国連大学本部(渋谷区)で記者会見し、問題解決に向けて「今日が第一歩」などと話した。この日は、国連が定める世界環境デーだった。

 声明は冒頭で「気象予報士・気象キャスターの多くは気候変動に危機感を持っています」と強調。近年の研究で、猛暑や豪雨の深刻化に地球温暖化が影響していることが分かってきたことに触れ、「気象と気候変動を関連づけた発信」に取り組み、人々の行動を変化させていくことに貢献する、とした。

◆アンケートに回答した130人のほぼ全員が「危機感持っている」

 声明の呼びかけ人や賛同人8人は、1人ずつマイクを握った。

 NHKの報道番組などで活動する気象予報士の斉田季実治(きみはる)さんは「天気予報は常に未来に目を向けて発信している。その中で、より先の未来、気候変動も伝えていくことが、多くの方に理解していただくためには大事だと考えています」と語った。

 呼びかけ人の気象予報士でキャスターの井田寛子さんは、昨夏の記録的な暑さを「1人の親としても危機感を感じました」と振り返り、「いま声を上げないと、変わるきっかけがないんじゃないか」と行動に移した理由を説明した。

 声明の発表に先立ち、4~5月に全国の気象予報士や気象キャスターに募ったアンケートでは、回答した130人のほぼ全員が「気候変動の危機感を感じている」と答えた。

 100人以上が「気象情報の中で気候変動をもっと伝えるべきだ」と考えている一方、過去に伝えたことがあるのは80人より少なく、気候変動の情報発信が不十分な現状も浮かんだ。

 共同声明の呼びかけ人たちは今後、メディア関係者との連携を深めて発信の機会増加を目指すほか、気候の専門家を招いた勉強会などで気象予報士らの知識向上も図る。(福岡範行)


さて、どこまで掘り下げることができるのか?
「それを防ぐために市民ができる行動について報じていく。」
というが、責任を「市民」に押し付けてしまわないのか?
「市民」レベルの「活動」とは?
「市民」がプラスチックの代替え品を使うとか、公共交通機関を使うとか、そんなレベルに落ち着きそうだ。
肝心なのは「エネルギー」である。
われわれ「市民」の活動とは、「大企業」に再生可能自然エネルギーを使えと求めることではないか?

次の話題に入るが、こんなことがあったのですね。
驚きました。
【衝撃】残念ながら日本にも「プラスチック米」が存在していました‥米に添加される危険成分とその見分け方


奨学金の返済支援 返済に苦しむ人も多いなか、自治体が独自の支援策を実施

2024年06月07日 | 生活

女性自身2024/06/07

    荻原博子

 

奨学金は、大学生の55%が利用しています(2022年度、日本学生支援機構)。国は2024年度から給付型奨学金を拡充しましたが、奨学金サイトを運営するガクシーによると、約8割が貸与型を受給。返済に苦しむ人も多いです。

そんななか、奨学金の返済を支援する自治体が増えています。

千葉県と千葉市は、教員採用者の奨学金返済を2024年度から支援します。条件は千葉県・千葉市で教員として11年以上働くこと。日本学生支援機構による無利子の第一種奨学金の返済を最大約307万円、全額を返済するまで補助します。

奨学金の借入総額は平均310万円ですから、約307万円の補助はほぼ返済全額に当たる人が多いでしょう(2022年9月、労働者福祉中央協議会)。教員採用者を対象とした返済全額の支援は全国初で、問い合わせが殺到したようです。

また、補助金は「代理返還制度」を活用して、教育委員会が直接、日本学生支援機構に払う点もメリットだと思います。奨学金を借りた本人は返済不要ですし、補助金は所得にならないので税金が増えることもないからです。

■大分市では卒業後、市内に住むか働くことで返済免除に

ほかの自治体でも医師や看護師、介護職などの人手不足解消を目指す支援が多く見られますが、中小企業の人手不足も深刻です。

兵庫県では、従業員の奨学金返済を補助する中小企業を支援しています。これまでも県内に本社がある中小企業で正社員として勤める人に、県と企業が2対1の割合で補助金を支給してきました。

2024年度からはさらに拡充します。補助期間を5年から最大17年に。対象年齢を30歳未満から40歳未満に。結果、補助額は県と企業を合わせて最大5年で90万円から、最大17年で306万円になります。UターンやIターンでも利用しやすくなるでしょう。

 返済免除の奨学金を立ち上げたのは大分市です。2025年度から「大分市返還免除型奨学資金」を始めます。対象は市内の高校に在籍するか、保護者が市内在住で市外の高校に通う人です。

奨学金は入学一時金として県内大学進学者に50万円、県外大学なら80万円。学費として年50万円、4年制大学だと200万円です。

卒業後は市内に住むか、市内の事業所で働くなどで、1年ごとに借入総額の5分の1が返済免除となり、5年で全額免除されます。若者に定着してほしいのでしょう。

自治体による奨学金の返済支援は2023年6月時点で42都道府県と717市区町村が実施しています。進路希望と合うものがあれば積極的に活用するといいでしょう。

5月29日には、三菱UFJ信託銀行が返済不要な給付型奨学金を支給するファンドを立ち上げると発表しました。富裕層などから資金を調達し、運用益で奨学金を支給する試みは国内初です。

若者が奨学金という名の借金を負わなくても済むような、もっと活用しやすい返済支援が広がってほしいものです。


これは全国に広まってほしいですね。
「自民党は裏金、学生は奨学金返済」ですものね。

「裏金幕引き改定案」が衆院通過しました。

園のようす。
緑が濃くなりました。
今日は23℃まで上がり、明日からの最低気温も二桁になり、ハウスの肩の部分を開けて帰ってきました。これでだいぶ楽になります。


蓮舫氏、連合や国民民主の「共産と連携する人は応援できない」批判にどう答えた? 東京都知事選

2024年06月06日 | 社会・経済

「東京新聞」2024年6月6日

東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に無所属での立候補を表明している立憲民主党の蓮舫参院議員は6日、共産党の支援を受けることに批判的な連合や国民民主党との連携をどう考えるかと国会内で報道陣に問われた。ただ、質問には正面から答えず、「基本的に無所属で臨みますので、オール東京で私を支援してくださる方をお1人でも多く募らせていただきたい」とかわした。(三輪喜人、宮尾幹成)

 

「『2番じゃダメです』と言われた」

蓮舫氏は、報道陣から自民党が3選出馬が確実視されている小池百合子都知事を支援する見通しであることについて問われると「今の自民党の行っている政治を私は評価できない」と指摘。「この政党から表でも裏でも支援を受ける方」とは「戦いがいがある」と述べた。都知事選への出馬表明にあたり、「某国対委員長からは『2番じゃダメです』と言われてます」とも明かした。

蓮舫氏は5月27日、立憲民主や共産、市民団体などでつくる選定委員会から推される形で出馬表明した。共産の田村智子委員長は、蓮舫氏を「全力で応援する」と話している。

これに対し、連合の芳野友子会長は「連合は共産党とは考え方が全く違う。そこの考え方を再度、立憲民主党には申し上げることになる」と指摘。小池氏については「全体的に連合東京の政策に理解をいただき、評価できる」と語っている。

また、国民民主の榛葉賀津也幹事長は「共産党と堂々と連携する人は応援できない。共産党と連携する人が東京の知事では困る」と述べ、共産を含む共闘に加わるのは難しいとの認識を示している。

◆立民・岡田幹事長「連合は自民べったりの都政を認めるのか」

立憲民主の岡田克也幹事長は4日の記者会見で、連合の芳野会長の発言について「今の自民党べったりの都政を認めるのですかと、お伺いしたい」と苦言を呈した。国民民主の対応に関しては「他党のことは他党が判断することなので、とやかく言うつもりはない」と答えるにとどめた。

岡田幹事長は、小池都政について「一番の問題は公約が果たされていないこと。自民党、特に都議会の『伏魔殿』をきちんとすると言われていたにも関わらず、今や自民党と二人三脚になっている」と強調。「今の小池都政をそのまま続けさせるわけにはいかない。蓮舫さんにはぜひ勝っていただきたい」と述べた。


小池氏の実績は明確である。
「出生率」をさげ「少子高齢化」をさらに進めた。

園のようす。
今年は「鉄線」がすごい。


マイナ保険証利用促進 国民の不安は払拭したのか?

2024年06月05日 | 生活

「東京新聞」2024年6月5日

  編集委員・長久保宏美

 今年12月2日の健康保険証廃止まで半年を切った。厚生労働省はマイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用促進のため、5~7月の利用件数の増加率に応じて最大で病院に20万円、薬局には10万円の一時金を支給する

 政府としては何としてもマイナ保険証への移行を達成したい考えだ。しかし、マイナ保険証の利用率は今年に入って上昇に転じたものの、依然として低迷。4月時点で6.56%にとどまっている。国家公務員のうち厚労省の本省職員が入る共済組合で8.40%(3月)だ。

 では、なぜ国民の利用率が上がらないのか。最大の理由は「今はメリットを感じず、制度に不安がある」からだ。

 厚労省は5月、マイナンバーと健康保険証のひも付け誤りが生じない仕組みを確保したと発表した。理論上、6月からひも付け誤りは起きない。これで安心してマイナ保険証を使えるようになるのか。この点について、取材した複数の医療関係者は「そう簡単にいかない」とクギを刺す。仕組みは完璧でも実行するのは人間だからだ。

 5月に公表された会計検査院の報告では、マイナンバーシステムが自治体で機能していない実態が明らかにされた。国民健康保険へ切り替えに際し、同システムでは前職の情報が得られ証明書が要らなくなるはずだったが、最新の情報に更新されておらず使えなかったのだ。

 健康保険組合の加入や資格喪失の情報をサーバーに登録するには10日以上かかることがある。このタイムラグ問題は簡単には解決しない。結婚や転居、転職というライフステージごとに保険組合が変わることがある。未更新期間に医療機関を受診し、資格確認ができず「保険資格なし」となれば、初診では全額実費となる可能性がある。また、文字コードの問題で氏名の一部が「●」で表示されるトラブルも解決していない。

 一方、政府の強引とも言えるマイナ保険証利用促進策の影響で4月以降、本紙読者からは「大手薬局チェーンの店舗で、マイナ保険証でないと薬は処方されないと聞いたが本当か」というメールが届いている。もし薬局が利用件数を増やすために、そのような対応をしたのなら問題だ。

 厚労省は4月17日、保険証の提示について「受診のたびにマイナンバーカードでの電子資格確認、現行の健康保険証の提出のいずれかで行うのが基本」とする事務連絡を都道府県などに出した。

 この中で提示頻度についてこれまでと同じ「月1回以上」を可とし「移行期間」ではマイナ保険証を利用しても何も変わらない。ただし移行後は毎回提示が原則で、利用者にとっては手間が増える。

 マイナンバーカード自体持っていない国民が3000万人以上いる現状で「マイナ保険証一本化」だけが独り歩きしてはならない。


昨日も札幌の皮膚科に行ってきたが、薬局で受付と精算時に「マイナ保険証おもちですか?」と聞かれ、さらにパンフレット3枚渡された。
これ以上の勧誘が続けば「ほかの薬局にするぞ」と脅かしてやろうと思う。

ところでこんなニュースも。

厚生労働省は5日、2023年の人口動態統計(概数)を発表した。
出生率1・20、最低更新 23年生まれ72万7千人

さらに

実質賃金、25カ月連続で減 最長更新、4月マイナス0・7%

何とかしようよ❕


蓮舫氏、食料支援現場へ 都庁前

2024年06月04日 | 生活

「ここに届く政策 もっと必要」

「しんぶん赤旗」2024年6月2日

 東京都知事選(20日告示・7月7日投開票)への立候補を表明した蓮舫参院議員(立憲民主党)が1日、「新宿ごはんプラス」と認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」が主催する食料支援の現場を訪問しました。

 食料配布が行われている都庁の下には開始前から列ができ、773人が受け取りました。「もやい」の大西連理事長は、物価高騰などで生活が困窮し、ここ数カ月は700人以上が来ていると説明。その中には、女性や若者を含め、さまざまな状況の人がおり、低所得者の生活を底上げするような重層的な支援が必要だと語ります。

 視察後、蓮舫氏は報道陣に対し「人数の多さに驚いた。現職の都知事も現場を見てほしい」と強調。国政では派遣法改悪を含め、格差が政治的に広がってしまったとし、「都の子育て政策など評価する点はたくさんあるが、ここ(食料支援に並ばざるを得ない人など)に届く政策がもっと必要だ」と語りました。

 都が48億円をつぎ込むプロジェクションマッピング(映像投影)について問われると、「都民が本当に望んでいるのか、予算の額が適正なのか、契約の在り方は透明なのかという視点で考えていかないといけない」と回答。今後も神宮外苑の視察や若者との意見交換など、「現場の声を積み重ね、公約として示したい」と語りました。


ここに並べないようにコーンを置いて邪魔した人もいたよ。
「排除」っていうことかな。
「排除ベンチ」まで思いだしてしまった。


「蓮舫叩き」が早速スタート。利権どっぷり小池百合子都知事に「忖度」を続ける大マスコミの腰抜けぶり

2024年06月03日 | 社会・経済

MAG2NEWS 2024.06.01

by 『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~

 

5月27日、今夏の都知事選への立候補表明会見を行った蓮舫氏。3選を目指すとされる「女帝」小池百合子現都知事に勝利することは容易ではないとの見方もありますが、『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』等の著作で知られる辻野晃一郎さんは、小池氏から東京を解放することが重要とします。なぜそのように判断するに至ったのでしょうか。辻野さんは自身のメルマガ『『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~』で今回、小池氏を政治家などにしていてはならない危険人物と見做すようになった理由を記すとともに、蓮舫氏に対する期待を綴っています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:蓮舫氏、「反自民」「非小池」を掲げて東京都知事選に立つ

 

プロフィール:辻野晃一郎(つじの・こういちろう)

福岡県生まれ新潟県育ち。84年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了しソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社しアレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長。また、2022年6月よりSMBC日興証券社外取締役。

 

早くも誹謗中傷も。「反自民」「非小池」を掲げて東京都知事選に立つ蓮舫氏の覚悟

 前号ではX(旧ツイッター)上になりすましアカウントを作られたことを報告しました。「なりすまし」とは「嘘」「虚偽」です。最近は有名人へのなりすましによる投資セミナー詐欺が流行って社会問題化しており、誰もがそれは悪いことだと思うでしょう。実際に詐欺被害が発生しているケースであれば犯罪ですし、被害が発生していなくても、なりすましをしただけで相手の名誉棄損や肖像権の侵害にあたります。

しかしながら、「嘘」や「虚偽」で塗り固められた人物が東京都知事であり続けることに対しては、何故人々はこんなにも寛容なのでしょうか。しかもその人が自分の嘘をごまかすためにエジプトの国立カイロ大学に協力を求め、その結果軍事政権であるエジプト政府に弱みを握られてそのエージェントのような振る舞いをしているとしたら?嘘でのし上がったまま、東京都民の為の政治ではなく、自らの立身出世の為に都政を踏み台にしているとしたら?

5月27日、蓮舫氏が次期東京都知事選に立候補を表明して記者会見を行いました。前日には、大相撲夏場所で久々の大型新人力士である大の里が優勝して明るい気持ちになりましたが、蓮舫氏の記者会見を見て、東京都の上を長いこと覆い続けてきたドス黒い雲が一気に晴れるような爽快な気持ちになりました。

東京都知事に立候補するということ、さらに相手は「女帝」と呼ばれ東京都民の圧倒的な支持を得て2期に渡って君臨し続けてきた小池百合子氏ですから、まさにボロボロにされる覚悟がなければ立候補など出来ません。巷では、さっそく蓮舫氏に対する足の引っ張りや攻撃、誹謗中傷が始まっています。

公約など無視して利権政治にどっぷりと浸かる小池都知事

小池氏の、出自からして嘘で塗り固められた半生は、2020年5月に発売された石井妙子氏の『女帝 小池百合子』(文藝春秋)に詳しく書かれています。かねて小池氏にある種の胡散臭さを感じていた私は、同年7月の都知事選挙に備えて、発売と同時にこの本を入手して読みました。石井氏の綿密な取材に基づいてその本に描かれた同氏の実態はまさに驚くべきものでした。

それ以来、私はこの人は政治家などにしていてはならない危険人物と見做すようになりました。もちろん、この本だけではなく、小池氏の問題については、作家の黒木亮氏ジャーナリストの浅川芳裕氏弁護士の郷原信郎氏などが地道に追及して発信を続けています。加えて、今年4月には、小池氏の元最側近であった小島敏郎氏から「2020年6月に駐日エジプト大使館のフェイスブックに掲載された、小池氏のカイロ大学卒業を証明するとの声明文は、小池氏側が自作したものである」との告発がありました。また、小池氏のカイロ留学時代に同居していて『女帝 小池百合子』では仮名で登場していた北原百代氏が、この本の文庫化に合わせて実名の公開に踏み切り、あらためて実名で小池氏の嘘を告発しています。これらのことにより、今や小池氏の虚像と実像については、十分な裏付けが得られていると解釈して問題ないと思います。

そもそも小池氏は、東京都議会自民党との対決姿勢をアピールして都知事になった人物ですが、その後はすっかり変節して、今や自民党べったり、引退した森喜朗氏や二階俊博氏、裏金議員の筆頭格で党内処分や説明責任から逃げ回っている萩生田光一氏などと結託して国政復帰を画策してきました。別にもともと都政に興味があったわけではなく、都知事のポジションは政治家としての自身の延命のための退避先だったのでしょう。「都民が決める。都民と進める」とした改革路線も見せ掛けだけ、「7つのゼロ」だの「12のゼロ」などと都民に約束した公約も一切無視して、神宮外苑の再開発や築地の再開発を始め、利権政治にどっぷりと浸かっています。

さらには、2020年7月の小池氏にとっては2期目となる都知事選挙の際に、カイロ大学に協力を求めて自作の声明文を出させ、その中で学歴詐称疑惑を打ち消すと共に日本のメディアに圧力をかけました。その結果再選を果たしたとすれば、エジプトの国家権力を誘導して都知事選挙への介入を許したと解釈することができます。エジプト事情に詳しい前出の浅川氏によると、エジプト政府に借りが出来た小池氏は、その後、まるでエジプト政府から東京都に送り込まれたエージェントのような立ち位置でエジプトへの支援を続けており、教育支援やODAなどの名目でエジプトに流れた金は累計で300億円にものぼると指摘しています。

小池問題の本質は、単なる学歴詐称や私文書偽造、それによる公職選挙法違反に留まらず、外国の国家権力に、日本の首都東京の都知事という権力者が弱みを握られて利用される関係になり、そのような関係作りを小池氏自らが自分自身の保身のために行った、というところにあります。これは東京都民や日本国民への明らかな裏切り行為であり立派な政治犯罪でしょう。

詳細については、ここで私が繰り返すよりも、以下の動画や記事を参照してください。

● 【ジャーナリスト浅川芳裕氏と語る小池百合子氏学歴詐称「カイロ大学声明」の本質】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」
● 【黒木・浅川・郷原鼎談「カイロ大声明」はジャーナリストに対する脅迫!~小池氏関与の法的責任は?】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」
● 【小池百合子都知事 元側近の爆弾告発】小島敏郎「『私は学歴詐称工作に加担してしまった』」フルバージョン(月刊文藝春秋5月号掲載)
● 徹底研究!小池百合子「カイロ大卒」の真偽〈1〉

異常な日本政治を変える起点となる蓮舫氏のチャレンジ

 ところが、このようなことを東京都民も日本国民もあまりきちんと理解していません。有名な大企業で経営幹部の立場にいるような人たちと雑談してこの話をしても、「え、そうなんですか!?」と驚く方が多く、小池都政の実態についてあまりご存じない方が多いです。それは、無理もないことで、大手メディアがほとんど報道しないからです。ジャニーズ問題で反省を口にした大手メディアでしたが、その後も各社の体質は何も変わっておらず、相変わらず権力に忖度し、自分たちの保身を優先して、本来国民が知るべきことを報じません。今回の蓮舫氏の記者会見時の質問にもありましたが、現在の都知事の定例会見は非常に閉鎖的で、小池氏にとって都合の悪い質問をする記者は締め出されているか、質問しようとしてもまったく指名されない状態が続いています。

今回、蓮舫氏が都知事選で勝利するかどうかはわかりません。人気に陰りが出ているとはいえ、前回も366万票という圧倒的な都民の支持を得て当選した小池氏が手ごわい相手であることに変わりはなく、厳しい選挙戦になるでしょう。しかしそれでも、参議院議員の立場を捨ててこの闘いに挑戦する蓮舫氏の勇気にはエールを送りたいと思います。少なくとも、強力な対抗馬が登場したことによって、小池氏に忖度する大手メディアも都知事選の動向を取り上げざるを得なくなり、小池氏の実態を知る都民が増えることは間違いないと思います。

今の日本の政治は異常です。国政においては、長年にわたって組織犯罪とも言える裏金作りを続けてきた自民党裏金議員たちが、まともに法の裁きを受けないどころか、何の反省もないまま、再発防止のための政治改革の議論にまで加わっています。犯罪者たちに犯罪を取り締まる改革など出来るわけがなく、自民党の改革案などをまともに相手にすること自体がナンセンスこの上ありません。裏金作りの手口も、安倍派方式や二階派方式に加えて、茂木方式、岸田方式などさまざま発覚していますが、この原稿を書いている傍らでも、裏金を原資として自分が代表を務める党支部に寄付し、所得税の控除を受けるという新たな手口がまた見つかっています。

都政が変われば国政にも大きな影響があります。蓮舫氏のチャレンジが、嘘と汚い金にまみれた日本の政治を浄化する一石となることを願わずにはおれませんし、微力ながらそうなるように応援していきたいと思います。

ウソで塗り固めた野心の塊のような人から東京を解放することが重要

■読者の質問に答えます!(メルマガ内Q&Aコーナー)

Q:次の東京都知事選、辻野さんはどうなると思われますか?若い人たちに今回は本当に本当に選挙に行ってほしいです

A:今号の「気になったニュースから」では次回の東京都知事選について書きましたが、まさに関連の質問をいただいておりましたので、少し補足したいと思います。

本稿で書いたようなエジプト政府を巻き込んだ政治犯罪については横に置いておいたとしても、一都民として、小池都政をこれ以上続けることはあってはならないことだと思っています。

小池氏は、1期目の就任時には「都民が決める。都民と進める」をスローガンに掲げて「都民の、都民による、都民のための都政」を標榜しました。そして2期目の就任時には「東京の未来は、都民と決める」として「東京大改革2.0」などを掲げました。しかし、過去8年間の小池都政を振り返ってみて感じる事は、都民ファーストの都政ではなく、百合子ファーストの都政に終始した、ということだけです。

もともと女性初の総理大臣になることが目標の彼女にとっては、冷や飯を食わされた安倍政権時代の一時避難先として東京都知事を選択したに過ぎません。東京都に思い入れがあるわけでも、都政に関心があるわけでも、都民のことを思っているわけでもありません。やってきたことはすべて自分の為の政治的なパフォーマンスだったと断じて構わないと思います。

もともと反自民で都民の圧倒的な支持を得ておきながら、今では自公べったりで、やっていることは自民党の利権政治の東京版です。「伐採女帝」のあだ名も付きましたが、東京五輪利権や、神宮外苑、葛西臨海公園、日比谷公園、築地市場の再開発など、旧態依然としたゼネコン利権などとべったりであることは明白です。憩いの場が無くなり、歴史的価値のある建造物が壊されてしまうことに反対する都民の声などにはまったく聞く耳を持っていません。神宮外苑の再開発では、亡くなった坂本龍一さんの最期の魂の訴えを軽くあしらったことも記憶に新しいと思います。

まずはこの嘘で塗り固めた野心の塊のような人から東京都を解放することが重要で、その為には強力な対抗馬が必要でしたが、蓮舫氏はまさに最適だと思います。もちろん、激しい選挙戦になるでしょうし、蓮舫氏が当選するかどうかはわかりません。また当選した後、蓮舫氏がどのような都政を行うのかについても未知数です。しかしそれでも、小池都政はこれで終わりにすることが東京都の為であり、日本の為であると確信しています。


今の日本の政治は異常です。
そして、それを支持するインフルエンサーが少なくないということもまたとても異常に想われます。
「批判ばかり」と言いますが、まずは「批判」から始まるのではないでしょうか。
まさに「批判」のための「批判」に陥っているのはどちらでしょうか?


逆転無罪が相次ぐ「関西生コン事件」が示す民主主義の危機

2024年06月02日 | 社会・経済

保育園に入れるための就労証明が犯罪? 労組は反社? 

「東京新聞」2024年6月2日 
 
 2018年以降、「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)」の組合員81人が逮捕され、威力業務妨害や恐喝未遂などの罪で66人が起訴された。だが公判段階になり、一部無罪を含め11人の無罪が確定している。労働組合活動に対する恣意(しい)的な法執行や長期間の身体拘束に、関係者や専門家から改めて批判の声が上がっている。(山田祐一郎)

◆無罪が確定しても妻や子は…

 「無罪が確定しても家族が帰ってくるわけではない」。関生支部の武谷新吾副執行委員長(60)が「こちら特報部」の取材につぶやいた。書記次長だった2019年7月、和歌山県警に、他の組合員2人とともに強要未遂と威力業務妨害容疑で逮捕された。生コン事業者の協同組合の事務所で理事長に対し、どなりつけたり謝罪するよう要求したりしたとして起訴され、22年3月の和歌山地裁判決は懲役1年4月、執行猶予3年の有罪。だが昨年3月、大阪高裁は全員を逆転無罪とし、確定した。
 高裁判決は、協同組合側が関生支部の組合員に元暴力団員を使って圧力をかけたことが発端とし、「暴力行為を伴わず、労働組合が団結権を守るための正当な行為だった」と認めた。
 関生支部は、ミキサー車運転手らが個人で加盟できる産業別労働組合。団体交渉で勝ち取った労働条件を業界全体に適用する。一審判決は、組合員が事業者の協同組合と雇用関係がないことを理由に労組としての活動であることを認めなかったが、控訴審判決は「業界企業の経営者・使用者が労働関係上の当事者に当たる」との判断を示した。
 
 「無罪判決後、同県内で組合活動すると、経営者側にも話を聞いてもらえるようになった」と武谷さん。ただ事件の影響で、十数人いた和歌山ブロックの組合員はゼロに。支部全体でも1300人ほどいた組合員は500人に激減した。逮捕から1カ月ほどで保釈されたが、保釈条件は組合支部事務所への立ち入りと組合員との接触を禁じるなど組合活動を不可能にするもの。「結局は軟禁状態だった」と振り返る。
 無罪判決を受けても生活は大きく変わったままだ。妻と2人の子どもとは別居状態。逮捕前、自宅付近に「利権暴力集団」などと書かれたビラをまかれた。「逮捕された時点で、悪いことをしたと決めつけられてしまう」と憤る。

◆賃上げ求めたゼネストが発端に

 一連の事件は、2017年末に賃上げを求めて関生支部が行ったゼネストが発端。大阪、京都、和歌山、滋賀の4府県警が同支部の組合員を次々と逮捕した。事件化された組合活動は13件。ストをはじめ、工事現場で業者の法令違反を指摘する「コンプライアンス活動」や正社員化を求めたことなどが犯罪行為とされた。
 無罪判決は武谷さんらの事件以外でも。生コンの調達先を関生支部と提携関係にある協同組合加入社に変更させようと、建設会社の周辺で工事の不備を指摘し、業務を妨害したとされる事件では今年2月、大津地裁が7人を無罪とし、確定した。コンプライアンス活動の違法性を認めて2人を有罪としたが、ビラまきにかかわった7人は「他地域から動員され、詳細な目的を把握しておらず共謀は認められない」と無罪とした。当時の執行委員長も一部恐喝が無罪となった。
 一連の事件に対し、弁護士有志は18年12月の声明で「共謀罪適用のリハーサルだ」と批判。労組活動に対し、前年に成立した改正組織犯罪処罰法のテロ等準備罪(共謀罪)が適用される恐れを指摘した。翌年には、労働法学者有志78人が声明を発表。「警察や検察は、組合活動を軽微な違反に因縁をつける反社会的集団による妨害行為と捉えている」と抗議した。

◆正当なはずの黙秘で勾留は644日間にも及んだ

 事件では、当時の関生支部の執行委員長、副執行委員長のツートップに対し、「主導的立場」として再逮捕、追起訴が繰り返された。当時、副執行委員長だった湯川裕司・現執行委員長(51)は8回起訴され、勾留は644日に及んだ。
 
 「黙秘や否認をすると、裁判所は罪証隠滅や逃亡の恐れがあるとみなす。正当な防衛手段としての黙秘なのに、簡単に勾留を認めてしまう。労働事件でここまで逮捕する必要性があるのか」。昨年3月、大津地裁で恐喝未遂や威力業務妨害などの罪で懲役4年の有罪判決を言い渡され、控訴している。
 逮捕された組合員に、捜査機関が労組脱退を勧奨する言動もあったという。「『もうやめはったらどうですか』と、そういう話ばかり」と湯川さん。「公権力が、労組を暴力団と同じ論理に当てはめてやってくる」
 湯川さんや武谷さんらは20年、国などを相手取り、一連の捜査が憲法28条や労働組合法が保障する団結権を侵害し、恣意的な拘禁に当たるなどとして国家賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。7月11日に予定されている口頭弁論では、刑事事件で無罪判決が相次いでいる現状について意見陳述で訴える方針だ。

◆これは本当に現代日本の出来事なのか

 5月には、昨年夏に日本で調査を行った国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が報告書を公表。関西生コン事件について「日常の組合活動に参加したことで法的措置に直面した」とし、労働組合が正当な方法で活動できることの重要性を強調した。
 事件についての著書「賃金破壊 労働運動を『犯罪』にする国」があるジャーナリストの竹信三恵子さんは「事件を知ったとき、本当に日本での話なのかと驚愕(きょうがく)した」と語る。「暴行」「傷害」といった容疑はなく、「恐喝」や「強要」またその未遂など「取り締まる側の解釈に左右され得る容疑ばかりだ」。
 特に違和感を覚えたのは、労働者の就労証明書を会社に求めたことが強要未遂罪とみなされたことという。「子どもを保育園に通わせるために必須の書類を求めたことが犯罪とされたのは衝撃だ」。この事件では大阪高裁で組合員に無罪判決が出たが昨年、最高裁が二審判決を破棄、審理を差し戻した。

◆企業別労組が中心となっている日本は世界でも珍しい

 2021年に国内で裁判が確定した21万3000人余のうち、無罪は94人で0.04%。だが関西生コン事件は、起訴された組合員の6人に1人が無罪となっている。
 「異例の事態と考えてもおかしくないが、ほとんどのメディアが沈黙している。狙いは労働組合つぶしに向けたイメージ悪化であり、こういう団体にいると逮捕されるという脅しにも思える」。背景を「非正規が増え、正社員は成果主義が進む。労働者が分断されて労組全体の存在感が失われている」と説明する。
 
 大東文化大の古川陽二名誉教授(労働法)は「欧州では労働者全体の利益を考える産業別労組が多く、企業別労組が中心となっている日本は世界でも珍しい。裁判所が、企業別労組を前提にした法理論に立って判断し、関生支部のストを労働基本権保障の範囲外とするのは、産業別労組の存在意義に対する無知、無理解がある」と指摘する。
 「国家権力が刑事事件として、ここまで関生支部の活動に介入するのは異常だ」と危機感を募らせ、こう危ぶむ。「この何十年間、日本では、ほとんどストがないことが当たり前となっている。労組の活動が停滞すれば、労働者全体の不利益になるだけでなく、民主主義の危機でもあるということが認識されていない」

◆デスクメモ

 大手百貨店で61年ぶりに実施された昨夏のそごう・西武労組のスト。従業員の切実な表情に、労働者の権利への理解が広がった。企業別労組に分断されている日本で、他の百貨店の13労組も共闘。生活苦が広がっているからこそ注目されたことを警察、検察、裁判所も分かってほしい。(本)

労働運動の衰退が民主主義全般の危機に直面している。
今や「経団連」のいうがままである。
 
園の花。
 

ミャンマーとの交流に潜む国軍のプロパガンダ利用の恐れ

2024年06月01日 | 社会・経済

サッカーも動物園も…日本は無神経すぎないか 

2024年6月1日 12時00分
<ミャンマーの声>
 日本サッカー協会(JFA)がミャンマーサッカー連盟(MFF)と締結したパートナーシップ協定を巡り、在日ミャンマー人らが31日、JFAに抗議の申し入れをした。日本はクーデター後の体制を問題視せず、協力していると、MFFと密接なミャンマー国軍に政治利用される恐れがあるからだ。国軍による市民の弾圧が続く中、協定には無神経さが漂うが、単なるサッカー界の話で片付けられるだろうか。(曽田晋太郎、岸本拓也)

◆「悲劇に目を背ける協定、失望を禁じ得ない」

 31日夕方、在日ミャンマー人らが東京都文京区のJFAを訪れ、宮本恒靖会長宛ての
申し入れ書を提出した。
 
 問題視しているのは、宮本会長と、ミャンマー国軍に近い政商でもあるゾーゾーMFF会長との間で22日に交わされた協定。期間は3年間で、若手選手の育成や女子サッカー強化を支援するという内容だ。
 申し入れ書は、2021年2月のクーデター後、国軍による弾圧で5100人以上が殺害され、2万6000人以上が拘束されたほか、国軍と民主派などとの戦闘も続き、国内避難民は300万人に及ぶと指摘。21年5月に前回ワールドカップ(W杯)予選で来日した同国代表ピエリヤンアウン選手が亡命した件にも触れた。
 こうした状況での協定について「ミャンマーで起きている悲劇に目を背け、何事もなかったかのように事業を進める協定には失望を禁じ得ない」と批判し、協定の破棄や停止を求めた。

◆6日ヤンゴンでのW杯予選開催にも疑問

 6月6日に最大都市ヤンゴンで日本とミャンマーが対戦する26年W杯の予選にも疑義を唱えた。地方を中心に戦闘が続き、戒厳令下の地域もある中で「『軍の統治はうまくいっている』と国際的にアピールするプロパガンダに利用される」と懸念を表明。試合に際しJFAと日本代表が弾圧を看過しないというメッセージを発するよう要望した。

 この日、抗議に賛同する日本人を含め7人が訪れたが、事前のJFAの要請で、担当者との面会はミャンマー人2人に制限された。

 その一人、「在日ビルマ市民労働組合」のミンスイ会長(63)によると、面会時間は10分ほど。協定や代表戦への考えを伝えたが、担当者は申し入れ書を受け取ったものの、具体的な返答はなかったという。
 「こちら特報部」も31日、JFAに申し入れへの受け止めを尋ねたが、午後9時までに回答はなかった。
 ミンスイ氏は「協定締結は日本とミャンマー国軍とのつながりを認めることにもなりかねず、国際社会からは批判の目も向けられるだろう。国軍に利用されることがなぜ分からないのか」と重ねて疑問を示した。

◆なぜ今協定を結ばないといけないのか

 面会したもう一人はミャンマーの元プロサッカー選手のハンセイン氏(58)だ。ヤンゴン大在学時、プロ選手になったが、1988年に起きた民主化運動に参加した後、日本に逃れ、難民認定された。今は在日ミャンマー人のサッカーチームで監督を務める。

 ハンセイン氏は「平和や民主化が実現してから協定を締結するなら納得するが、なぜ今結ばないといけないのか」と首をかしげる。代表戦については「日本だけで開催地を決めるわけではない事情は分かるが、軍に利用されかねないので『ヤンゴンで試合ができてありがとう』とは決して言わないでほしい」と求める。

 面会を建物の外で見守ったソーテイナイン氏(54)は「JFAは軍政のプロパガンダに協力してはいけない。協定は破棄してほしい」と主張。「(JFAの)支援に反対するミャンマー国民の意見を大事にしてほしい」と訴えた。

◆外務省に助言求めたら「問題ない」と

 ミャンマー人らに違和感を覚えさせるケースは他にもある。
 福岡市動物園はミャンマーからアジアゾウ4頭の受け入れ準備を進めている。クーデター前の2019年12月、姉妹都市のヤンゴン市と結んだ覚書に基づく事業で、福岡市からもライオンなどを提供するという。
 市によると、当初、22年春の受け入れ予定だったが、コロナ禍や輸出手続きの遅れのため、現在も時期は未定だ。市の担当者は「夏ごろまでには…」と話す。

 ミャンマーでゾウは、かつて王権の象徴とされた特別な動物だ。受け入れはクーデター後の軍政の容認と受け止められないか。市幹部は21年12月の市議会で「クーデターや軍事政権を認めることにはならず、国軍の体制強化につながるものではないと外務省から助言を受けている」と答弁した。改めて市に聞くと、担当者は「動物の交流事業に金銭のやりとりは伴わず、国軍の強化につながるものでもない」と答えた。

 しかし、上智大の根本敬名誉教授(ミャンマー近現代史)は「ゾウが贈られたら、ミャンマーで国軍の統制下にあるメディアが『日本人が喜んでいる』と報道するだろう。日本側が関係ないと言っても、軍政の喧伝(けんでん)に使われるのは明らか。受け入れ延期が賢明ではないか」と指摘する。

◆外国人への日本の冷たさ、入管難民法改定案にも

 国政レベルで物議を醸した事業もある。防衛省はクーデター後も国軍の軍人を来日させ、教育訓練を施していた。批判を受けて23年度から新規の受け入れは停止したが、受け入れ済みの軍人の教育は続けた。
 政府開発援助(ODA)もクーデター前からの案件は継続。このうちバゴー橋の建設事業では、クーデター後に日系企業から国軍系企業に約200万ドル(約3億1000万円)が支払われ、さらに未払い分もあることが判明している。
 市民を弾圧する国軍に対してあいまいさの残る日本の姿勢。ミャンマー出身の自営業アウンミャッウィン氏(49)は、国会で審議中の入管難民法の改定案を引き合いに「弱い立場の外国人に対する冷たさを感じる」と話す。

 改定案は、税金や社会保険料を故意に支払わない場合に永住許可を取り消せる規定を盛り込んだ。同氏は1998年に来日し、難民認定を受け、永住資格を持つ。身銭を切って同胞の生活支援を続ける同氏は「長年、日本人と同じように税金を払ってきても、なぜ滞納したら外国人だけ重い罰を受けるのか」と憤る。

◆自由に発言できる日本に魅力を感じて来た

 クーデター後、日本に渡るミャンマー人は急増し、昨年末時点で在留者は9万人近くに上る。前出の根本氏は「言葉が全く異なり、賃金も今や高くない日本に、ミャンマー人が来るのは、民主主義で人権が守られ、自由に発言できることに魅力を感じているからだ」と強調する。
 JFAの協定を含め、軍政を利するような対応は「『なぜ日本が』という思いをミャンマー人に抱かせる」。そして「国際社会が日本を見る目が変わる恐れもある」と警鐘を鳴らす。
 クーデターから3年余り。日本人のミャンマーに対する関心の低下が、さまざまな出来事に表れている可能性がある。
 根本氏は説く。「なぜ彼らが日本に来ているのかを考えてほしい。自国の軍に殺されるとんでもない事態が起きていて、彼らは祖国の人たちを支援するために、日本で勉強し、コンビニや建設現場で働いている。そうした事情を理解することで、日本人が普段、空気のように思っている民主主義や人権を考える機会にもなる」

◆デスクメモ

 避難民が家に戻れない一因は国軍などが敷設した地雷だ。足を失う被害が絶えない。ボールを蹴れない体になった若者が続出しているのに「若手選手育成」をうたうのは、残酷で無神経ではないか。声を上げられない人々もいる。現実を知る努力と想像力が私たちに求められている。(北)

クーデターという反民主主義政権を支持する道理はない。
「お金」が絡んでいる。
「自公政権」の尋常手段だ。

園のようす。
久々の20℃超え。
それでも、最低気温は10℃を下回る。
ハウスを閉めて帰りたいのだが、まだ暑いし明朝は晴れの予報。
なので少しだけ開けて帰ってきた。
夜はまたストーブだ。
スベリヒユ

 
カモミール

そのほかの花