ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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鶴二さん中トリ~繁昌亭昼席

2011-04-17 23:40:38 | 笑福亭鶴二
鶴二さんが、繁昌亭昼席の中トリ。
今年の、芸術祭の優秀賞受賞のご褒美とか。

嬉しい限りでございます。

鶴二さん目当てに発売、即買ったのに、入場番号は146番。
案の定、前の方は団体さんでいっぱい。

一、笑福亭松五・・・・・・・・・・「平林」

しっかりした口調で、旦那さんも重みがでて、凄い。
松枝師匠の筆頭弟子・・・弟弟子もできて、やはり貫禄がでてきましたな。


二、桂三弥・・・・・・・・・・・・・・「俺たちヒローキッズ」

三枝師匠の創作落語。母親に「遊べ」と言われて、公園に行く。
そこへ、塾をハシゴする友達がくる。
「ああ、しんど」、「どっこいしょ」、「昔は良かったな」と、老人そのままのセリフ。
バッグには、ユンケルが入っていて、腰にはサロンパス。
小六の二人が公園で、腰を押している。・・・・「疲労している子供たち」
元気な友達が来て「カラオケ」へ、今の子供たちは受験戦オウ争で疲れきっている。
ほんま、子供らしい子供って、とんと見かけんようになりましたな。

題は「子供は遊べ」ではなく、「俺たちヒローキッズ」、風刺的と云えども、哀しい題ですな。


三、笑福亭仁勇・・・・・・・・・・「貧乏花見」

東京では「長屋の花見」、大家がたまに花見でお酒でも呑もうと長屋の者を誘うが、
こちらでは、長屋の連中が自発的に出かける、そしてテーマは「気で気を養う」。

今年の桜ノ宮の通り抜けも夜はなし、五時閉館とか。
震災で、節電というこんな時こそ、「気で気を養う」必要がありますな。

仁勇さん、もっと庶民のパワーが欲しいとこでんな。


四、伏見龍水・・・・・・・・・・・・「曲独楽」

曲独楽といえば、米八さんと思っていたら、龍水さん。
落語家さんの裏芸ではな、表芸、のプロ。
トリネタは、輪っかを使った芸で、輪っかの中へ、外へ、独楽を自由自在。
周りのお客さんが一斉に「凄い」の声。
生で見れる芸は、どれもこれも、良いもんですな。


五、桂三若・・・・・・・・・・・・・・「ひとり静」

大阪へ転勤してきた東京の社員に、
大阪の先輩が、大阪と東京の違いをレクチャー。

東京はすべてにオシャレで、ルールは守るのに、

路上駐車している車見て、「ワシの停めるとこないやないけ」
ノーマイカーデ―には、「空いてるから、車で出勤しよか」と
いたって、大阪は自己中心的。

大阪のおかあさんにいたっては、
「冬はなぜ、寒いの」の子供の問いに
「暑かったら、夏と間違えるやろ」など、大阪ネタの列挙。

落語家というより、吉本芸人のパワーで、笑いのトリコにしてしまう。
凄い・・・これが「ひとり静」か。


六、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「高津の富」

お目当ての、鶴二さん登場。・・・・初の中トリ。
繁昌亭の賞ではないが、芸術祭の優秀賞受賞での抜擢とか、
ファンとしては喜ばしいことですな。

ネタは、笑福亭、十八番の「高津の富」、前の三若さんが小ネタ連発だっただけに、
主人公のホラが始まるまでの仕込の部分は静けさが漂う。
でも、二番の五百両が当たるという男の妄想のところから、絶好調。

宿屋の主人が、番号を照らし合わせるところは飛ばして、コンパクトに演出。
「子・千三百六十五番」、鶴二さん曰く、一両が今の価値で20万、一等が2億円。
富くじ一枚が、一分で四分の一両、今の値段にすると4、5万と、いや結構高い。
誰もが、一攫千金を狙って妄想するのも、無理ありませんな。

噺が終わって、隣の怖そうな男性が、お連れに、「おもろいなぁ」の一言。
そうでっしゃろ・・・。

ちなみに、この一週間のネタは、初日「口入屋」、二日目「竹の水仙」、三日目「寝床」
四日目「三十石」、五日目「替り目」、六日目「親子茶屋」、楽日「高津の富」でおました。


仲入り

七、れ・みれらぶるず・・・・・「歌謡喫茶」

ああ、雀三郎さんの満腹ブラザーズの、リピート山中さんが登場。
アコーディオンのフランシー堺とのコンビ、結成して二年半とか。

美空ひばりさんの「愛燦燦」を皆さんご一緒にの声で、隣りの男の人も
後ろの女の方も、大きな声で歌う。えぇ、みんな素直ですごいやんか、
へんなところで、感心。次に替え歌で「ギャグ、サンザン」、
「神田川」に「悲しい酒」、最後はやはり、ヒット曲「ヨーデル食べ放題」
楽しいですな。

繁昌亭の良さが、今日のように、新しい色物に出会えることでおます。


八、桂春蝶・・・・・・・・・・・・・・「紙入れ」


なんとも艶っぽい、春蝶さんの「紙入れ」
若い貸本屋を手玉にとる、おめかけさんのどろどろとした、妖艶さが漂う。
でも、あの身体のクネクネ感は、「恋くらげ」を想いださせる。

でも、悩ましい「紙入れ」。春蝶さんがよくかけられるのも納得の一席でおました。


九、笑福亭たま・・・・・・・・・・「青菜」

ド派手な衣装で登場。得意のショート落語を。
「銃撃戦」、「銃撃戦そのⅡ」、「ドリアン」、「ローマ法皇」
「伝票の譲り合い」、「B29」・・・定番だけど、何度聴いても楽しい。

そして、季節はちょっと早いが「青菜」へ、
主人公の植木屋の名前が「為五郎」、枝雀ワールドか。

「しつけで、教育」が、「火付けで、懲役」など
パワフルで、解りやすく、あちらこちらにたまワールドが全開。

たまさんの落語は、生でしか味あえない奇天烈感がうれしいですな。


十、桂雀三郎・・・・・・・・・・・・「ちしゃ医者」

ほんのりと、夜中、明方の雰囲気が漂う・・・情景が浮かぶ・・・
と言いながら、日頃の忙しさではたまた、たまさんのパワーで疲れたのか、
知っている噺だけに、どこが夢で、どこが現実なのか、うとうと。

「つくりものと解る」嘘ではない世界に身をおいて、落語そのものの世界に浸る喜び。
うつらうつらの中で、心地よく噺がすすむ。
本日の「ちしゃ医者」赤壁周庵先生は、私には癒しの名医でおましたな。


天満天神繁昌亭・昼席
2011年4月17日(日)午後1:00開演
天満天神繁昌亭

一、笑福亭松五・・・・・・・・・・「平林」
二、桂三弥・・・・・・・・・・・・・・「俺たちヒローキッズ」
三、笑福亭仁勇・・・・・・・・・・「貧乏花見」
四、伏見龍水・・・・・・・・・・・・「曲独楽」
五、桂三若・・・・・・・・・・・・・・「ひとり静」
六、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「高津の富」
仲入り
七、れ・みれらぶるず・・・・・「歌謡喫茶」
八、桂春蝶・・・・・・・・・・・・・・「紙入れ」
九、笑福亭たま・・・・・・・・・・「青菜」
十、桂雀三郎・・・・・・・・・・・・「ちしゃ医者」

11-10-48

おまけ

天神さんの裏の「亀の池」

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