monmon photo
日頃撮影した写真の記録。鉄道中心に。

個人的な範囲以外での画像の無断使用を禁じます。
 



初めてそろそろ10周年となる当blogですが、1か月以上記事をアップしなかったのは初めてのように思います。普段撮りがほぼなくなり、ネタのみの撮影中心で出撃回数が大幅に減っている事などが大きな要因でしょうか。忙しくても撮りに行きたいと思う被写体が本当に減りました。

まだ上げていない写真はあるのですが、7月半ばに撃沈した東北遠征の様子を記したいと思います。
まずは、秋田を中心に豪雨被害にあわれた方に謹んでお見舞い申し上げます。私自身今回この豪雨に遭遇して様々な現場を目にしましたがどれも相当な被害に見えました。

今年も本州内のみとはいえ、ほぼ毎週のように走ってくれるカシオペア紀行は大変魅力的な被写体です。パーイチがその牽引の任についているという事が大きく、夜行運行で青森や盛岡に朝到着という短縮運行が幸いし、時間調整停車が発生することから岩手・青森県内で追っかけ、回送も追っかけと合計数発撮影する事は固く、週末2日をつぶす価値のある遠征が組めます。田端のパーイチなら私にとってはどの釜が牽いてくれても新鮮です。
予定をやりくりして7/22-23で日程を確保、この週は青森までの運行です。周囲に計画を話すとcho君がのって来てくれたのでレンタ代などの折半も可能となりました。どのように組めば最も効率的かつ経済的か考えた末、秋田まで空路、レンタで回るプランに落ち着きました。

ところが、梅雨の頃はあんなに雨が降らなかったにもかかわず、遠征日の東北地表の天気が芳しくなく、日が近づいても改善の兆しがありません。しかし事前に格安運賃で手配した航空券は乗らなければただの紙くずになるだけ。それなら行ってから考えようと、荒天決行としました。

当日、伊丹空港へ到着すると、案内は「天候不良のため引き返すか、近くの他空港に降りる可能性あり」の条件付き運行となっています。折り返し搭乗予定の到着便も遅れており現地の荒天具合がうかがわれます。しかし、30分遅れで飛び立った機体は多少着陸時に揺れが大きかったものの無事に秋田空港へ到着。到着時は小雨ぐらいの天候でした。
ところが、1時間前の便で先についているはずのcho君に連絡を取ってみると、天候不良のため仙台に着陸してしまったとの事。ANAから秋田新幹線代を支給されたようですが、秋田新幹線も雨により運休(結局は路盤崩落でその後しばらく運休が続きました)しておりどうしようかとのこと。秋田は、帰りに追いかけた後に帰るための場所だったため、明日の開始地点である八戸で合流する事にして、予定通りレンタを回収して一人八戸を目指す事にしました。

レンタカー会社のマイクロバスで営業所に向かう途中、土砂崩れで道路が半分埋まっている所などをすり抜け、何とか車を手に入れましたが、道路は通行止めと渋滞でなかなか市街地を抜けられません。大館付近まで北上し、能代空港をかすめて角館から高速にのって八戸へ。終始雨が降ったり止んだりの状況でした。
宿で合流後作戦を練りますが、とりあえず予定通りいこうという事になります。この日の牽引機は田端へ転属してきた双頭連結器を備えた139号機。あけぼので何度か撮影している厳つい顔が好きな釜です。ちょっと前まではカシオペアの先頭に付くなんて考えられなかった組み合わせで私にとってはあたりです。

朝5時過ぎに起きて晴れれば早朝順光になるはずだった撮影地へ向かいますが、かなりの雨の勢いで気持ちが削がれます。それでも目指す撮影地へ到着すると1名地元の同業者の方がやって来ました。撮影地の下見もそこそこに車で待機しますが、先にやってくるはずの下り貨物は姿を見せません。まだ時間があるので近くの駅へ行ってみると、案内板で大雨のため列車運休の表示が流れてきています。しかし、上り貨物が通過して行ったり、区間運転の列車の送込みが上って行くなどの様子があったため、カシオペアが近くまで来ている可能性や時期に運転再開になる可能性に賭けて撮影地へ戻ります。

当然予定時刻になってもお目当ての列車はやって来ません。やって来たのは先ほど送込まれていた列車の折返し。青い森鉄道区間内から八戸線へ乗り入れする区間列車のみ。これは定時での運行でした。


そのうち、twitterで盛岡で抑止されているとの情報が入り、ここでこれ以上待つのはやめて、追っかけルートに沿って青森を目指す事にしました。この時点では遅れながらも終着まで運転するだろうと思っていたのですが、移動中に運転打ち切りの報が入ります。乗客は動いている東北新幹線で先を目指す事が出来るため早々に判断したものと思われます。また、3セクに乗り入れなければ経費も節減可能。こうなると回送状態で青森までわざわざ来てくれるとは思えず、撃沈確定です(実際に列車は運転士が手配できたところで盛岡で折り返し回送されました)。カシオペアを一目見る事も出来ずに大枚はたいて何しに来たのかという思いです。ただ、今度は明日の仕事に影響しないように無事に帰れるかどうか心配しなくてはならなくなってしまいました。

追っかけて青森手前でもう1枚なんて考えていましたが、仕方ないので青森駅前の市場でのっけ丼を食して朝食兼残念会とします。
その後、秋田空港へ向かいがてら何か走っていれば撮影したいところですが全域が軒並み運休。そこで思いついたのが、「小坂レールパーク」訪問でした。
学生時代にまだ貨物のみ現役だった小坂鉄道を訪問したことがあります。それ以来となりますが、路線廃止後に鉄道テーマパークとして頑張っているとのニュースを見て気になっていました。鉄道でのアプローチが難しい地域であるため、こんな機会でもないとなかなか行く事が出来ません。

東北道・小坂I.C.を降りてまっすぐ進むと、見覚えのある懐かしい踏切と駅が見えてきました。腕木式信号機もそのまま植置されています。


また、ホームには列車ホテルで使用されている24系客車が停まっています。


小雨降る中閑散としていますが、応援の意味も込めて入園してみます。
待合室は旅客営業時代そのままの雰囲気で、掲げられた運賃表や連絡時刻表は時代を感じさせる趣があります。



窓口で入場券を購入すると硬券で、希望者には自分でディティングマシーンで日付を入れさせてくれます。鋏を入れてもらいホームに入ると横付けされた24系客車と対面。
団体さんの訪問があるという事で、寝台車内の見学は残念ながらできませんでしたが、外から覗き込むことはできます。ホームのスパイラル(タブレット授器)とA寝台という組み合わせで撮影。
現役時代に訪問した時は、人の手を授器として受け取っておられましたが、「せっかっく来たから機械の方使おうか?」と言ってくださった係員の方の暖かさを思い出しました。当時は廃止されるというようなアナウンスもないころで、撮影者であふれるというようなこともなく、静かな普段の情景を見る事が可能でした。


宿として現役で使っているという事もあって、車内灯はついており、クーラーのモーター音も聞こえてきます。カニから電源供給されているのかと思ったのですが、係の方の説明では、外部から電源供給されているとの事で、高圧ケーブルが外から引き込まれていました。カニが稼働してくれればさらに趣があるのですが、費用やメンテナンス、その他いろいろとハードルがあるのでしょうか。

寝台車をさらっと見たあとは機関庫へ。動態復元ではないディーゼル機関車は運転室も公開されています。


帽子も置いてあり、窓枠に設置できる腕置きに手をかけて身を乗り出すと、それらしい記念写真も撮影可能です。また、地味に気に入ったのは、さりげなく差し込まれていた運転時刻表。当時の貨物列車のものと思われますが、3重連のための区間列車の時刻や、たまの形もしっかり明記されており、大変興味深いものです。いくつかグッズを売っていましたが、復刻盤か過去の現品を販売してくれたら私なら手に入れたいですね。


車両以外にも腕木式信号機とタブレット関係の展示も充実しています。


屋内である事もあり、保存状態もよくパーツがさわれる形で展示してあり、それぞれの造形をじっくり観察。黄色い羽根の通過信号機。辛うじて現役の姿を見れたのですが、当時は学生で機材も腕も今よりもまして不十分であり、思うように記録できなかったことが悔やまれます。


実際に茂内で授受の風景を見たタブレット設置機。借りた8ミリビデオで撮影した訪問時の動画は実家のどこかに眠っているはず。早くデジタル化しないと‥。

じっくり見学しても1時間もあれば、全部見る事が可能です。
構内の腕木式信号機をよく見ると梃小屋とワイヤーでまだつながっています。しかし、梃小屋内部を見学する事が出来ませんでした。普段から公開していないようです。梃小屋が公開されていないのは、その他の信号保安設備の展示状況から考えるとバランスを欠いており非常に残念です。係の方に伺うと、おそらくまだ操作可能だとのこと。これも実際に来園者に梃操作させることが出来るようにすれば十分集客力があるアトラクションになりうると思います。

2017.07.23. 小坂鉄道レールパーク


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