ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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2021年・ごまめの落語・BEST20・・instagram OK

2021-12-30 08:08:08 | 落語
2021年・ごまめの落語・BEST20

今年は、コロナの緊急事態宣言でチケットを買っていて中止になった落語会が七公演、大阪へ出るのも自粛、近くの落語会、「和泉ワンコイン寄席」や、「せんしゅう亭」などを中心に足を運んで楽しませてもらいました。
ただし、11月末からの大阪落語会はチケットも安く、今年のストレス発散と4公演もお世話になりました。
落語会は都合34回、158の演目の中から、今年はBEST30ではなく、BEST20でおます。

例年のごとく、一人の噺家さん、ベスト、一演目にしております。


①、笑福亭鶴二、「中村仲蔵」・(4.10)~新生名人は誰だ
大当たり・・鶴二さんの「中村仲蔵」、大当たり。
仲蔵の奥さんよろしいな、旦那を励まし、旦那を遠回しに諭す。男ってやはり認めて貰いたいという動物、それが得られないときは失意のどん底、一番近くにいる師匠であり、一番のファンである、そういう意味で良い女房でおますな。
仲蔵が芸を磨き、役の工夫をして「五段目」の斧定九郎の役作りをするところ、踊りの素養のある鶴二さん、きれいな立ち姿、かっこいいですな。「百年目」「らくだ」に続いて聞きたい大ネタまた一つ「中村仲蔵」できましたな

②、桂春若、「京の茶漬」・(2.20)~泉州上方噺の会
本日の秀逸。もう何度も聴かせてもろうている春若さんの「京の茶漬」、一番前の近い席で見ただけに大阪の客人の顔の表情、心の動きが細かに伝わってくる。あまり台詞のない奥さんの表情まで伝わってくる。
続けてもう一度「京の茶漬」であっても聞きたくなるのは、春若さんの落語完成度の高い証ですな。


③、笑福亭伯枝、「ざこ八」・(11.14)~笑福亭伯枝独演会
三か月前のネタおろしも聞いたんですが、さすが本番、最高の仕上がり。やはりネタを練り上げるというのは凄いですな。「ざこ八をつぶしたんは、鶴さんおまはんのせいや」で始まる小父さんとのけんか腰の言い合い。よろしいな、変に人情噺にならずして、ざこ八とお糸さんのこれまでの年月が語られる。
ここのところだけで、鶴さん、お糸さん、小父さん、すべての人の心情が明かされる。・・・最後の終わり方は、優しさあふれる伯枝さんらしいですな。


④、桂春蝶、「やかん」・(8.8)~笑福亭鶴二独演会
よかったですな。最高でおます春蝶さんの「やかん」。知らぬものはないと広言している隠居のもとへ無理難題を吹っかけてくる主人公。その質問が秀逸、春蝶さんのセンスが際立つ。後半は「やかん」の由来を語るのに隠居大好きなデタラメの講談で煙に巻こうとする。このくだりあの「狼講談」を彷彿させる。大熱演、一つの落語で二つの落語を聞いたような充実感、何度でも聞きたくなる、十八番とも云える春蝶さんの「やかん」でおました。
知ったかぶりするものを東京の噺家仲間では「やかん」というらしい・・・知らんけど。


⑤、桂梅團治、「井戸の茶碗」・(12.11)~大阪城歳末特大寄席
本日の秀逸。本格落語でおました。この日16名の落語家さんが落語を、こんなM-1みたいに他の咄家さんを意識しながら、ご自分のベストの高座をぶち当てる。初めて落語に接するお客さんも多い中、お茶を濁すのではなくマクラもなしに「井戸の茶碗」を本寸法で話される梅團治さん、その真摯な姿勢に感動。良いものはやはり良い、良いものは熱く伝わりますな。


⑥、笑福亭仁智、「ハード・ラック」・(12.11)~大阪城歳末特大寄席
「ハードラック」・・何度聞いても楽しい名作。今日初めてこの落語に出合えた方は、「グッド・ラック」でおますな。


⑦、桂文珍、「たちきり線香」・(2.16)~動楽亭・昼席
文珍さんの「立ち切れ線香」が聞けるとは、笑いは少ないが船場の若旦那と芸妓小糸との悲恋物語、しんみりと聞かせてもらいました。
終わったら、隣のお嬢さんが涙ぐんでるのを見てこちらまでグッときましたな、コロナ禍で人との関りが避けられていますが、やはり心の襞にしみいる落語の世界ってよろしおますな。


⑧、笑福亭松枝、「軒付け」・(2.16)~泉州上方噺の会
浄瑠璃の噺なので、「寝床」か「猫忠」と思いきやなんと「軒づけ」めったに聴くことのない噺。今のカルチャーセンターではないですが、趣味の者が集い会うのはたのしみで、早くコロナ禍もおさまって天さんの「テンツテンテン」、気兼ねのう聞ける日が来てほしいですな。


⑨、桂南天、「時うどん」・(2.16)~動楽亭・昼席
モタレ役の南天さん、そこは軽く「時うどん」ですが、もちろん、南天ワールド全開に、喜六が翌日ひとりで行ってうどん屋に「おつれさんもつけましょか」というくだりで、「ここに居てるんやから、ちゃんとここを見て言うていや」と、独特のこだわりをほり込む、南天さんのこんなとこ大いに好きですな。

⑩、柳家喬太郎、「小言幸兵衛」・(7.23)~柳家喬太郎独演会
借家を借りに来た仕立て屋に息子がいると聞いてからの心中騒ぎ。こんな無茶ぶりの狂気さは喬太郎さんの十八番。


⑪、桂雀々、「代書」・(12.11)~大阪城歳末大寄席
「代書」・・十八番の、「ポーンです」。寒い冬でも、汗がでてくる大熱演。

   
⑫、立川志らく、「芝浜」・(11.27)~立川志らく独演会
これも志らくさんの十八番。恒例の師走にかけられる「芝浜」。これは東西の方で聴いていますが、やはり最初に聴いて泣かされた柳家さん喬さんのが忘れられませんな、その後の二度目の時にも泣かされました。
私にとっては「芝浜」は、泣くために聴く噺で、その涙の量が良し悪しの基準になってます。まあ、歳をとると、解かっていながら涙もろくなってますな


⑬、桂南光、「鴻池の犬」・(9.23)~上方落語競演会
南光さんの「鴻池の犬」は初めて、兄弟愛がしんみり泣かせどころですが、南光さん以外にあっさりと、でも「鯛の浜焼き」「う巻き」と次々ごちそうを。遠慮するシロに「わしゃ、こういうもん食いあきてんねん。今晩あたりあっさりと奈良漬けで茶漬けでも食いたいとおもうてんねん」この台詞よろしおますな、弟への思いが溢れてますな。落語には、お気に入りの台詞というのがありますな・・・。


⑭、笑福亭松喬、「尻餅」・(12.2)~大阪城歳末特大寄席
師走にピッタリの噺をじっくりと。


⑮、桂文鹿、「おみくじ制作所」・(12.11)~大阪落語祭・お楽しみ落語会岸和田
良かったですな、楽しい、たのしい一席、名作「おみくじ製作所」がようやく聞けましたおみくじ製作所にかかってくる電話の先の神社の名前が、米紫神社に、菊丸寺院、かい枝神宮、春蝶宮、三若寺院、福矢寺に吉弥大社などすべて同期の噺家さんが勢揃い、三金さんがないのがやはりさみしいですが。
これから初詣での季節、各神社では書き入れ時、この落語に近いおみくじや絵馬の発注、利は元にありでいろんなものの仕入れ、飾りつけの準備など、始まってるんでしょうな。


⑯、桂小春団治、「職業病」・(12.11)~大阪城歳末特大寄席
小春団治さんの十八番の創作落語。私にとって「職業病」とはなんなんでしょうな。気になりますな。


⑰、桂文三、「四人癖」・(6.27)~ラクゴリラ・25周年記念会
「四人癖」最高。落語の楽しさ全開ですな。変な蘊蓄ではなく、バカバカしくても、楽しい、そんな落語の原点みせてくれる文三さんの高座でおました。


⑱、笑福亭呂好、「盆唄」・(10.24)~角座・呂好一人勉強会
立川談四楼さんで、「ぼんぼん唄」というのを聞いたことがあるのですが、
噺が進むにつれてあの時の温かみのある落語が思い出されてきました。
呂好さんの、穏やかでしっとりとした噺よろしおますで、こんな良い落語どんどん聴かせてほしいもんでおます。


⑳、笑福亭生寿、「近日息子」・(6.27)~ラクゴリラ・25周年記念会
生寿さんもう入門15年とか、東京ならぼちぼち真打ち襲名の話が出るころですな。凄い「近日息子」見せて貰いました。言い間違いしてあやまらんとのくだり、すべてオリジナルでしょうか、斬新で、おもしろくて、噺のキモの部分に敢えてさらにバージョンアップに挑戦するとは・・・これは、ますます進化する生寿さんの高座、見逃したらあきまへんな。



来年は、落語ではなく文楽で幕開けの予定です。

一年間お世話になりました、
「ごまめ~の~いちょかみ」
来年もよろしくお願いいたします。
①、天満天神繁昌亭

②、和泉シティプラザ

③、浪切ホール

④、TTホール

⑤、太融寺

⑥、心斎橋角座

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