引退の決まったJR九州の86、誕生100年記念列車を撮る

Weblog / 2023-01-24 00:28:38

長らく豊肥本線や人吉線で活躍してきたSLの58654号機が、近々引退することが決まったと、１０月ごろにアナウンスがありました。直近の主戦場である人吉線が水害で甚大な被害を受け、復旧の目途が立たないことも大きな要因であろうと推測されますが、次の全検は通さずそのまま引退となる見込みです。JR九州唯一のSL牽引客車列車の運行を中止することは非常に残念です。新幹線利用を絡め、風光明媚で車両への負担が大きな勾配がきつい区間は避けるとなると、走らせるところがなかったのだろうと思いますが、三角線でも大村線でもいいので（片道はDL牽引でもいいので）運行は続けてほしかったですね。

その引退を前に、製造から100年走り続けたことを記念する列車が熊本～八代で運行され、八代でイベントが開かれるとのプレスリリースがありました。これまで58654号機を撮る機会はなかったのですが、偶然にも出張に重なり、運転日に熊本に滞在していたこともあり、仕事の合間に一目見る時間が取れそう。運行時間と区間から推測すると、どこで撮ってもさえない光線になってしまいますがそんな事も言ってられません。過去の乏しい記憶を頼りに、銀釜4093レを追いかけた時に無難に撮れた小川駅をチョイス。熊本駅より列車に乗って南下し、小川駅へ向かいます。今回は出張の合間で少ない機材での撮影であり、時間もそこまで割けないためお手軽駅撮りですが仕方ありません。

駅に着いてびっくり。駅の熊本方は、ホーム全体にとんでもない勢いの雑草が背の高さ程度生い茂り、とても先端へたどり着けるような感じではありません（ホームの縁を歩けばいけないことはないのですが、現在のレギュレーションではアウトでしょう）。仕方なく、草が生えていないところまで下がって（即ち、普段ホームとして使われている部分）熊本方面を見渡してみますが、これまた左手の雑草が大いにアングルを遮り、ホーム手前右側の茂みは逆に消え去ってしまい、駅前の住宅があらわに・・、以前のような構図はとてもとれません。三脚設置は早々に断念し、手持ちであればホームが掛かれば何とか短い貨物なら撮れるかもしれないと、先にやって来る4093レを狙ってみます。303号機の登板を淡く期待していましたが、全くの外れで、本日は青白の500番台。これも貴重なパーイチには変わりなく、試し撮りする相手ではないですが、その前に来る3両編成程度の普通列車で練習し、通過を待ちました。
どう工夫しても、左手に広がる茂みを回避したければ、沿線の住宅などが先頭車両の右側に写り込んでしまいます。好ましい感じではありませんが、簡単に移動することもできないため、妥協に妥協を重ね、構図を考えます。どうにか撮るには撮れましたが、不完全燃焼の出来栄え。出張ついでなので撮れただけでも御の字としなければいけませんね。

遠くから汽笛の音が聞こえ、黒い煙も見えるようになると、もうすぐ通過となります。平坦な区間ですが、予想に反してサービス満点の爆煙でやってきてくれました。
煙を構図になるべく多く取り入れるべく、ホームに掛かる前に１枚。速度はそこまで早くないため、煙はそれほどたなびいてはいません。HMはSL人吉号のままでした。